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南アフリカは虹の国 ? サッカーW杯の熱狂の中で

 今夜深夜というか、明け方、注目の

 日本 対 デンマーク

のサッカー試合がある。予選リーグを勝ち上がるかどうか、日本の最初の正念場だ。ところで、連日、

 南アフリカは、「虹の国」

と放送されている。ワインのうまい国でもあるらしい。初代大統領の黒人、マンデラ大統領の就任演説に、将来、虹のようなそういうすばらしい国になるだろうという希望的観測の文脈の中で、出てくるらしい。

 しかし、現実は、とてもそんなものではない。暴力と犯罪にあえぐ泥沼の国だろう。

 そんな南アフリカの実態を伝えているのが、

 「ルポ 資源大国アフリカ 暴力が結ぶ貧困と反映」

というジャーナリストの白戸圭一氏の近著だ。確かに、金やダイヤモンドの世界的な生産国ではあるが、少女を美人コンテスト出場のうたい文句で集めて、南アフリカの都会で売買する男たち、成田に麻薬を運び込む女、出稼ぎに越境してくる若者を誘拐し身代金を要求する犯罪集団、石油資源に群がる企業幹部など、無法地帯のような紛れもない現実を描いていて衝撃的だ。この国を含めてアフリカで真っ当に生きるのは容易ではないことを痛感する。

 最近では、NHK特集番組でも資源大国に絞って

「アフリカン・ドリーム」

を声高に叫ぶような紹介の仕方をしている。果たして正鵠を射ているかどうか、とても判断できない。犯罪すれすれの離れ業で築く、ごく一部の人々のドリームではないか。

 この本で語られているのは、南アフリカばかりではない。繁栄し始めた南アフリカでのW杯の熱狂が過ぎ去れば、こうした現実も忘れ去られていくのが心配だ。2010.06.24

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