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スイス「氷河特急」は人為ミスですまされるか 

 7月31日付の静岡新聞を見ていたら、

 スイス脱線、原因は「速度超過」 当局が暫定調査結果

という記事が出ていた。世界一遅い特急ということで、原因はスピードが遅すぎて、脱線したのではないかとの推測が複数のメディアで専門家の意見として取り沙汰されていた。

 小生、

 「スピードを出さなかったので、脱線」

というのも奇妙だな、とは思っていた。低スピードだとカーブで遠心力がほとんど働かないために逆に脱線するというのだが、どうも納得しにくかった。

 ところが、記事では

「スピードを出しすぎて、脱線現場での制限速度をこえていた」

というのが調査結果であり、「人為ミスと断定した」という。

 制限速度が時速55㌔のところ、脱線した5両目の速度計では当時56㌔だったという。それで、引きずられて最後尾の6両目が脱線大破したという。わずかの超過で脱線というのも余裕のない点で問題だが、それよりも、

 そうしたスピードの出しすぎという結果を招いた「人為ミス」を招いた原因は何か

ということを究明するのが、事故再発防止には大事だろう。スピードを出しすぎても、警告を発する仕組みはどうだったのかなど、組織事故の可能性はなかったのか検証するべきではないか。そうしないで、個人の、つまり運転士の規則違反として刑事訴追ですますと、また、事故はおきるだろう。

 脱線時の特急は、予定よりも運行が遅れていたらしい。運転士を急がせた。それで、後部車両がまだ制限区域を抜け出る前に、早々とスピードを上げた結果、後部が脱線したということが原因らしいが、運転士氏が急ごうとしても、警告を出すなど一定の歯止めはどうなっていたか。慣れによる規則無視はなかったか。規則無視を戒める組織的な対策は日ごろとられていたかなど、いろいろ考えるべきことはある。つまり、

 人は、ミスをするものだという前提で、組織的に事故を防止する

これが基本であろう。運行が予定よりも遅れていても、安全に運行できる工夫がほしい。運行が予定より遅れることは、よくあることだ。そのたびに、乗客が危険にさらされるのでは、おちおちスイス特急には乗れないだろう。

 ちなみに、小生も、このスイス「氷河特急」、

 2大鉄道と4大名峰8日間

という今月下旬のある大手ツアーで出かける予定だったが、キャンセルした。

 このままでは、また、事故は起きるだろう。2010.08.02

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