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常識を疑おう 例えば、いつから富士山は「日本一の山」になったか

 この質問の答えは、日本大学の梶川信行さんによると、

 富士山が間近に見える江戸が日本の政治の中心となった江戸時代である。

 その江戸時代でも、特に江戸が出版の中心になった1700年以降である。つまり、

 「日本一の山」という富士山の常識は、この300年間の常識にすぎないのである。

 それ以前では、憧れの山、富士山ではなく、畏怖の山、不尽山だった。だから、富士山は、万葉集では「不尽山」であり、富士山ではないのである。万葉集には

 山部赤人が不尽の山を望む歌一首

 として、

 田児の浦ゆ うち出でて見れば ま白にそ 不尽の高嶺に 雪は降りける

 とある。「不尽」こそ、平城京の官人たちの富士山に対する認識だと梶川さんは講演で強調していた。つまり、奈良時代の富士山は、活発に噴火を続ける火山であり、それは神代の昔から生命の「尽きない山」という認識だ。

 それが、その後、富士山の火山活動は沈静化し、平安時代、室町時代には、美しい山として「富士」が文学にしばしば登場する。「三国一の山」という言い方も室町時代に現れるという。

 新春の話として、美しい山の話をしてみた。

 文学も、富士山の成り立ちを知らないと、万葉人も今と同様、美しい富士山を愛でていたなどと、とんでもない間違いを起こす。そんなことを教えてくれた。新年を寿ぐとともに、年頭に当たって常識を疑おう。2010.01.04

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