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もう一つのチリ鉱山救出劇 ころんでもタダでは起きないたくましさ

 チリ鉱山事故を取り上げたNHK番組(10月24日放送)、

 スクープ映像 70日間、「奇跡の生還」の真実

を見た。生存が確認かされた事故から17日以後の地下700メートルでの生活の様子を地上から、あたかも胃カメラで体内をのぞくようにとらえた映像が紹介されていた。ハイテク技術の勝利とも言える映像だ。この映像には、地下700メートルでは、地下に送り届けたスクリーンで、地下の救出を待つ作業員が世界の様子を眺めて、互いに励ましあっている様子も映っている。地下ではテレビ電話も設置されていたのだ。これで地上の家族と話もできたようだが、小生、いまだテレビ電話など使ったことがないのに、驚いたのなんの。

 「チチチ レレレ」の奇跡の救出劇ではこうしたハイテク技術が作業員を励まし続けるのに大いに役立ったのだ。科学に興味のある小生は、この一連の映像を見て、うれしくなった。

 すばらしい。快挙だ。ハイテク技術の勝利だ。

と涙ぐんだりもした。

 NHKの現地女性取材記者が言うように、今度の奇跡の生還は

 生きて地上に帰るのだという救出を待つ作業員の強い意志と

 家族の励ましという支え

から成し遂げられたと解説していた。その通り、と、つい信じた。

 加えて、さらに、ただ、救出を待つだけでなく、地下の作業員自身にも、土砂の除去、崩落防止など救出作業を手伝わせたことも生還を成し遂げる大きな精神力になったという。その通りだろう。そして、結束力を維持した信頼できるリーダーがいたことも幸運だった。その通りだろう。

 ところが、「週刊文春」10月28日号の特集によると、

 もう一つの、チリ人のしたたかな計算

も、生還の大きな力になったのだ。

 作業員は、世界が自分たちの事故に大きな関心を寄せていることを、ハイテク技術のお陰で知り、ある作業員は、地下の生活を克明に日記に記し始めた。生還した暁には、欧米の出版社に

 私はこうした生還した

という体験記で高額の契約料をせしめるためだ。はや、数十万ドルの契約で欧米メディアが獲得に動き始めているという。賢い。ころんでもタダでき起きないチリ人だ。

 また、救出劇中のインタビューでは、事故にあった作業員本人は、日本円にして数十万円、リーダー格となると、数百万円を要求したという。家族のインタビューですら、数十万円も要求されたそうだ(作業員の平均月収は多くて10万円くらいという)。

  事故(8月5日)から17日たって、生存が確認された8月22日ころから、

 救出劇は悲劇というよりも、ビジネス

の様相になってきたらしい。

 ハイテク映像で、地下には生活があったことが分かったが、そのときから

 地下でも、地上でも、千載一遇のビジネスチャンスがあったのだ

 このことにいち早く気づいたものが、生還の〝勝利者〟のだ。このことを忘れてはなるまい。

 これを〝強欲〟と呼ぶのは当たらない。むしろ誇るべきチリ人のしたたかさだろう。そんなことを教えてくれた救出劇であった。お人よしの小生などはみならいたいと反省した。

  つまりは、これこそ、ピンチはチャンスなのだ-。

 そう思うと、NHKだけを見ていては、世の中の「真実」は分からない。そんなことを教えてくれたNHKの「生還の真実」であった。ありがとう。2010.10.27

 追記 2011.10.09

   この番組は、2011年9月、アメリカ以外で放送された優れたテレビ番組に贈られる

 国際エミー賞

を受賞した。

 あらためて、番組を見たが、地下から「私たちは元気だ」という連絡メモを地上が受け取ったとき、NHKはすぐに、その細いパイプに入る

ビデオカメラ

を地下700メートルまで届けて、地下の様子を作業員に撮影させた。これが今回の

 スクープ映像

となった。NHKもなかなか、すばしこいと感心した。

 もうひとつ、閉じ込められたのが33人ではなく、

 たった一人

だったら、到底、その孤独と絶望を乗り越えて地上への生還は期しがたかったろうということだった。仲間がいて、励ましあい、いがみ合い、けんかをしていたからこそ、死の恐怖を乗り越えて奇跡が起こったのだと思う。

 最後に、それでも、孤独と絶望をなんとか忘れさせるには、じっと考え込むのではなく、体を動かすこと

 動け、動け

これが生還を可能にしたようにも感じた。

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