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もんじゅと熱核融合炉と 14年ぶりに動き出したけれど

 ナトリウム漏れ事故から14年、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」が再点火されて、臨界に向けて動き出した。放射性物質の漏れだしを検知する機器が誤作動するなど、起動から一週間、トラブル続きだ。結論的に言えば、

 もんじゅが臨界に達することはあっても、定常運転を続けることはできないだろう

という予感が当たりそうだ。今は、臨界前の段階のトラブルだが、核分裂が連続して起こる定常運転中に事故が起こらないか、不安だらけである。かつての動燃の日本原子力研究開発機構も、本音では、運転再開はしたくないだろう。危険だからだ。もう一度、ナトリウム漏れ、核燃料漏れを起こせば、計画は中止となるだろう。

 検出器が誤作動しているのだから、まだ安心、大丈夫

というのはとても怖い。異常な臨界にたっているのが、もし、検知できないということになれば、制御できなくなる恐れもあるからだ。初期トラブルと簡単に片づけられない深刻な事態と受け止めるべきだろう。

 それと、もんじゅは何を目指して再開するのか、ということが明確ではない。究極的には、国の原子力政策の根本である核燃料サイクルの確立を目指す。その中で、原型炉としてのもんじゅは、本当に、実証炉建設が可能かどうか、技術的な問題点を洗い出すのが使命だろう。「夢の原発」プルトニウム発電の実用化を目指すのは実証炉である。

 おそらく、日本の大型技術開発のこれまでの失敗事例と同様、

 実用化の要、実証炉建設の直前で、撤退するだろう。つまり、廃炉ではないか。

 めざすべき目標の不明確さ、14年前のもんじゅ事故時の教訓を生かせる人材の散逸、旧動燃から二度も機構改革していることによる士気の低下-というソフトの欠陥が、〝やっかいもの〟もんじゅの大きな不安だ。

 ところで、このもんじゅ、2050年ごろに実用化させるとしているが、もんじゅ運転再開のニュースの横に、こんなニュースが5月7日付静岡新聞朝刊「GLOBAL FLASH」に出ている。

 国際熱核融合炉(ITER)、フランスで本格着工へ

未来のエネルギーとして核融合が有効かどうか検証する施設で、中核のトカマク装置などの主要施設がフランス南部のカダラッシュで今夏本格的に始まるというニュースだ。プラズマ点火は2019年。こちらの実用化時期は記事には出てこないが、もんじゅ同様、2050年前後を目指しているらしい。核分裂と違って核融合なので、運転中に放射能を基本的に出さないのが特徴。

 もんじゅを経て、核分裂の高速増殖炉が実用化するか、それとも未来のエネルギーは熱核融合炉となるか。2010年は、その見極めの出発年となりそうだ。2010.05.10

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