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「展職」のすすめ 転職改め

 たまには、日ごろ読まないような硬い研究誌を読んでみたい、と年2回発行の

 「コミュニティ」(2010年145号、財団法人地域社会研究所、5月発行)

をぱらぱらと拾い読みしてみた。巻頭エッセーは、植物から見たコミュニティ。冒頭、いきなり、

 植物の社会にもコミュニティがある

となっており、びっくりした。東大名誉教授でこの地域社会研究所評議員の井手久登氏が書いているのだが、うまい入り方だ。人を引き付ける書きだしにまず驚いた。だから、

 植物社会学

という学問分野があるそうだ。19世紀末から使われているとあるから、おそらく、ダーウインの進化論が社会に浸透していったことと関連して、生まれた用語ではないかと想像したりする。

 そんな硬い話のほか、「教育じろん」で、キャリアカウンセラーの松尾一廣さんが

 展職のすすめ

という話を展開している。転職は元の職とは切り離された、どちらかというとマイナスイメージに対して、展職は、キャリアを切り開く発展型のイメージであり、「輝く未来の自分を築く力になる」と主張している。なるほどと、感心した。

 「新漢和辞典」(諸橋轍次著)で少し調べてみたら、

 「転」には、ころぶ。ころがる。次次に他へ移ってゆく。という意味がある。転向。転出、転入。転勤。転身。転居。転機。転移。いずれもこの意味である。

 これに対し、

 「展」には、ころがる。のびる。ひろがる。進むという意味がある。このほか、憂えが消える、という意味がある。展開。展望。展眉。などが、これに当てはまる。

 横にシフトする「転」に対して、「展」は、横にころがるだけでなく、上下にものびる、ひろがるという意味合いがありそうで、また、憂いが消えるというのだから、職を変えることを「展職」とすれば、明るく、プラス思考のイメージにつながる。

  たまたま読んだ難しい本にも、結構、愉快な話があるものだ。2010.05.24

 

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