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地球人は火星から来た ? Where is Everybody ?

(2012.04.08)  先日、BS-プレミアム「コズミック・フロント」を見ていたら、

 「私たちは火星人 ?」

という放送をしていた。なんとはなしに、見てしまったが、要するに、現在の火星の表面には液体の水はないが、

 かつての火星表面には、現在の地球のように巨大な海があった

ことを科学者たちが突き止めた話だった。一応、納得のできる論理的な説明に感心した。知性のある高等生物としての火星人はいないが、水はあったというわけだ。それが何らかの理由で、たとえば、火星内部のマントル対流で、すべての海水は地下に引きずり込まれてしまったというのだろう(番組ではこうした説明はなかった)。

 そこで、番組の後半では、だから、かつての火星表面には、たとえばバクテリアのような生命が存在し、それが隕石の火星衝突で太陽系空間に隕石内部に閉じ込めた形で飛び散り、やがて地球に到達したという仮説が紹介されていた。この仮説の前提には、

 原始の海があったかつての火星には生命が存在した

ということがある。その上で、番組では次の三点を科学的に検証していた。つまり、

 第一。火星から地球まで、ともかく、飛び散った隕石が妥当な期間で到達できることの証明

 第二。その飛行宇宙空間でさらされる強力な放射線に対して、生き延びられること。つまり、閉じ込められた微生物のDNAが放射線で切断されても、修復できることの証明または、そのような微生物が現に存在することの証明

 第三。地球大気圏に突入した隕石は高熱にさらされるが、微生物のいる内部がそれほど高温にならないことの証明。つまり、隕石内部がせいぜい摂氏100度以下であることの証明。

 いずれもその証明ができたらしい。

 そこで、ジョゼフ・カーシュビック教授(カリフォルニア工科大学)は、

 私たち地球生命は火星人(の子孫)かもしれない

と話していた。面白い話だった。夢のある、というか広がりのある話である。

 この話を聞いてふと、気づいた。それは、この話を逆にして、

 約40億年前ほどの原始地球には、バクテリアなどの微生物がいたことは確かだが、その岩石に閉じ込められた微生物が地球に衝突した隕石によって、火星に〝移住〟したかもしれないということだった。

 そこから火星の生命の進化が、地球と同様に、始まったが、なぜか、海が消滅した。生命は、砂漠のような火星表面ではすべて絶滅した。絶滅しない場所といえば、それは水のある地下であり、そこでは今も地球型生命が進化し続けているという仮説だ。これがブログ子の以前からの着想である。

 つまり、火星には高度な知性を持った生命はともかく、地下深くに地球型の生命はいる。この着想の真偽は、いずれ無人にしろ、有人にしろ火星探査が進めば、必ず決着がつくという特徴がある。ウソかホントか、いずれわかるのだ。

 さらに、この話を膨らますと、

 岩石に閉じ込められた地球生命は、太陽系外のほかの惑星系にたどり着いたかもしれない

という仮説を可能にする。

 地球では、地球に隕石が衝突するなどで生物が絶滅寸前にまで追い詰められた時期が少なくとも次の6回はある。

 今から約5億4000万年前のカンブリア紀と先カンブリア紀の境(原因は不明とも)

 約4億4000万年前のシルル紀(これは急激な寒冷化が原因とも)

 約3億7000万年前のデボン紀と石炭紀の境(隕石の衝突の可能性が高いとされている)

 約2億5000万年前のペルム紀と三畳紀の境(大規模な火山噴火の可能性も)

 約2億1000万年前のジュラ紀(隕石の衝突の可能性が高いとされている)

 約6500万年前の白亜紀と第三紀(新生代)の境(巨大な隕石の衝突が原因とされている)

 とすれば、このいずれかの時期、あるいは先カンブリア紀のある時期に、微生物が故郷の地球を離れて、太陽系に、あるいは太陽系外に、岩石内に閉じ込められて飛び出た可能性も否定できない。

 オランダのライデン大学のグリーンバーグ博士たちの研究グループは、こうした微生物が宇宙のチリとも言うべき星間分子雲に潜み、移動するとして、太陽系外の惑星系にたどり着く時間はどれくらいか、計算した。それによると、

 約1億年から10億年

らしい。上記の6つの期間のほとんどが含まれるから、地球から飛び出した微生物は太陽系を離れて、すでにほかの惑星系にたどり着いている計算だ。

 しかし、問題は、この間に星間に飛び交っている強力な放射線により、潜んだ微生物が死滅しないかということである。博士たちによると、比較的に分厚い分子雲に囲まれていれば、微生物はこの期間、十分生存可能だという。

 ほかの惑星系に1億年から10億年かけてたどり着けば、大気との高温の摩擦熱も、先ほどの事例から耐えて、いくつかの惑星では、微生物はうまく着地できるだろう。

 このように、確実に存在した地球生命は、太陽系外の惑星系にたどり着ける。そして、地球人型生命の生存を許す環境を備えたいくつかの惑星の表面では、地球から来た生命は進化を始める。

 そこからまた、1億年ないし10億年かけて、別の惑星系にその惑星の生命(地球から移住した子孫)は再び移住する。そうすれば、いずれ、すくなくとも銀河系内に地球人型の生命が満ち溢れることになる。その中には、現在の地球人と同程度か、それ以上の生命が多数あるはずだ。

 ところが、この50年、地球との電波などによる連絡を寄越した知的な生物はいない。

 なぜだろうか。

 みんなどこにいるのか?(Where is Everybody?)

という

 フェルミのパラドックス

である。地球人型の知的な宇宙人が銀河系内には多数いるはずだ。なのに、円盤に乗って地球にやって来るのは無理としても、せめてこの50年間に一つや二つの惑星から連絡ぐらいあってもいいはずである。なのに、なぜまったく連絡がないのか。

 春の一夜、そんなことを考えさせた番組だった。

 ● 注記 広い宇宙に地球人しか見当たらない

 このフェルミのパラドックス

については、

 『広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由』(S.ウェッブ、青土社)

という面白い本がある。一読を勧めたい。大変に哲学的な内容に満ちた書物だと思う。たいていの人が正しいと信じて疑わない「人間中心主義」という偏狭な考え方が、このパラドックスを生んでいることに気づかされる。

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