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「21世紀のライト兄弟」スイスに誕生 太陽光発電のみで永久飛行

 9月17日夜の民放テレビ「報道ステーション」を見ていたら

 太陽光発電のみで昼夜24時間飛行に成功、スイスの技術者 寄付金118億円で開発 

 2013年には、世界一周飛行に挑戦 永久飛行に挑戦

というニュース映像を流していた。

 このニュースを見た感想を一言で言えば

 21世紀のライト兄弟の誕生

というものだった。それが、飛行機を発明したアメリカではなく、環境にやかましいヨーロッパの地であったことは意義が大きい。しかも、ヨーロッパの僻地(?)、小さなスイスだというのもうれしい。また大企業によるものではなく、環境に関心を持つ多くの人たちによる寄付金でこの10年間で開発したというのは偉業だろう。

 成功のポイントは、67メートルの巨大一枚翼に貼り付けたソーラーパネルの発電効率の向上と、機体の耐久性の技術革新だったという。太陽光は化石燃料に比べて、エネルギー密度がかなり小さいのがここでも壁になっているが、4枚プロペラの巨大グライダーは

 ソーラーインパルス

と名づけられていた。操縦者は1人。夜間飛行は、昼の飛行中の余剰太陽光エネルギーをバッテリーに溜め込み、これを動力として使う仕組み。

 この脱化石燃料飛行に挑むソーラーインパルスは、見事、ある晴れた日の日の出から翌日の日の出まで、雨風も少ない高度8500メートル(雨風のない安定した成層圏に近い対流圏。プロペラ機なので空気のない成層圏は飛べない)を、ほぼ予定通り飛行した。このときの映像は、感動的なものだった。

 ツァラストラはかく語りき

の音楽を流したいような衝動を覚えた。

 これで、機体の耐久性さえさらに向上すれば、燃料の心配もなく、燃料の補給のいらない永久飛行の道がぐんと近くなったと言えそうだ。

 問題は、ハイブリッドにしなくて、どの程度、実用化できるか、である。オーストラリアでは世界的な大陸横断ソーラーカーラリーが盛況だが、ガソリン車、ハイブリッド車と比べてそれほど遜色ないというほどまでの実用化にはまだ遠い。

 ところで、自転車製造業者のライト兄弟が人類最初の動力飛行(プロペラ発動機付き複葉機)に成功したのは、1903年。当時は、飛行機の可能性はそれほど認識されていなかった。

 こうしたことを考えると、ソーラー飛行機、ソーラーカーの実用化は、今はいろいろ問題があり、それを乗り越えるのが困難と考えられているが、やがて22世紀、いや今世紀半ばには、今の飛行機に代わる輸送手段となっているかもしれない。すくなくとも、ほかの燃料と組み合わせたハイブリッド飛行機はもう目の前であろう。

 まさか、とは思うが、完全な脱化石燃料の時代へ、期待を抱かせたニュースだった。2010.09.18

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