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サスペンス倫理学? 映画「運命のボタン」

 ヒマだったので、近くの映画館に出掛けた。上映中の映画から、その場で面白そうな、というよりは、タイトルだけでは少し意味不明なも

 「運命のボタン」

を見た。設定は、

 届けられた箱の中のボタンを押せば1億円。ただし、押すと同時に、あなたの知らない誰かが死ぬ。押すかどうか、夫婦で相談するのはいいが、ほかの人に相談するのはダメ。制限時間はボタンを入れた「The Box」が届いてから24時間。押さなかった場合は、そのまま箱は返還。押したら、その場で現金1億円が届けられる。

 映画では、自分たちが幸せになるが、それと引き換えに誰かが死ぬという良心の呵責など、悩んだ末、結局、押す。1億円をすぐにもらうのだが、ことは大事になる。

 私は、良心の呵責には苦しまないが、自分の身が危ないので、押さないが、大抵の人は、押すだろう。その結果、どういうことが起きたか、それは映画を見てほしい。

 この映画を見た感想は、ひと言で言えば、とても知的な

 サスペンス倫理学

だということだった。面白い。いろいろ考えさせられる。単純な利己主義でも、単純な利他主義でもない陰影のある作品に仕上がっていた。

 この映画を見て、もし、逆の設定をしたらどうなるか、と考えた。つまり、

 ボタンを押せば、その瞬間、あなたは死ぬ。ただ、押すと、あなたの知らない誰かに現金1億円が届けられる。

そんな設定だ。究極の利他主義、自己犠牲と言ってもいいだろう。1億円が届けられたことをあなた自身が確かめることができない。それでも、自分の知らない誰かを経済的に援助したい、と思うかどうかである。

 届けられる相手が虐げられた人と分かっていれば、イエス・キリストなら、ボタンを押すだろう。しかし、そのほかはどうだろう。いずれにしても、宝くじに当たったようなものだろう。

 この場合も、小生には身の危険はないけれども、ボタンは押さない。1億円が届けられた相手の身が危険だからだ。

 この二つのケースをいろいろ考えたが、結局、映画の設定でも、その逆の設定でも、つまり、

 自ら選択して1億円を得る場合でも、降って湧いたように突然1億円が手に入った場合でも、勤労以外で得た悪銭は身につかない、いや、身を滅ぼす

ということに落ち着いた。

 この映画には、もう一つ、体に障害を持った人の心の痛みも織りこまれていて、ストーリーに多面性を持たせているのに、感心した。監督や脚本の出来がいい。2010.05.10

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