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とうとう、「温暖化論争のでたらめ」と「Newsweek」3月10日号

 都合の悪いデータの隠ぺい、根拠のない氷河消失時期、ご都合主義とあら探しなど、このところ地球温暖化をめぐるさまざまな疑惑が噴出している。

 温暖化スキャンダルまたは、クライメートゲート事件

というのだそうだが、日本語版「Newsweek」3月10日号が表紙で、海に氷山が浮かんでいる写真にデカデカと

 温暖化論争のでたらめ

と見出しを打っている(温暖化のでたらめ、ではない点に注意)。スキャンダル(疑惑)と言っても、温暖化をめぐるドタバタというぐらいの意味だ。あるいは「不毛な温暖化論争」と言っていいかもしれない。同誌は10年ほど前にも、MIT教授による「温暖化のでたらめさ」を取り上げている。こちらのほうは、温暖化なんか起きていない、というものだった。

 さて最新号の中身を見てみると、

 気候変動でたらめ論争の罪

と題して、サイエンスジャーナリストのF.グタール氏が書いている。小見出しを拾ってみると

 データ公開をめぐる攻防

 「満身創痍」のIPCC

 偏った批判に弱いメタ分析

 科学者も変わり始めた

となっている。詳しくは同誌を読んでほしいが、科学者が変わり始めたというのは、同誌によると、

 温暖化を懸念している「世界でも最も著名な科学者の1人が反省の姿勢を示した」

ことをさすものらしい。

 軌を一にして、3月3日付中日新聞「文化」欄に、総合研究大学院大の池内了氏が、この温暖化論争をめぐるドタバタについて

 歪曲された〝科学〟的報告 社会の信頼 失う恐れ

と警告している。

「少しでも過誤があれば直ちに修正する、それでなければ社会的信用を失うことを肝に銘じたいものである」

として、科学者に自省を求めている。

 つまり、温暖化の事実を強く警告したいがために、ついオーバーな表現をしたり、偏った事例をことさらにアピールしたり、誇張した表現にしたりすることは、いくら善意とはいえ、事実を曲げていることに変わりはない。科学者は厳しく反省してほしい。科学者は傲慢であってはならない。

という趣旨だ。この点では、先の記事のジャーナリストの趣旨と同一だ。

 追記。

 この問題は、昨年11月からくすぶっていた。2009年11月26日付朝日新聞「環境」特集

 盗まれたメール COP15控え波紋 研究者「気温の低下隠した」 英米メディア過熱

 また、2010年2月25日付読売新聞も社説で

 社説 地球温暖化 不信を広げる研究者の姿勢

 この社説の最後は「地球規模の気候変動を正確に把握し予測することは、もともと容易ではない。研究者には、冷静な議論が求められる。」

と結ばれている。その通りであり、小生も人為的な原因で温暖化が起きていることには懐疑的であるが、それはともかく、予測がむずかしいことが、温暖化、とくに政治的な意味合いが強い人為的な要因による温暖化かどうかについて、懐疑派と懸念派が丁々発止やりあう余地を残している。

 正統派とみられる懸念派は、懐疑派をバカにするのではなく、もともと予測は容易ではないのだから、説得できる証拠をできるだけ分かりやすく提示するなど謙虚さが必要であることを今回のドタバタは示している。2010.03.09

 追記 2010.03.30

  1つだけ、注意したいのだが、

 環境テロリスト(エコ・テロリスト)に乗じられないことだ。温暖化懸念派にしろ、懐疑派にしろ、環境保護団体、グリーンピースから分離した過激派「シィー・シェパード」のようになっては、世論は支持しないだろう。特に、少数派の温暖化懐疑派は支持を取りつけたいとのあせりから、極端な二酸化炭素による温暖化否定派にならないことだ。懐疑派の信念とはかけ離れて、石油派に乗じられる。極端な温暖化懸念派も、なんとか温暖化を早急に歯止めをかけたいとの焦りから、過激に走ると、原発派にしてやられる。多数派なのだから、謙虚さが世論を引き付けるだろう。

 環境を守ることは大事だよ、でも、極端派は左右いずれも世論の支持を失うと心得よ。

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