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アサリ育くむ〝里海〟 三河湾・六条潟

 里山という言い方があるのは、知っていたが、

 里海

というのがあるというのは知らなかった。NHK中部地域限定番組「金とく」を見ていたら、人の手が加わることで、その生態系が守られている海のことらしい。そんな海の一つが、

 アサリ生産量日本一の三河湾であり、そのなかでも、アサリの稚貝が湾全体から集まる浅い六条潟が里海として地域では有名。豊川の河口付近の浅い砂地なのだが、そこは引き潮時には、干潟になる。番組では稚貝が砂地に潜っている様子を紹介していた。

 アサリはプランクトンを餌にしており、その際、海をきれいに保つ掃除人の役割を果たしている。だから、一定程度、大きくなった六条潟の大量のアサリを三河湾の漁民が取りに来て、湾内の自分たちの漁場で再び海に戻していた。そこで育てるのだろう。アサリが、漁場を浄化する。三河湾はノリの養殖場としても知られるが、アサリによって浄化された澄んだ海があればこそなのだという。

 三河湾は、今ではアサリとノリの共生の場

になっているという。

 これだけなら、単なるエコ番組なのだが、後半は、この六条潟がかつて高度経済成長時代に、干潟を埋め立てる計画があり、漁民の漁業権放棄も行われるなど実施寸前まで言ったが、その後の経済の停滞、環境汚染への批判で、結局、取りやめになったという歴史があることを紹介していた。

 そのほかにも、豊川上流での設楽(したら)ダム建設も現在、本格的な建設に向けて準備段階にある。アサリの生育に必要な砂の供給が激減し、アサリ生産が大打撃を受けるのではないかという問題も持ち上がっており、周辺の住民による反対運動もある。何とか、里海を守る手立てはないものか。

 三河湾に近い、またアサリの多い浜名湖にも近い浜松にいると、アサリがいつも豊富に出回っていることを実感している。

 アサリの酒蒸し

を自宅でつくるほど、これが好きな小生だが、近くの里海にこんな事情があり、それを乗り越えてきたから、今のアサリ生産日本一があり、またその恩恵を我が家でも味わえるのだということに感謝した。

 追記

 この番組では、数年前、六条潟のアサリの稚貝がプランクトンの大量発生に伴う里海の酸欠、つまり「苦潮(にがしお)」で、大量に、ほとんど全滅の状態になったことを紹介していた。翌年にはその影響は、この潟は三河湾のほかの場所から数ミリの大きさになったアサリの幼生が流れ着いて稚貝にまで育つ場所なので、ほとんどなく、すぐによみがえったそうだが、生物の絶滅に酸素が深く関わっていることを知った。

 こうなると、『恐竜はなぜ鳥に進化したか 絶滅も進化も(大気中の)酸素濃度が決めた』(P.D.ウォード、文藝春秋社)の仮説も分かる。酸素濃度の上昇や低下が、生物の繁栄や絶滅、さらには、逆に大進化をもたらしたという話はまんざらではない。あり得るという気になった。

 さらに、2月1日付静岡新聞夕刊によると、酸素ではないが、海水中の二酸化炭素濃度が上昇し続けると、エゾアワビなどの稚貝に奇形ができて、正常に育たないらしい。

 海水の酸性化 アワビに大打撃 水産総合研究センターの研究 

 海の酸性化

が海の生物の生育に重大な影響をあたえる

というわけだ。同センターの高見秀輝主任研究員によるこの実験結果は、海水の二酸化炭素濃度が、現在の大気中の二酸化炭素濃度の約2.5倍になったとした場合のものであり、そうなるのはざっと100年先であり、その時は、アワビの大絶滅が起こるかも知れないという話。もっとも、こんな高い二酸化炭素濃度では、地球大気は高温になりすぎ、人類は、アワビが絶滅する前に、破滅しているだろうが。

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