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チリ、「奇跡の生還」の裏側で

(2011.10.12)  そうか、やっぱりというような忌まわしい囲み記事が、10月12日付静岡新聞夕刊に出ている。

 「仲間食べることを考えた」 地下作業員が告白

という共同通信チリ支局からのニュースである。

 33人救出から明日でちょうど1年。ほかの夕刊にはこのニュースは出ていないのは、おそらく、新聞社で「奇跡の生還」というせっかくの明るいニュースなので、あるいは証言があいまいなこともあり、デスクの判断で掲載を見送ったのかもしれない。が、地元メディア番組での告白であり、数人がかかわっているのだから、まんざら、話題づくりの冗談話ではないだろう。同番組によると、

 「空腹が極限に達した数人が、互いに最初に死亡した仲間を食べることを考えていた」

と告白したという。

 「誰が最初に死ぬかは運」

とも話していたらしい。

 餓死寸前となれば、止む終えないと思う。誰もこの話を道徳に反すると批判することはできないと思う。

 何しろ、備蓄食料は、ツナ缶詰少々では、これで33人の命が17日間もよくもったと思う。こんな人肉話が出てくるのも当然なのかもしれない。17日間とわかっていれば、それでもこんな話は冗談としても出なかっただろう。 しかも地下深く閉じ込められた絶望ともいえる暗闇の恐怖があれば、冗談なんか、言えない状況だったはずだ。そうおもうと、救出成功は、想像以上に幸運だったと今、感じる。

 このニュース、ブロック紙12日付「西日本」にも出ていた。ほかの各紙は、

 事故から1年として

 10月5日付北海道新聞 鉱山に戻れず 精神的ストレスで復帰ためらう作業員

                通院も

 10月5日付沖縄タイムス 「地下に戻る勇気でない」

 もっとも、当の10月12日付静岡新聞朝刊にも

  消えぬ暗闇の恐怖 支え受け「普通の生活」

という他紙と似たような記事を共同通信社から配信として流している。

 いつもこうした人肉事件がおきると思うのだが、宗教家の意見を聞きたいと思うのだが、空腹が極限状態に達したとき、そこにある人肉を食べることは、許されるかどうか、明解な答えで納得したことが一度もないのは残念だ。 

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