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植物にも〝自己犠牲〟 マングローブの秘密

(2012.02.04) 偶然だが、立春のきょう、

BSプレミアム 「ワイルドライフ(野生の生き物)」

という番組を見ていて、日ごろ不思議に思っていた疑問が解けた。

 海水と淡水の境、汽水域に生息するマングローブの森は、普通の植物のように、なぜ塩害で枯れてしまわないか

という問題だ。

 マングローブは、アカネ科などいろいろな(落葉、常緑)広葉樹から成り立っている熱帯・亜熱帯の汽水域にある森。塩害で木全体が枯れないのは、生い茂る葉っぱのごく一部が根元から吸い上げた塩分すべてを一手に取り込んで、ほかの葉っぱを塩害から守っているというのだ。映像で、その黄色く変色して落葉する〝自己犠牲〟の様子を見せられて、ワイルドライフのたくましさにつくづく感嘆した。

 映像は亜熱帯の西表島のものだったが、マングローブにはそんな仕組みが、生き残りをかけた海への進出という進化の過程で生まれたのだろう。

 木全体の葉っぱが秋になるとエネルギーの消費をできるだけ少なくするために黄色や赤に変色し落葉するのは、生物学では「アポトーシス(自殺)」というが、珍しいことではない。自己防衛本能だろう。しかし、ある特定の葉っぱだけが、あたかも仲間のほかの葉を守るかのように落葉するとは知らなかった。

 また、今回の番組では、海の生き物(動植物)と淡水の生き物が汽水域でたがいに共生している様子を鮮やかに映し出していた。たとえば、潮の満ち干しを通じて、マングローブの森は、引き潮では軍隊ガニとも呼ばれるミナミコメツキガニと見事に共生していた。さらに引き潮ではマングローブの森に落ちた葉っぱを海から来た巻貝が食料にする。逆に満ち潮では魚も葉っぱをえさにするという具合だ。

 この映像をみると、ある特定の種だけを保護するというのは大変に難しいことがわかる。やはり、その環境に生きる種全体を守る環境づくり、つまり、共生という考え方をそこに生きる動植物全体に拡張した

 生物多様性

の考え方が今後は重要であることを改めて気づかせてくれた。

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