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森に行こう 日本の森、ドイツの森

 静岡大学名誉教授で、鹿児島大学名誉教授でもある今永正明さんの講演、

 日本人の森、ドイツ人の森

を静岡市内のホテルで聞いた。今永さんは、森林の効果的な配置を研究する

 森林経理学

の専門家だ。聞いてちょっと驚いたのは、ドイツ人と日本人の森林観のきわだった違いだった。

国土面積に占める森林面積が約7割と大きい日本の国民は、「見晴らしのよい山」や「静かな湖」を好む

のに対し、

森林面積が32%と少ないドイツの国民は、6割近くと圧倒的に、見晴らしのよくない「深い森」を好む

という森林観をいだいている。「深い森」に行きたいという日本人は、どの都市の調査でも、数%だ。ヨーロッパの国々はおおむねドイツ型だ。今永さんは、森林が多い日本では、森が意識の外に置かれている、これでは森林国家日本の将来が心配だと嘆いていた。日本の森は日本列島の背骨の、しかも急峻な山地に配置されていることから、日本では森に親しむ機会が、国内にほどよく散らばっているドイツに比べ、少なかったというのが、森林経理学からの結論のようだ。

 では、どうすれば、森林に親しむことができるのだろう。今永さんの「構想」によると、まず、お孫さんを連れて、身近なレクレーションの森に行こう、これまたお孫さんを連れて中高年は山歩きをしよう、というのだ。お孫さんを連れて行けば、お孫さんが将来ずっと森を愛するようになり、息の長い取り組みにつながるという。森の育成には、50年、あるいは100年の歳月が必要なのだ。

 今永さんの、理想の森とは、

 太いスギが谷筋をがっちり守り、中腹にはヒノキ、尾根にはアカマツ。さらに各地で特色ある色鮮やかな広葉樹林や混合林

だという。これも森林経理学の結論なのだろう。これを「森林楽土」ともいうべき姿と話していた。

 そこまで行くには、50年ぐらいは掛かるらしい。

 講演を聴いての感想。

 まず、その手始めに、静岡県のレクレーションの森

 静岡県立森林公園(浜松市浜北区)

 に行ってみたいというものだった。ここは主として天然のアカマツが多い。野鳥の森もあるらしい。

 何気なく聞いた講演だったが、意外に拡がりのある話だった。

 追記

 森についての最近のガイドブックには、ビジュアルのものとしては

 『日本の森 ガイド50選 森の中の小さな旅』(山と渓谷社)

がある。NHK-BS放送「日本の森」(2002年放送)を単行本化したものらしい。映像版もあることを紹介しておこう。

 この講演は「京友会」の卓話として行われた。2010.02.08

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