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老フォトジャーナリストの執念 原発下請け労働者の取材40年

 なにげなく、毎日新聞夕刊6月14日付

 特集ワイド

を読んでいたら、フォトジャーナリストの樋口健二さん(74歳)が大きく紹介されていた。ブログ子も、もんじゅのナトリウム漏れ事故を事故直後しばらくたって現地を訪れた際、樋口さんに会ったことを思い出した。もう、16年も前の話だが、新聞の写真を見る限り、当時とあまりかわらない精悍さが印象的だ。当時、すでに原発労働者の下請けでは一年間の被爆線量が国の基準を超えていたことは広く知られていたが、樋口さんは、40年間にわたり下請け労働者の被爆の実態調査をレンズを通して取材していたらしい。肩書きは、当時、フリーのフォトジャーナリストだったが、現在は

 日本写真芸術専門学校副校長

とあった。肩書きと、原発との関係がうまくかみ合わないが、そこが、

 老ジャーナリストの執念

を感じさせる。記事によると、これまでに、百五十人もの労働者に取材したそうだ。

 樋口さんの執念を一口で言えば、

 起きる前に警告し、告発するジャーナリズム

を目指しているといえるだろう。現在のジャーナリズム、とくに科学ジャーナリズムが

 起きてから騒ぐジャーナリズム

 に堕している、あるいはいつの間にか話題にしなくなる

 尻切れトンボのジャーナリズム

であることを鋭く、そして静かに批判しているように感じた。これではいくら問題点を発掘しても、解決にまでは結びつかない。

 ブログ子は、そんな科学ジャーナリズムをなんとか変えたいとこれまでさまざまな著作やメディアを使って訴えて来たし、わずかな分野ではあるが、実行もしてきた。

 樋口さんは、今回の原発津波震災も含めた原発取材の集大成写真集

 『原発崩壊』(合同出版)

を来月、7月に世に出すという。大新聞、地域と結びついた県紙、大マスメディアにはこれまでできなかった優れた出版にしてほしい。

 この一冊が今年の意義ある一冊となることを期待したい。2011.06.15

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