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ネバー・ギブアップの勝利 川口淳一郎氏、「はやぶさ」帰還を語る 

「文化の日」、浜松でJAXAの川口淳一郎氏の講演、

 「はやぶさ」帰還へ、7年間の運用と今後の展望

を聞いた。第27回浜松コンファレンス(財団法人光科学技術研究振興財団、浜松ホトニクス)の「新しい文化論」として語ったのだが、何回も講演しているらしく、ユーモアたっぷりのさわやかさが印象的であった。聞いた感想を一言で言えば、

 さまざまなトラブルを克服して、通信途絶、イオンエンジン停止など、どん底から、3億キロメートルの彼方から奇跡の地球帰還を果たすことができたのは計算されたネバー・ギブアップ精神が同氏をはじめ運用にたずさわった研究者にあったからだ

ということだろう。

 イオンエンジンの「中和器」にかかわるトラブルでは、わらをもつかむ思いで中和神社に生還の祈願をするなど、神頼みもあった。まさか、まさかの幸運もあった。しかし、同氏の「高いところに登らなければ、(世界一の技術という)地平線は見えてこない」という科学者としての執念と言ってもいい信念があったからだろうと感じた。天は自ら助くる者を助く、ということわざを思い出したくらいだ。

 「はやぶさ」は、小惑星の試料(サンプル)を持ち帰える小惑星往復探査機(遠隔操作で動き、しかも自らも判断し、それに基づいて活動できる自立型ロボット)であり、その目的はイオンエンジン、小惑星ランデブー、小惑星表面の試料収集、光学航法など5つの技術の開発とその実証だ。サンプルを地球に持ち帰ることができれば、分析機械を積んで小惑星に向う場合に比べて、帰還時点で最新の情報が得られるという利点がある。

 何が世界一かというと、

 2003年に打ち上げられた「はやぶさ」は、月を含む地球圏以外の天体の表面に降り立ち(2005年11月)、表面の岩石などの試料を地球に持ち帰った世界最初の成功ミッション

だったということらしい。地球圏では、アメリカが「月の石」を大量に持ち帰っている。また、地球圏外の火星では、これまたアメリカが表面に降り立ち、表面の地形や岩石を、積んで行った分析機械で現地で分析し、その情報を地球に届けた。しかし、サンプルは持ち帰っていない。

 はやぶさの場合、本体は大気中で燃え尽きたが、試料の入っている可能性の高いカプセルは本体から切り離され、無事地球に帰還した(2010年6月)。しかも、ごく少量だが、カプセルには着地した小惑星イトカワの表面の試料が入っている可能性が高い(現在、分析中で、今年中にも結果が分かるらしい)。地球圏外から無事帰還したのも「世界初」だが、もし、カプセルに小惑星の試料が入っていれば、これは米NASAも文句のつけようがないほど「世界一」なのだ。

  持ち帰った試料の分析からは、太陽系や地球の起源と進化の様子がわかるらしい。さらにそこから、生命の進化の様子もある程度浮かび上がってくるという。

  もうひとつ、感心したのは、このミッションが、25年も前に計画されたことだ。小惑星のサンプルリターン(試料持ち帰り)のアイデアは、

 小惑星サンプルリターン報告書(1985年6月、宇宙科学研究所小研究会)

にまとめられている。それが、具体的なプロジェクトとして動き出したのは1996年。それから15年で奇跡の帰還を果たしたという息の長いミッションだった。

 やはり、「世界一の快挙」は息の長い、そして執念の研究から生まれる

ということがわかる。川口さんも、講演会でこのことを強調したかったのだろう。目先のことだけに囚われていては「世界一」はむずかしい。2010.11.04 

  追記 2010.11.08

  2010年11月06日付毎日新聞夕刊によると、

 6年をかけて太陽の周りを回り、地球に現在接近中のハートレー彗星に、NASAの探査機、エポキシが約700キロまで近付き、でこぼこした姿を撮影し、彗星から噴出しているガス状物質に関する情報を搭載分析器で取得したという。NASA研究者たちは、興奮気味でその快挙を誇らしげにアピールしているらしい。

 だが、しかし、快挙と言っても、彗星に着陸したわけでも、ましてや、ガス状物質を探査機が取り込んだわけでも、さらに、それを地球に持ち帰ったわけでもない。天体の形は、小惑星、イトカワもハートレー彗星も、中ほどがくぼんだピーナッツ型で同じだが、日本の「はやぶさ」がいかに優れた成果であるかが、わかろうというものだ。

 おそらく、似たような時期に、似たような探査機を飛ばしたNASAは、はやぶさの成果を地団太を踏んで悔しがったであろうと想像される。技術レベルは、日本の「はやぶさ」のほうが、格段に高度であることは間違いないからだ。

 航法でも、「はやぶさ」は、一瞬ではあるが、ランデブーしながら小惑星に着陸した。しかも、着陸地点も指定したとおりのところにきちんととうちゃくしたというから、すごい。これに対し、「エキシボ」は700キロも離れた宇宙空間からの活動であり、比較にはならない。

 ようやく日本のJAXAも、NASAに一矢を報いたといえよう。

 あえて、こう言おう。

 NASAkエキシポは、「はやぶさ」の技術と成果がいかにすごいかを日本人に示すために、飛行した。

 こう言えば、言いすぎであろうか。2010.11.08

  追記 2010.11.17

  昨日、持ち帰った試料(微粒子約1500個)が

 地球圏外の物質であることが確かめられた。地球外から降ってきた南極の隕石(いん鉄)と鉄含有量が一致し、しかも、それは地球上のものとはかなり異なっていた。つまり、試料はイトカワのものであることが証明されたらしい。

 川口氏「これは、私が望んだ理想以上の成果で、感極まっている」とそのうれしさを表現していた。そうだろう。

 

 

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コメント


う"お"お"お"お"お"お"お"!!!!
ホ テ ル入ったら即行でぬがされて、ち○ぽイかされまくり!!
しかもザ一メソ全部ゴックン!マジすげぇ女だったぞぉぉぉ!!(苦笑)
http://welps.net/dew/gqtddw2/

投稿: ちゃべぇぇぇぇ!! | 2010年10月30日 (土) 21時42分

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