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「怠けアリ」も立派な働き手、と読売新聞

 怠け者がこんな記事をみたら、さぞ、そうだよな、そうだよな、と喜ぶだろう。28日付読売新聞夕刊に

 「怠けアリ」も立派な働き手

という、長谷川英祐北大准教授(進化生物学)の研究結果が紹介されている。面白いので、一部をそのまま引用する。

 「長谷川さんらは、日本全国にいる「シワクシケアリ」の八つの集団に、1匹ずつ印をつけて幼虫の世話、巣の修復など集団に貢献する「仕事」をどのくらいこなしたか、1か月間行動を観察。そのうち「よく働くアリ」「ほとんど働かないアリ」を取り出して、それぞれの集団を作り直した。その結果、どちらも元の集団同様「よく働くアリ」「ほとんど働かないアリ」に、ほぼ同じ割合で分かれた。」

 つまり、組織というのは、怠け者が一定割合いるのが安定だと言うことだ。それは非効率だとして、怠け者を取り除いて、働き者だけにしても、あら不思議、また先の一定の割合で「怠けアリ」が出てくるというのだ。解釈としては、「働かないアリ」がいる方が、集団全体としては、誰も働かない人がいなくならないなど、安定なのだそうだ。このことは、コンピューター模擬実験でも確かめられているという。

 つまり、「怠けアリ」も集団全体にとって大切な「働き手」なのだ。

 こういう理由で、怠けている人間も出てきそうだ。2009.12.1]

追記

 この記事を書いてから、待てよ、と思った。

 「週刊現代」10月31日号に

 勝つのはどちらだ!?  激突100分

 勝間和代 対 香山リカ 断る女か、しがみつかない女か、大論争に決着を

 努力、向上心でより良い自分を、としたベストセラー『断る力』(文春新書)の評論家、勝間氏の考え方が正しいのか、はたまた、そんながんばり至上主義はかえって危険とする、『しがみつかない生き方』(幻冬舎新書)の精神科医、香山氏の主張が正しいのか。香山氏については、私も直接、浜松市で講演を聴いたが、はっきり言えば

 「怠けアリも、組織にとっては大事な働き手」派。

 これに対し、勝間氏は

 「よく働くアリ」派

である。

 上記の実験、観察からは、

どちらも必要だということだ。

 論争では

 「頑張らなければダメなんですか」(香山氏)に対して、「少なくとも勤勉は必要」(勝間氏)と応じ、勝間氏の「ムダは必要なのか」と迫ったのに対し、香山氏「企業全体としてみれば、(遊軍的な)ムダがあったほうが、うまく回ることが多いのではないか」と受け流している。これに対し、勝間氏は「そういう「遊軍」的な社員ばかりだと会社は成り立たない」と断じている。

 組織がうまく回るためには遊軍的な社員が必ず必要だというのが、アリの実験がどの程度人間の組織にも適用可能かには問題があるものの、上記のアリの実験は示している。

 つまり、この論戦、香山リカ氏の勝ちだ。さすがは精神科医だ。よく人間を観察している。

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