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人はなぜ塔をつくるのか? 今年完成の東京スカイツリー 塔の思想とは

お正月ということもあるのだろうが、建設が急ピッチで進む東京スカイツリーの話題が、テレビなどでちょくちょく話題になっている。そのたびに、

 どの文明でも、人はなぜ塔をつくるのだろうか?

という疑問が起きる。スカイツリーの場合は、首都圏中心の超高層ビルによる電波障害を解消する、今の東京タワーに代わる新しい電波送信所をつくるためである。だから、東京タワーよりは高いところから電波が発射できなければ建設の意味がないのだ。ツリーは東京タワーの倍近くあり、600メートルをこえるという。先日その600メートルをこえて、いよいよ送信所の設備の構築を始めた。ちょっと勘違いしそうだが、地上波のデジタル化対応ではない。第一義的には障害対策なのだ。

 国内には、横浜ランドマークタワーなど、主なものだけで、200メートルをこえる浜松アクトタワーなど60以上もタワーがあるという。近代的なものだけでなく、歴史的なものとしても東寺五重塔も有名だ。

 塔といえば、ヨーロッパのキリスト教尖塔寺院がよく知られている(たとえば、巨大ならせん状のバベルの塔(ブリューゲル画)、追記参照)。エジプトのピラミッドだって塔といえなくもない。中国にも歴史的な塔はたくさんある。現代の上海中心部はさまざまな形をした塔が威容を誇っている。ドバイの海岸も超高層ビルだらけである。

 塔をつくるわけは、ひとつは地域の象徴性、シンボルであろう。また、地域の自己確認性、つまりアイデンティティでもあろう。そして、やや実用的なわけとしては、塔に登ると、自分たちが暮らしている地域が一望できるという鳥瞰性もあろう。

 しかし、それだけであろうか。もっと何か、人間の根源にふれるようなわけがありそうだ。それは、人間の来し方、つまり地球上での進化の場所の移動、変化にあるような気がする。

 つまり、地球上では、生命はまず海の底からスタート。やがて海岸にたどり着き、地上に上がる。そして少しずつ、生物は陸上を支配し、ついには大空にまで進出した。

 この伝でいえば、人間が宇宙に飛び出すのも、その進化のなせるわざということになろう。

 とすれば、やがて、人類は大空のかなた、太陽系全体にその生息域を広げていくであろう。

 そう考えると、ふと、地球上の最初の生き物、多分、単細胞微生物は、地球上でうまれたのではなく、もしかすると、地球外、いや、太陽系外からやってきたのかもしれないと考えたくなる。その生き物は、地球や太陽系ができる前から大宇宙を漂っていたのだろう。

 人が塔をつくるのは、ひょっとすると、自分たちのふるさとが地上はるかかなたにあることをそのDNAが知っているからかもしれない。生命は、この大宇宙をぐるぐる巡っているのかもしれない。それが、文明を問わない「塔の思想」ではないか。2011.01.18

 追記

 その代表は、

 アントニ・ガウディの未完の聖堂、サグラダ・ファミリア(スペイン・バルセロナ)だろう。2011年1月号の『ナショナル・ジオグラフィック』にその細密画が特別付録として描かれている。約140メートルになる予定の「イエスの家」をはじめ100メートルをこえるだけでも十数の塔からなる大伽藍である。着工から140年以上、2020年代に完成予定だという。自然界にある幾何学模様を塔建築に巧みに取り入れられているという。 

 機能的なスカイツリー、宗教的でおよそ機能的とはいえないようなファミリア。そこに共通するものは何なのだろう。人間とは何か、ということを語りかけているようにも思える。塔は人間の本源的なものとつながっているような気がする。

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