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アカデミー作品賞映画「ハートロッカー」の狂気

 この映画を見た感想を正直に言えば、

 同じアカデミー賞(技術賞)となった「アバター」がいかにも貧相に思えた

というものだった。日本人すらそう思ったのだから、アメリカ人なら、イラク・バグダッド郊外での爆弾処理班の物語というこの映画にさらにショックを受けたのではないか。すごい狂気の物語である。ある意味、敵味方のはっきりした戦争状態よりも、敵味方のはっきりしない治安維持にあたる軍隊の緊張感が高いということが、映画を引き締めていた。

 これが女性監督が制作した作品かとびっくりもした。なにしろ、屈強な男ばかりで、女性はラストシーンで一人(主人公の妻)なのだ。「アバター」のほうがよっぽど女っぽいとは皮肉だ。

 この映画のテーマは、それと明示はないが、明らかに反戦だろう。

 特に、このことを強く印象づけるのは、胴に爆弾を無理矢理にまかれた人間自爆

だろう。家族がいるのに、無理矢理に自爆させられる男の悲劇が狂気となって観客席に迫ってきた。イラク人はこのシーンをどう見るのだろうと暗たんたる思いになった。

 さて、タイトル「The Hurt Locker」とは、行きたくない場所、つまり「棺桶」というぐらいの意味らしい。軍隊用語だという。爆弾処理現場のことだろう。それも灼熱の場所の。

 この映画は、会社の帰りが遅くなり、ちょうど自宅マンション近くのシネコンで上映中となっていたので、

 月曜日深夜10時

に見始めた。場内は、私と20代の映画好きそうな若者の二人だけだった。バケツのようなカップに入ったポップコーンを頬ばりながら熱心に見ていた。

 見終わって、家路に着いたら、

 寒風の中、煌煌とした満月が雲一つない夜空に青白く光っていた。

 入場料は、老人割引で1000円。見て得をした。久しぶりにそんな気持ちにさせてくれた映画だった。2010.03.30

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