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恋の悩みに返事の来る世界文化遺産、イタリア・ベローナ市街

 先日の土曜日午前、何気なくNHK番組「世界遺産への招待」を見ていたら、

 イタリアのベローナ市は「愛の街」

というのをやっていた。シェークスピアの「ロミオとジュリエット」の舞台になったところだからだろうとそれほど興味もなく、見ていた。

 ところが、途中で、なんと、今でも

 親愛なるジュリエット様

とした恋の悩みを打ち明け、ジュリエットに相談の手紙が、世界各国の若き女性から年間5000通も届くのだそうだ。そして、驚いたことに、その返事が差し出した女性に届くと言うのだから、びっくりした。ベローナ市の援助で、ボランティア女性が返事を書いている様子が放送されていた。人生相談であり、これはなかなか大変な仕事だ。だからだろうか、ボランティアも複数人で、相談して、その結果をまとめて、返事を出しているらしい。それにしても、

 世界各国の女性からの恋の悩みに返事を出す世界文化遺産

というのは、いかにも「アモーレ」の国らしい。

 と思ったが、単なる文化遺産ではなく、今に生きる人々に勇気を与える世界遺産にしているところが、気に入った。

 日本でも、金沢市街、富士山などを世界文化遺産に登録しようという運動があり、関係者は躍起になっている。登録されるには、文化庁によると、たとえば、

 ある期間を通じて、またはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、町並み計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの

といったような厳しい普遍的な価値を実証する必要がある。

 ベローナもそうした条件をクリアしたものだが、それにしても、そのあと、こうしたボランティア活動を支援して、文化遺産を人の心の悩みを受け止める活動につなげているのには感心した。単に観光資源として利用するだけでなく、

 悩める現代の「ロミオとジュリエット」

に少しでも勇気を与えようとしている行政の姿はすごい。東北の平泉にしろ、紀伊半島の熊野古道にしろ、古都京都の文化財にしろ、たんなる観光資源に堕していないか、と反省させられた。

 世界文化遺産を単に観光資源という金儲けの手段にしない工夫

を日本でももっとすべきであろう。これこそが基準に言う

「人類の価値の重要な交流」

といえるのではないか。

 もっと露骨に言えば

 世界文化遺産、世界自然遺産は単なる「美しい不動産」ではないのだ。2010.07.26

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