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老兵の意気軒昂、いまだ衰えず

 (2011.09.22)  ブログ子も「敬老の日」の対象者の仲間入りをしたというのに、先日の9月19日(月)がその日だったことをすっかり忘れていた。毎年、記念日が変わるのもどうか、と思うようになった。

 ところで、最近の週刊誌を読んでいて、びっくりするような高齢者を紹介するのがいくつか目に付いた。ブログ子もそんな中から、「下山の時代」に生かしたいと心に誓った記事を紹介する。

 一つは、

 ある老科学者からの伝言 岡野眞治博士84歳

という「週刊現代」6月4日号の記事。記事によると、岡野氏は「独自に開発した計器を引っさげて身体を張って汚染地域を調べる第一人者」で、これまでビキニ、チェルノブイリ、福島第一原発事故の放射能汚染の現場を調査してきたという。

 まずもって、その精力的な行動力に驚くが、今も開発した計器を車に積んで自ら汚染地帯を運転するなど、現役で活動しているというから、驚くばかりだ。NHK教育「ETV特集で大きな反響があったらしい。

 そこからわかったことは、福島第一原発の汚染調査では

 公式発表とはかけ離れた放射線量が検出された

ということだ。このことから「安心」「推進」と言いすぎて、原子力の危険性の勉強(放射線量の正しい測定法など)をみんな忘れていたと批判しているのは的を射た指摘であると思う。

 84歳にして、博士は「日本の放射線測定の面倒を見なきゃいけないなという気持ちがあります」と意気軒昂に笑っている。

 終戦の年、電波科学専門学校(現・東海大学)に入学、1948年卒。その後もエリートコースを歩んでこなかったことが、気骨の科学者になった原因だろう。老兵いまだ日暮るるに遠し。

 もう一人は、

 98歳伝説の灘校教師、橋本武 奇跡の授業

という記事だ(「週刊ポスト」6月24日号)。記事によると、文庫本『銀の匙』(岩波文庫)を3年かけて読み込む-ただ、それだけで公立のすべり止め校を「東大合格日本一」にした。教科書は一切使わない。同校の方針、中高一貫の6年間持ち上がりだからこそできる教育なのだろう。

 同氏が『銀の匙』を選んだ理由として「国語力は生きる力、子どもたちに学ぶ力の背骨を身につけてほしかった」

 同氏には、すべての学力の土台は国語力であるという信念があるのだろう。同感だ。

 国語教師として50年間立ち続け、27年前に教壇を降りた。しかし今でも、毎朝7時に起きて、午後は文化教室の教壇に立つ。午後7時に夕食。それから深夜一時まで『銀の匙」研究の〝勉学〟に励む。妻を亡くし、一人暮らし。

 たくましく生きるとはどういうことか。そんなことをこの本で教えてきた橋本氏だが、しかし、同氏の生き方自体がその生きた見本のような気がした。日暮れてますます意気軒昂とはこのことだろう。(2011.09.22)

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