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新しい作風の映画に挑戦し続ける周防監督 「ダンシング・チャプリン」

 ちょっと暇なのにかこつけて、浜松市民映画館「イーラ」に出かけて、

 「ダンスイング・チャプリン」(周防正行監督・構成)

を観た。「街の灯」などチャプリン映画をダンスで表現し続けているフランスバレー団の出し物を、映画として永遠に残したいという監督の願いを実現したもの。

 今風のいやな言葉で言えば、

 ダンスと映画の〝コラボレーション〟

といえば、一般にはわかりやすいかもしれない。もともとチャプリンの映画だったものをバレーにして20年近くフランスを中心に公演していたものを、そのバレーを周防風に映画化しようというややこしい発想だ。せっかくのフランスでの「チャップリンを踊ろう」というのが団員の高齢化で廃れていくのを防ぎたいという事情もあったらしい。

 撮影場は真っ黒な舞台。

 これは観客をダンスにひきつけるのに効果的であった。しかし、途中に警官のバレーの野外での撮影が挟まったのは残念だった。失敗とまではいわないが、興ざめである。これはないほうがいい。

 パート1は、チャップリンと踊ろうという映画+ダンスができるまでの苦労話、楽屋話である。これもないほうが、良かった。ごたくを並べた分、作品の切れが悪くなった。パート1の言い訳が観客に緊張感を失わせてしまったのだろう。

 車内での痴漢をテーマにした「それでもボクはやっていない」ほどの社会性はないが、さりとて「Shall we-」のような娯楽映画というのでもない。観客に何を訴えたいのか、よくわからない映画だった。

 まあ、こんな映画もあっていいか

という程度のもので、たまにはこんな映画も肩がこらなくていいかもしれない。

 ただ、周防映画ではこんな新しい試みもしています、という意気込みは感じられた。やはり、監督の妻でバレリーナの草刈民代の魅力で観客を集めようとした作品だったように思う。2011.06.13

  追伸

 収穫は、今話題の

 ポーランド映画「木洩れ日の家で」が同館で10月に上映されることを知ってうれしかったことだ。そして、訪れる人生最後の時。孤独の中でいかに決断し、生きるか。満足のいく、あるいは納得のいく死とは何か、この映画を通じて考えてみたい。いかにもポーランド映画らしい作品であり、ぜひ見てみたい。

 それと、もうひとつ、こんな映画があるとはまったく知らなかったが、原発から生まれる放射性廃棄物の地下埋設施設の危険についての告発映画、

 「100000万年後の安全 フィンランドの場合」

 八月中旬に同館で上映するという。日本でも、ブログ子もかつて訪れたことのある青森県の六ヶ所村に建設中の中間処理施設が稼動直前になった今、トラブル続きでにっちもさっちもいかなくなっている。告発映画で六ヶ所村の施設も大きな話題になることだろう。見逃せない映画だと思う。2011.06.13

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