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遠州灘の美味「ナガラミ」貝を味わう 

 自宅近くの馴染みの赤ちょうちんにふらりと入ったら、

 「きょう、珍しくナガラミの貝が入ったよ」

とネ元気なママさんに言われて、思わず、こちらの顔がゆるんだ。見てみると、2センチほどの美しい貝がテーブルに出されてきた。熱燗を注文し、刺身しょうゆ。爪楊枝で、身を取り出す。熱燗とともに、口に含むと、なるほど

 「うまい」

 浜松に転居して、なかなか食べられなかった「ダンベイキサゴ」の味は格別だった。ママさんによると、ずっと以前には、春から初夏によく子どもも食べたそうだ。そのご、取りすぎたのか、一時、魚屋から姿を消えたという。しかし、中高年者には懐かしい味なのだという。思い出話に花を添える貝なのだという。わかる。

 10年ほど昔の静岡新聞夕刊の随筆欄「窓辺」に、静岡県水産試験場浜名湖分場長の鈴木克宏さんが、この貝には、私の食べた3センチほどの貝のほか、この貝には、もっと小さい1センチほどの小型群もあるという。今ごろの季節は、この両方が獲れるが、8月以降は小型だけになるという。

  鈴木さんによると、大昔からさかんに食用とされていたらしい。しかし、最近ではナガラミ漁は、短期間の知事許可漁業だという。この貝の進化過程については、詳しい研究があるとのことだが、小さいながら、荒海でたくましく進化し、生きてきた貝だからこそ、うまいのだろう。

  なお、ダンベイキサゴの進化史については、2009年6月21日付静岡新聞の

 しずおか自然史 進化の履歴500万年

に詳しい。この延原尊美静岡大学教育学部准教授の記事によると、

 この扁平貝は、1500万年前の温暖な時期に南方から移住してきたのだという。今の貝に分化したのは、500万年。悠久の時間をかけてきたのだから、うまいはずだ。

 2010.04.16

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