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富士山も見える浜松「出世城の桜」

(2012.04.07)  新古今和歌集には、歌人、西行の

 願はくは花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月のころ

という歌があるらしい。きさらぎの望月というのは、旧暦で2月15日の満月のことだ。今で言えば、3月中旬ごろの季節だろうか。花というのは、当時としては(山)桜の花を指すらしい。

 そんな西行の歌のような桜が、ようやく浜松市中心部の浜松城、通称、出世城の天守閣の真下に満開になった(写真)。早速、出かけたが、それは見事なもので、本丸近くの高台から東を眺めると遠くに雪をかぶった富士山が輝いていた。西行ならずともここで死ねたら、本望だと感じた。今宵は、新入社員を迎えての夜桜見物なのだろう、城周辺にはビニールシートで場所取りが行われていた。

 Image476_3 静岡県では、例年なら2月中旬には咲き始める早桜の伊豆河津桜が有名だが、大寒波のせいで2月末に出かけたときにはまだまだ「つぼみ堅し」だった。待ちに待って、3月に入ってから咲き始めたようだ。

   もう一つ、隠れた名所として、大井川鉄道「青部(あおべ)駅」、通称花の駅がある。いまごろの季節、「さくら」と書かれたヘッドマークをつけたSL列車の車窓からの眺めはすばらしい。赤い桃の花も楽しめる。SLファンなら、よく知られたポイントらしいが、一般にはあまり知られていない。

 ブログ子は、転職を繰り返して、浜松に住むようになったおかげで、各地の大桜をいくつも見る機会があった。その中には

 樹齢1000年の大桜

もある。印象に残ったのは、学生時代の京都

 八坂神社境内(円山公園)のしだれ桜

は、見事である。醍醐の夜桜も風情があり、好きだった。日本画家の浜田泰介画伯の

 「醍醐夜桜」

の題材にもなった。近くに住んでいたお陰で、一度だけだが、醍醐の夜桜を満月の夜見にいったことがある。茶会の観桜会だったが、無粋なブログ子なのに京都に住んでうれしかったことのひとつがこの観桜会だったことを記憶している。

 そのときの印象をどう表現していいのか、わからないが、作家、宮本輝の短編

『夜桜』

の気分といったら、言いすぎだろうか。

大学院時代に研究で訪れた

 倉敷市の極楽寺の大桜

も忘れがたいし、日本一の清流、

 四国・仁淀川(によどがわ)のひょうたん桜

も情緒がある。

 大阪に通勤していたころの思い出は

 中ノ島造幣局の通り抜け

もにぎやか。数十種類の桜を一度にめでることができる。ただ、堤の砂埃がいまも、なつかしく記憶に残る。

 奈良県では、古代史好きで古墳めぐりをしていたときに、出合った

 吉野山の(千本)桜

も懐かしい。まさか、ここに源義経と静御前の悲恋があっとは当時、思いもしなかった。若かった。

 岐阜県の飛騨、根尾谷の

 淡墨桜

はあまりに有名。

 浜松城の場合よりも、大掛かりで見事なのが、

 国宝、姫路城の桜

だろう。

 北陸の金沢には20年住んだが、なんといっても

 兼六園の夜桜

の風情は、明かりのついたぼんぼりの揺らめきとともに忘れられない。太平洋と日本海を桜並木でつなごうと、桜の苗木を私費で植え続けたバス運転手がいた。兼六園の園内には、その奮闘で植えられた

 佐藤桜

がひっそりと1本立っている。このことを知る金沢市民は少ないだろう。

 日本国内ではないが、今からちょうど100年前、1912年3月、日米友好の証としてアメリカ・ワシントンD.C.に桜の苗木数千本を寄贈した高峰譲吉博士。富山県高岡市に生まれ、金沢市で若き日を送った。この寄贈では、日米の間に立った博士は事業の基本方針を決めるなど、今で言う「エクゼクティブ・プロデューサー」であり、また苗木代、運送費など諸経費や運用資金の提供者でもあった。

 これが、今のワシントンのポトマック河畔の「サクラ」なのだ。病害虫に強い苗木の品種改良では、大阪府伊丹市や静岡県清水市(現・静岡市清水区興津)の農事試験場なども深く関わったらしい。

 このように桜では、どちらかというと、西高東低のように思う。しかし、紅葉の美しい東日本でも

 秋田県角館(かくのだて)のしだれ桜

は、観光で行って見ただけだが、美しい。これまた観光で見ただけだが、5月下旬の

 北海道西部の厚岸(あつけ)町の山桜

も風情がある。北国の春とは、こういうものか。その雄大で、たおやかな桜に内地では味わえないさわやかな感動を覚えたことがある。

  追記 滝桜

 実際にみ見たことはないが、2012年4月27日、NHK総合テレビの夜のニュースを見ていたら

 樹齢約1000年の滝桜

の満開を紹介していた。福島県三春町滝地区にあり、薄紅の花びらが滝のように流れて咲いている様子は圧巻だ。

 日本五大桜

のひとつだそうだが、なるほどと納得した。

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