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熱気を忘れず行動を 浜松市「津波シンポ」

(2012.03.20)  先日の日曜日、今回の大震災を受けて、浜松市でも市民を対象にした

 津波シンポ 対策「中間報告」(委員長=首藤伸夫東北大名誉教授)

が行われた。ブログ子も含め400人をこえる参加者が会場に詰め掛けた。この熱気を忘れずに、車で避難する方法、非常用持ち出し袋の点検など具体的な行動に結びつけたい。

 静岡県の場合、東海地震、あるいはそれとほぼ同時に東南海、南海地震も起きる、いわゆる3連動型巨大地震が、遅くとも今後数十年以内に発生する可能性が極めて高いと見られているが、その場合、

 大きな揺れ、津波、浜岡原発放射能漏れ事故、富士山噴火の4連動の複合震災

になる可能性が高い。

 まず、シンポのテーマの津波。

 東海地震が単独で発生した場合、静岡県の第3次被害想定(2001年度策定)では、

 浜松市の遠州灘には最大で波高5.6メートルの津波が、地震発生後15分たったころから押し寄せる(浜名湖の入り口の新居町=現在の湖西市新居地区)。県では、今回の大震災を機会に、第4次の被害想定(3連動地震も含む)の策定を急いでいる。2013年3月にもまとまる予定だ。

 浜松市独自の中間報告書(2011年10月公表)や、報告書をまとめた委員が参加したシンポでのパネル討論によると、

 遠州灘などを震源域とし、大津波にみまわれ、また直後には富士山の噴火も起きた連動巨大地震、宝永地震(1707年10月、M8.7)並みを想定した簡易モデル(中央防災会議採用の解析モデル)で計算すると

津波の最大波高は、6-7メートル

仮にM8.9とすると、最大の波の高さは、10-11メートル。

さらに、今回の大震災と同程度、つまり、M9.0とすると、なんと13-14メートル

となるらしい。おおよその目安としても、また物理的な意味合いはないとしても(つまり、単に計算上の結果だとしても)、従来の単独地震の倍以上の最大波高であり、避難対策を大幅に見直す必要がある。

 遠州灘からどのくらはなれた地域までを対策地域とするか。シンポでも詳しく説明された。それによると、今回の大震災の仙台平野の津波痕跡調査が参考になるらしい。浜松市などは、遠州灘を抱える浜松市などと仙台市のある仙台平野は似た環境にあることに目をつけて、

津波の大被害が出た安政東海地震(およそM8.7)の浸水域+遠州灘から内陸部へ2キロ離れたところまでを暫定津波対策範囲

と定めた。これは、仙台平野の場合、海岸から2キロ以内では建物の流失が激しかったのに対し、2キロ以上では浸水はしたものの流失は少なかったという現地調査に基づく、一応の線引きだ。遠州灘の場合、中田島の砂丘がおおむね被害減殺があることを考えるともっともな選定だろう。

   これだと、ブログ子が住んでいる佐鳴台の高台や、JR浜松駅など浜松中心部(遠州灘から4-5キロ)は範囲外。

 ただ、M9.0を想定した場合、なんと東海道新幹線の走るJR浜松駅などの中心部や佐鳴湖南岸に直接達する。つまり、この湖の周囲も津波がやってくるおそれがある。事実、市議会の危機管理特別委員会に示されたシュミレーションでも、はっきりと佐鳴湖周辺も津波浸水域に入っている(M9「3連動」なら浜松駅付近もとの見出しで3月17日付静岡新聞にカラーマップ)。

 また、津波被害が大きく、浜名湖の地形が大きく変わったことで知られる明応地震(明応7年=1498年9月)では、奥浜名湖まで津波は押し寄せたという。

 そして、原発事故。

 これについては、NHKニュースによると、中部電力は最近、浜岡原発の津波対策を追加的に強化している。

 まず、現在工事中の防潮堤を海抜18メートルまでかさ上げし、強化する。これに伴い、基礎部分のくい打ちをさらに2メートル深く打ち込む。

 次に、水没による全電源喪失を食い止めるため、各施設ごとに設けられている防潮扉を100ヵ所から200ヵ所に増設する。

 さらに、万一に備え、海岸から離れた構内高台に使用済み核燃料の冷却用の水備蓄(貯水)施設を設ける。

 これで万全か、検証も今後必要だろう。なにしろ、浜岡原発は人口が密集する浜松市、静岡市中心部から直線距離にして、わずか50キロだ。今回の緊急避難準備区域、30キロ圏内をわずかにこえているだけなのだから、より慎重な対策が求められる。

 念のために書いておくが、想定東海地震の震源ど真ん中に立地する浜岡原発(御前崎市)には、日本最大(級)の約130万キロワットの5号機をはじめ3基(いずれも110万キロワット以上と日本最大級)の原発が稼働しているのだ。

 最後は、富士山、伊豆半島での火山噴火の可能性だ。

 これについては、詳細は明らかにされていないが、静岡県で現在急いで見直し作業がはじめられている第四次被害想定に富士山噴火について具体的な対策が盛り込まれるようだ。

 ただ、自治体で構成する火山防災協議会の最近の報告によると、今回の大震災で火山噴火の可能性が従来より高まっているという。静岡県では富士山の噴火、温泉地の多い伊豆半島が問題だ。富士山はまぎれもなく活火山であり、宝永地震では、地震の約2か月後の1707年12月に大噴火している。

  浜松市は富士山から約100キロ離れているが、記録によると、当時、降灰砂は90キロ離れた川崎市でも厚さ5センチにも達した(理科年表より)。

 昨年2011年は、長崎県の雲仙・普賢岳の火砕流発生で多くの犠牲者を出した火山災害から20年がたつ。そろそろ次の大災害が起きるころと覚悟し、この機会に真剣に備えを点検する時期だ。監視が必要な火山に対して、自治体同士の共同作戦をすることになっている火山防災協議会はきちんと機能しているかどうか、ハザードマップの周知徹底が図られているか、足元を見つめる好機だろう。

  さて、最後に、ブログ子も、この機会に、浜松市の危機管理課が最近発行した

 地震に備えるリーフレットを参考に

 備蓄品、非常持ち出し品の総点検をし、バックにまとめ、押入れの見えるところに置いた

 これだけでも、シンポに参加した意義はあったと思う。こんなことは、こんな機会でもなければ、しようという気持ちはあってもなかなかできないものだ。気持ちや知識、あるいは熱気だけでは、災害には対応できない。自分の命を守るのは自分であり、自分の行動であることを再確認した。  

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