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常識を疑う おでんには、はんぺんがつきものだが

 冬場は、温かい「おでん」が恋しい。静岡県に転居して来て、1年たったが、

 静岡おでん、しぞーかおでん

 が次第に好きになってきた。安くてうまい。しかし、最初は、関西風の味付けに長らく慣らされてきたせいか、食べたいのはやまやまだが、あの独特の見た目にはいかにも濃そうなだし汁にはやや食べるのをちゅうちょした。しかし、食べてみると、なかなかおいしい。むしろさっぱり感があり、好きになった。だし汁ではなく、だし粉を振りかけて食べるという風習、いや食文化も体験した。辛口の日本酒にはよく合っていた。転居してよかったなあ、極楽とはこういうのを言うのだろう。

 ただ、今でも慣れないのが、おでんのタネの

 黒はんぺん

 静岡県にいて、こういう言い方はないのかもしれないが、まだ、灰色のはんぺんには違和感がある。

 はんぺんというのを、イワシなどの魚肉の赤身や白身をすりつぶし、小麦粉、調味料などを交ぜた加工品

 とすると、以前住んでいた金沢では「つみれ=摘み入れ」もはんぺんだ。しかし、つみれはゴルフボール大であり、色は灰色と「黒はんぺん」と同じだが、はんぺんのように板状ではない。はんぺんは「半片」なのだろう。

 さて、先日の日曜日夜、TBS系の番組「となりのマエストロ 東海道五十三次、激走、日本おでん調査、知られざる地域格差」というのを放送していた。

 箱根山より東、首都圏+神奈川県では、おでんのタネとなる「はんぺん」とは、ふわふわの白い板状と決まっているようだ。

 それが箱根を越えて、静岡県に入ると、黒いはんぺんと、白いはんぺんがあるのだ。赤身の黒はんぺん、白身の白はんぺんだ。

 さすが、おでん王国、静岡のはんぺんには、白と黒(つまり、イワシはんぺん)があるのだ。

 浜松でも同じだが、さらに西に行き、愛知県豊橋市となると、なんと、はんぺんはあるのだが、板状ではあるが、揚げたはんぺん(つまり、薩摩揚げ)に変わっていた。色は、黒でも白でもなく、油揚げのような色。改めて、県境をはさんだ浜松市と豊橋市の間には文化の違いがあることをおでんから学んだ。

 その後、番組では、調査隊は、滋賀県に入り、大津市のおでん店に入り、調査していたが、

 大津市には、「はんぺん」という名のおでんダネはない。ないが、魚肉をすりつぶしたものとしてあるのは、「ひらてん(平天)」だった。ところ変われば、品変わるだ。

 京都には「はんぺん」はない。このことは、京都市に10年以上住んでいたから、知っていた。金沢にはある「つみれ」もない。そりゃあ、そうだ、京都は山の国だもの。

 以前、雑煮文化圏について、紹介したが、角もち/丸もち文化圏、赤または白みそ仕立て/すまし仕立て文化圏、焼きもち/煮もち文化圏だ。京風は丸もち・白みそ文化圏であり、江戸徳川風は角もち・すまし汁文化圏だが、おでんにも文化圏があある。徳川支配が浸透している金沢市内は、当然、角もち・すまし汁文化圏だが、徳川支配が浸透しなかった能登半島はもともとの関西風の丸もち・白みそ文化圏。ただし、小生出身地の福井は、なぜか、京風の丸もち・赤みそ・煮もち文化圏だった。

 さて、おでん文化圏のなかでもはんぺん文化圏がおもしろい。おでんには「はんぺん」がつきもの、とはかぎらないのだ。常識を疑え、の身近な好例だろう。

 それにしても、身びいきかもしれないが、はんぺんがなくても「しぞーかおでん」はうまい。このご時世、安さもあって、お世話になった金沢にお歳暮として何人かに贈答したが、礼状に

「つみれがない」

との指摘があった。

 蛇足を一つ。

 金沢のおでんの特徴は、丸いはんぺん=つみれのほか、日本海でとれるカニがあることだ。メスのセイコ、香箱の甲羅に具がつめてあることから、

 カニ甲羅

という。これは高いので、なかなか手にできない。

 さて、さきほどの礼状だが、

「黒はんぺんが、つみれだよ。四角いけど、中身は同んなじなんよ」

と電話しておいた。もう一度、言うが、常識を疑おう。2010.01.25

 と言うだけでは、ちと、つまらない。静岡県民については、

 しぞーかおでんフェア (2月12、13、14日、静岡市の青葉シンボルロード)

で、全国の名物おでんの屋台が勢ぞろいすることをお知らせしておきたい。金沢、富山、北海道、はては、韓国おでんも並ぶと言うから、おでんの常識を見直す、驚きの1日になるかも知れない。

 

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コメント

こんにちは。
おでん。いいですねー。食べたくなりました。
私実家は京都ですが、我が家では薄いさつま揚げのようなものをはんぺんとか言ったりします。おでんの具って結構地方性が出るんですよね。呼び方なんてどうでもよく、冬の美味しい食べ物ですね~。
ではヽ(´▽`)/

投稿: まっさん | 2012年11月 1日 (木) 20時36分

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