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あらためて糖尿病は怖い 外科手術もできないとは

 過日、飲み仲間のH氏を浜松市の遠州病院に見舞った。仕事中に屋根から落ちて、左足膝関節を折る複雑骨折。大怪我には違いないが、二か月以上も入院しているので、休日の午後出かけた。糖尿病を患っていることも気になった。

 見舞ってみると、ギブスはもう取れていた。驚いたのは、

 「糖尿病の治療中なので、外科手術ができず、骨折を整骨的な方法で自然治癒させている」

というH氏の話だった。麻酔をかけて外科手術をすると、糖尿病患者の場合、

 糖尿病性昏睡が起こりやすい

という。手術中に意識を失い、戻らず死亡例もあるなど危険だと言うのだ。

 すい臓からのインスリン(ホルモンの一種)の出が悪く血液中の血糖値が高い糖尿病。その症状はのどのかわき、夜中の頻尿、疲れやすく倦怠感、ひどくなると、激やせなどだ。さらには、糖尿病性の網膜症、たとえば失明なども起こる。血管障害で腎臓病を惹き起こすという。

 ある百科事典の解説によると

 糖尿病が重症になると、糖尿病性昏睡という状態となることがある。体内でインスリンが不足すると糖質の利用が阻害されて高血糖となり、また脂肪が分解されて生ずるケトン体が増え、血液が酸性となって意識が混濁し、昏睡に陥る。毎日インスリンの注射を必要とする人が注射をしなかったり、糖尿病であることを知らないで手術を受けたり、肺炎、腎炎、膀胱炎などの感染症にかかったりすると、糖尿病性昏睡が起こる。

 H氏はどうやら、こうした類の病状らしい。糖尿病患者はうっかりケガなどの外科手術もできない。これはこわい。

 日本には約600万人の糖尿病患者が医師の下で治療をしている。問題なのは、糖尿病なのに病院での健康診断、人間ドックを受けていないため、見逃されているケースだ。軽症者も含めてそうした予備軍が、患者と同程度、すなわち約600万人もいるという事実である。あわせて、1200万人、つまり、日本人の10人に1人は糖尿病患者ということになる。症状が顕著になる40歳以上だけで見ると、5人に1人は患者か、その予備軍と推定されている。そのほとんど9割が、遺伝によってインスリンの出が悪いのが原因(残りはウイルス感染による後天性のすい臓機能低下)。予備軍の発見と、治療対策が重要だ。

 治療には、インスリン投与のほか、糖質制限などの食事治療も大事だ。

 治療中のH氏は暑い夏を病院のベッドに横たわっていたせいか、さかんに冷たいビールを飲みたがった。そこで、気を利かして、入院中のアルコールはダメは常識だから、せめて

 ノンアルコール

ならいいだろうと、

 ノンアルコール「キリンフリー アルコール0.00%」「Asahi POINT-ZERO  0.00%」

を見舞い品として持ち込んだ。ところが、これもダメと、看護師からしかられた。

 「なんで ?」

と恐る恐る聞いたところ

「糖尿病患者は糖質など食事療法が基本。そんな差し入れをすると病院側で管理できなくなり、危険」

と諭された。

 キリンフリーには、350ミリリットル中に約10グラム

 アサヒポイントゼロには、約19グラム

も含まれている(アルコール缶と同程度)。つまり、

 ノンアルコールにはアルコールはほとんど含まれていないが、糖分が水に次いで多い

 だから、慎重に食事の管理をしている病院としては認められないのだ。栄養管理を怠ると、重症患者の場合、危険な昏睡を惹き起こしかねないのだ。

 もう少し、詳しく言うと、食事療法と薬物療法の併用患者の場合、合併症がなくても原則アルコールは禁止(禁酒)。

 ただし、禁酒に越したことはないが、どうしてもというならば、併用者ではない場合には、アルコールは一日2単位(160キロカロリー)、だいたい、日本酒なら1合、ビールなら中ビン1本程度なら、医師によっては認めるという。

 友人のH氏によると、朝の散歩など軽い全身運動を一定時間、定期的に行うことは、ブドウ糖の消費につながり、糖尿病の症状改善によいそうだ。これでは、思いっきり仕事をする定職につくのは、大変だ。生活保護を受けざるを得ない人も多いという。

 糖尿病は万病の元だが、貧乏神でもあるのだ

  このことをあらためて思い知らされた。ときどき病気療養中の友人を見舞うと、自分の健康を真剣に見直す好機になることを思い知った半日だった。2010.10.06 

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