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映画「春との旅」 寄り添っていきる、寄りかかって生きる

 このブログは、科学と社会のかかわりを書いているのだけれども、こんな映画も老い支度の人生が始まろうとしている人には面白い。仲代達矢さん主演の映画「春との旅」を浜松市民映画館「イーラ」に見に行った。

 こういう一見、お涙頂戴風の映画って、最後のエンディングが問題で、全体の出来、不出来が決まると思っていた。なにしろ、厚生労働省の社会保障審議会推薦であり、文部科学省選定であり、その上政府から補助金まで出ているのだから。ましてや、仲代さん、大滝秀治、田中裕子、淡島千景、柄本明、香川照之さんという豪華メンバーなのだから、ハッピーエンドでは話にならない。すべてが「パアー」だ。

 原作・シナリオの小林政広監督の腕の見せ所である。

 結果は、「老いても、貧しくても、生きる道、きっとある」と信じて、祖父が孫娘と旅に出たものの、結局、兄弟姉妹の誰にも助けてもらえず、もとの郷里に帰る羽目に。そして、家路にたどり着く直前、意外な結末で、映画はブツンと切れて、終わりに。

 このエンディングを見て、監督にやられたと思った。あとは、観客のみなさん、自分の身に引き当てて、考えてくださいというわけだ。私の言いたいことは、もうお分かりでしょ、とでも言いたいような見事さだった。

  映画では、足の悪い主人公、忠男がわが身を引き取ってほしいと兄弟の家を訪ね歩く。兄弟のいずれも、深刻な問題を抱えてはいたものの、寄りかかって生活していた横着者はいなかった。人は人に寄り添って悩みを乗り越え、生きていく。しかし、寄りかかって生きていては人生ではない。そのことに気づく忠男と孫娘との旅だった。元気の出る映画に仕上がっていると感じた。

 エンディングがハッピーエンドではなかったはよかったが、それにしても、意外な終わり方だった。

  科学と社会の関係だけを考えていては、こういうエンディングは思いつかない。2010.11.27 

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コメント


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投稿: オレも運動会してきたぜ!! | 2010年11月28日 (日) 06時42分

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