« 知っているようで 年間空間線量率って何 ? | トップページ | 人間くさい葛藤と対立 科学者映画の限界 »

一日二食のすすめ  カロリー制限の問題点

(2012.04.26)  老化を抑え、肉体的にも精神的にも若々しく暮らしたい。健康寿命をできるだけのばしたい。人間ならば、いや、生物ならばみんなそう願うに違いない。そんなことを国民みんなが思えば、そしてそれが実現すれば年金財政は破たんだよ、と皮肉くる人も多いだろう。

 その一方で、たらふくうまいものを食って生活したい。そう願うのも人間の本能かもしれない。いや、本能だ。金欲は別にしても、食欲と性欲は生物の本能。そうやすやすと変えられるものではない。そう認める人も、これまた多いだろう。かくして、現代は前代未聞の飽食の時代を迎えることになった。

 この両方がかなえられれば、人生は万々歳だ。ブログ子もそう思うし、そう願う。

 しかし、現実はよく知られているように、そうはいかない。暴飲暴食、たらふく食って、太く短い一生を送るか、それとも、健康第一、我慢の節食で細く長く生きるのが幸せか、人それぞれだろうが、選択は日々迫られる。人生いろいろ、ほどほど、その折り合いが難しい。

 カロリー制限策として、ブログ子は、定年後は、朝食と昼食を軽めに一緒にとる

 一日二食

を実行している。熱々のご飯の和食(納豆+梅干し+子持ちししゃも+生たまごかけご飯+お吸い物)。写真がそれだ。ときどきグレープフルーツかレモンをかじる。

 二食目は刺身中心の夜の晩酌。テレビを見ながら、お酒は2合と決めている。たまに、にんにくを丸々1房オーブンで焼いて酒肴としている。夏ばてにはもってこいだ。

 この程度の節食だと長続きする。

 Image5183 「週刊現代」3月17日号(2012年)をみていたら、

 いつまでも若く見られる方法

として、南雲吉則医師の

 「一日一食」のすすめ

が紹介されていた。実年齢50代後半なのに、写真を見るとどうみても30代。かつてはメタボだったのが、一日一食でスリムで若くみえる体質に変身したらしい。確かに驚いた。今、話題のベストセラー

 『50歳を超えても30代にみえる生き方』

の著者でもあるのもわかる気がする。

 「いかに食べる量を少なくするか」が大事

ということを自分の実践と医学知識をもとに書いているのがこの本のミソ。

 どうやらその秘密はこうらしい。人間などの生き物には、細胞が飢餓状態に陥っても生きのびられるように、体を正常に保つ治癒力がもともと備わっている。生物進化とは、飢餓との闘いだったのだ。そこでこの治癒力を活用して、

 「お腹が鳴っている時こそ、(治癒力を引き出し)若さを取り戻している時」

 であり、

 「食事を40%減らせば寿命は1.5倍にのびる」

という按配。飽食時代の現代は飽食で治癒力を狂わせている。飽食でかえって病気、とりわけ生活習慣病の元凶をつくりだしているというわけだ。

 なかなか鋭い指摘である。

 南雲氏は、最近でも

 『 「空腹」が人を健康にする 一日一食で20歳若返る ! 』(サンマーク出版)

という本を出版、売れ行きは好調だ。

 ただ、飽食の時代に一日一食の空腹に人は耐えられるかということが問題だ。仏教の「断食の行」のようなよほどの決意と禁欲を強いられる。主張は正しいが、おそらく本を買った人は最初は実行するが、長続きはしないだろう。むしろその反動で、ガバ食いとなり、逆効果になりかねない。

 南雲氏のような克己心が強い人でないと、一日一食の成果は出ないと思う。言うは易く、行い難しでは健康法としてはダメとは言わないが、効果的ではない。 

 その点を除けば、その主張するところは、間違ってはいない。たとえば、マサチューセッツ工科大学生物学部のL.ガランテ教授も、食事制限を通じたカロリー制限は、老化を抑え、若さを保ち、健康寿命をのばすだけでなく

 「最近の研究によって、がんや心血管疾患、(アルツハイマー病などの)神経変性疾患、および糖尿病などの加齢にかかわる主要な疾患の発症を遅らせることや、予防する効果があることがわかってきた」

と指摘している(講演「21世紀の健康長寿」日本エイジマネージメント医療研究機構(2007年))。

 カロリー制限には生活習慣病の改善に確かに効果がある。

 そこで、節食やカロリー制限に何らかの強制力を持たせれば、かなりな効果が期待できる。医師の厳格な管理の下に絶食の効果を生かそうという取り組みとして、先日、NHK-BSの「世界のドキュメンタリー」で

 絶食治療の科学

というのが紹介されていた。1、2週間にわたり入院し、水だけしか飲まない。その間、尿検査などを受けながら病気を治そうという試みである。

 ロシアでは、治療を受けた1万人もの高血圧、糖尿病患者のうち、この方法でその3分の2が完治または効果があったという。事実なら大変な成果である。

 絶食治療は、ドイツのベルリン大学シャリテ付属病院、南カリフォルニア大学がん総合センターなどヨーロッパ、アメリカでも試みられており、その効果が確かめられているという。

 番組によると、がん、肥満、気管支喘息、皮膚病のほか、なんと、うつ病といった精神病にも効果があるというからオドロキだ。

 その考え方は、おおむね、先ほどの自然に備わっている治癒力、もう少し言えば、自浄作用、自己調節作用を引き出すというものらしい。体が正常な細胞に保とうとするかのように遺伝子群が呼び覚まさせるという言い方もできるかもしれない。

 患者に決意と禁欲を強いるとしても、何も食べず、薬すらとらず、水だけで治療する究極の医療時代があるいは来るかもしれない。そんな印象を与えてくれた番組だった。

 ただ、番組ではほとんど触れられていなかったが、治った後、つまり病院を退院した予後はどうなるのだろうか。医師の管理下から解放されて、元の木阿弥にならなければいいが、と思う。そこが問題だと、一日二食の晩酌をしながら気づいた。

 ブログ子のような意思軟弱なやからは、

 一日二食のほどほど

 これでいくしかないと誓った夜だった。

 追記

 件の出版社は、3年ほど前に話題になった

 『体温を上げると健康になる 体温が1度下がると免疫力は30%低下』

という体温アップ健康法のハウツウ本も出している。風呂の温度は41度。これなどは、熱めの風呂に入ろうといっているだけなのだから、かなりずぼらな人でも実行可能で、成果が期待できそうだ。

|

« 知っているようで 年間空間線量率って何 ? | トップページ | 人間くさい葛藤と対立 科学者映画の限界 »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/533942/54566837

この記事へのトラックバック一覧です: 一日二食のすすめ  カロリー制限の問題点:

« 知っているようで 年間空間線量率って何 ? | トップページ | 人間くさい葛藤と対立 科学者映画の限界 »