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世界初、ウナギの完全養殖に成功

 ついに、ウナギの完全養殖に成功したというニュースが静岡新聞など各紙に出ている。独立行政法人水産総合センターの養殖研究所(三重県南伊勢町)での快挙だという。ここまでくるのに40年かかったというから、執念の成果と言っていいだろう。

 各紙、大きく扱っているが、

 静岡新聞 2世代目ウナギ 完全養殖に成功 水産総合研、世界初

 中日新聞 世界初 ウナギ完全養殖 

となっており、いずれも1面(中日はトップで、完全養殖の解説図付きで分かりやすい)。

  要するに、

 受精卵 ⇨ 仔魚 ⇨ 稚魚(シラスウナギ) ⇨ 成魚(オス、メス) ⇨ 受精卵

というサイクルを確立することだ。それには、

 仔魚に育つまで何を食べているのか

 稚魚に育つまでに何を食べているのか

 成魚になるまでに何を食べているのか

という3つの難関をクリアする必要がある。これが難しいらしい。

  オス、メスの親ウナギから、受精卵をつくり、エサを与えて仔魚(しぎょ、幼生)にまで育て、仔魚はすべてオスなので、これを特殊なホルモンを使って一部をメス化し、変態させてシラスウナギにまで成長させた。それをまたエサを与えて、2、3年、生殖が可能になるまで育て、オス、メスから精子と卵子を取り出す。そして、それを人工授精させた。その結果、25万個の受精卵でき、その多くがふ化して、幼生として生存しているという。

 こうした一連のサイクルをみると、仔魚になるまでに、ウナギは何を食べるのか、シラスウナギになるまでに何を食べるのか、成魚になるまでに何を食べるのか、という研究が非常に大事であることもわかる。

 小生が住んでいるのはウナギの街、浜松なので、とりわけこの話題はうれしい。中日新聞は、

 資源保護、安定供給に光

と見出しを打っていた。天然ウナギに頼らないウナギの再生産に道を開いたものとして、今後の実用化に注目したい。2010.04.09 

 ただ、そう書いたものの、ウナギ養殖発祥の地、浜松では、この成功に複雑な事情がある。「大量生産で安値になり、生活の道が絶たれる」というわけだ。

 物事には、いい面と、悪い面がある。浜松市に住んでいる小生としては、今回の成功を手放しでは喜んでばかりはいられないのだ。2010.04.16

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