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NHK「竜馬伝」 残念だが、最終回は失敗だったと思う

 NHK大河ドラマ「竜馬伝」、期待して最終回を見た。この1カ月、最終回に向けて、刻々と行き詰るようなストーリーのみごとな展開、そしてラスト。しかし、ながながしい饒舌には拍子抜けした。最終回は失敗だったと思う。通常よりも30分も引き伸ばしたのもまずかった。最終回では、この大河ドラマは

 「弥太郎伝」

だったのか、と錯覚してしまうだろう。

 では、どうすればよかったのか。

 はっきり言おう。暗殺者たちが切り込んできた白刃きらめく、その瞬間をストップモーションにして、突然終わるようにすべきであった。あとは、テーマソングだけを流してほしかった。

 それは、たとえて言えば、

 あの映画「明日に向かって撃て !」のラストシーン

のようにすれば、よい。そうすれば、

  永遠の竜馬

を描き出すことが出来たであろう。すべてを言い尽くすのではなく、あとは、視聴者の想像に任すことで、演出家の言いたいことを言い切る手法がほしかった。この我慢、抑制が演出家にできなかったのはとても残念だ。さいごの最後に大きな不満が残った。

 このことは、40年近くも前の、それも強盗団の最後を描いた「明日に向かって撃て !」がなぜ今なお、団塊世代が青春時代に見た映画として記憶に残っているのか、ということにも関係がある。滅びゆくものに対する愛惜について、見るものに考えさせるラストシーンがあったからだ。そこに流れるテーマソングが今も耳によみがえってくるからだ。そこに言葉は要らない。演技は要らない。

 竜馬伝の最終回には、鮮烈なストップモーション

がほしかった。

 最後に、これは、NHKに対する注文だが、

 ラストシーンを生かすには、

 それからの「おりょう」

をドラマ化してほしい。竜馬亡きあとの30年を貧困と悔恨の中で生きた女の一生を描いてほしい。愛に生きる女とはかくも強いものであることがわかるだろう。竜馬は、そんな女性の登場を夢見ていたのだと思う。

  こうしたことを除けば、今回の竜馬伝は、大河ドラマとしては成功だろう。国民に生きる勇気を与えた。2010.11.28

 追記 2010.12.05

  12月9日号の「週刊新潮」のTEMPO欄によると、

 暗殺のラストシーンは、いかにも「解説」風で軽い

との批評が出ていた。小生と同意見だったが、さもありなんだ。

 ただ、この欄によると、竜馬伝の年間平均視聴率は19%とわずかに20%の大台には乗らなかったものの、最終回は21%。これは、多メディア化が進んだ最近では、大河ドラマとしては、健闘したと言っていいのではないか。

 もうひとつ、苦言になるが、最終回のひとつ前の放送でも、

 竜馬は、新しい時代の夜明けだ、と大手を広げて叫んでいたが、それを本人が言ってはしらける。言わないで、視聴者の心にそのことをしみこませることで、

 永遠の竜馬

になるのではないか。ともかく、調子に乗りすぎて、あるいは気負いが高じて、かえって最後の2回分はおかしくなったような印象だ。

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