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2009年12月

「左側のない男」の2009科学重大ニュース 第一位=タコも道具使用

 12月29日付毎日新聞に今年の科学界重大ニュースが掲載されている。活字の大きさから判断すると、

 第一位は、若田さん、野口さんISSに長期滞在

だ。第二位は、新型インフル世界中で流行。事業仕分け科学界にも、脳死は人の死」成立、46年ぶり皆既日食、全身骨格分かる人類最古の化石と続く。

 いちいちなるほど。25日付朝日新聞にも「記者による投票」の10大ニュースが出ている。

 新型インフル大流行、若田さん宇宙長期滞在、事業仕分け議論白熱、最古期の人類像浮かぶ、46年ぶり皆既日食、臓器移植法改正、温暖化ガス25%減表明、理系出身の首相誕生、COP15開催、足利事件の再審決定

 と「「毎日」と似たり寄ったり。

 いずれの新聞もありきたりな、常識的なむ選定になったが、ちょっとユニークなこのブログの「科学界重大ニュース」を最後に書いておく。

 タコも道具使う 道具を使うのは人間だけという誤解を解いた

 空飛ぶオタマジャクシ カエルの子はもともとカエルという誤解を解いた 鳥かも知れない

 3D映画「AVATAR」 スクリーン映像と劇場は別という誤解を解いた

英国防省「UFO班」廃止 地球は一人ぼっちという誤解を招いた

邪馬台国畿内説に決定打 ? 古代史のロマンをつまらなくした

虫にも表情がある 写真家、今森光彦の世界 知的動物は人間だけという誤解を解いた

 「東海地震はもう起きてしまった?」説  2001 - 05年の長期スロースリップ 大地震は必ず人間に感じるはずだという誤解を解いた

 南国に黒い雨が降る 越境汚染 中国の経済発展はいいことだとの誤解を解いた

 青いバラ完成 不可能を可能にさせたサントリーの執念 考え続けていればアイデアは必ず出てくるというチャップリンの信念を証明した 

 チンパンジーも利他行動 人間性は人間だけであるという誤解を解いた

 最後に、脱線 科学界のひんしゅく騒動、やっぱりの

 茂木健一郎さん「4億円不申告」 科学者は正直という誤解を解いた

 よいお年を-。2009.12.30

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タコも〝道具〟使用 !!! 割れたヤシの実殻を車替わりに?

 タコは賢いとは聞いていたが、こんなに賢いとは知らなかった。12月16日付静岡新聞夕刊に、カラー写真付きで

 タコも〝道具〟使用 ヤシの実を隠れみのに インドネシアで確認

という記事が出ている。人間が半分に割って捨てたヤシの実の殻を重ねて、上に乗るような形で海底を移動したり、危険を感じると殻の一つをかぶって隠れたりすることが分かったという。豪ビクトリア博物館/英エクセター大の研究チームが米科学誌「カレント・バイオロジー」に発表した。9年間にわたる潜水調査であるというから、信用してもいいだろう。

 ただ、タコ自身、どんなつもりでヤシの実殻を運んでいたのか、道具と認識していたかどうかということは、当然だが、これだけからは不明。しかし、単なる偶然で、道具を使っているように見えたと言うわけでもないだろう。

 事例をもっと集めて、偶然ではないことを確認する必要がある。それにしても、ヤシの実殻を二枚貝のつもりで、二つ持って移動するとは、驚きだ。少しオーバーに言えば、まるで、殻を車替わりに使っているようにも見える。単に引きずっているだけなのかも知れないが-。2009.12.16

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英国防省「UFO班」廃止  こんなところにもリーマンショックの影響が-

  12月6日付静岡新聞朝刊「GLOBAL FLASH」を見ていたら、偶然、

 英国防省〝UFO班〟廃止

という記事が目にとまった。未確認飛行物体(UFO)の目撃証言の収集や分析を60年近く続けてきた「UFO班」を英国防省が廃止したという。同省は、

 1950年以来、電話や電子メールなどで目撃証言やその証拠写真などの情報を募っていた。しかし、これまでの分析結果から、いずれも英国に対する潜在的な脅威であるとの証拠は得られず、UFO調査に防衛上の利益は見いだせず、防衛予算をこれ以上使うのは不適切

と説明しているという。つまり、これもリーマンショックの影響だろう。

 UFO調査としては、米国防総省の依頼を受けた高名な米天体物理学者、J.アレン・ハイネック博士による1970年代の大規模な調査がある。UFOを科学的な見地から不合理としてすべての情報を完全に否定することはできないと報告している。つまり、UFを完全に否定はしていない。

 こうした報告の概要は、日本でも

 『UFOとは何か』(角川文庫)

で知ることができる。

 さらに、気になるのは、私の取材経験を話せば、平成1年7月7日付北國新聞社会面に

 そろばん玉型のUFOカラー写真

が出ていることである。金沢市役所職員の浜崎泰彦さんの写真である。

 UFOは存在しない、というのはあまりにドライではないか。

 UFOは宇宙人の乗った宇宙船という宇宙現象というよりも、地球現象であると考えて、人間の心理学的、社会学的に分析する必要があろう。

 UFOの社会学

という視点を大事にしたい。

  もっとはっきり言えば

 UFOとは何か、と言えば、それは

 地球外現象ではなく、地球現象であるということだ。

 さらに言えば、

 宇宙人現象ではなく、人間現象であるということだ。

 2009.12.15

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SL列車「三等車」に乗って 晩秋の大井川鉄道本線

 今時、「三等車」と言うのがあることを知って驚いた。静岡県の大井川鉄道の大井川本線を走っているSL列車の「三等車」に乗車した。「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」とうたわれたあの大井川沿いに走る鉄道である。

 SL列車で行く奥大井森林浴ウォーキングと白沢温泉「もりのいずみ」日帰りツアー

である。昭和10年代、20年代に東海道本線で活躍していたらしい。このSL、なんと最近公開された映画「ゼロの焦点」でも利用されたという。

 かと思うと、タイの泰緬鉄道で走っていたもの(C5644)が、昭和54年に帰国し、それをそのまま大井川鉄道が本線に入線したらしい。あの映画「戦場に架ける橋」に出てくる鉄道を走っていたSLらしい。大井川鉄道の大井川本線「千頭(せんず)」駅には、こうした東海道本線にSLが走っていた頃の様子がわかる「SL資料館」があることを付け加えておこう。

 それにしても、千頭駅で9キロのウォーキングに出かける前に、駅前で炭火焼きしていた「やまめの塩焼き」の串焼きは熱々でうまかった。白沢温泉に到着してすぐに、大井川の支流を真下に眺めながら白沢温泉「もりのいずみ」露天風呂に入った。久しぶりのリラックス気分を味わわせてくれた。しかも、湯船につかり、体温を1度程度上げて免疫力も高まったかも知れない。そんな〆て5000円の晩秋の旅だった。SLで往復、やまめの塩焼き、免疫力アップの露天風呂温泉、ストレスと運動不足解消の体ほぐしのウォーキング、リフレッシュの森林浴が体験できたのだから、これは安い。

 次は、千頭駅から井川駅までの冬のSL旅をしてみたい。と思っていたら、この井川線はあのアプト式のトロッコ列車(実際はディーゼル機関車)の旅らしい。絶景の景観が楽しめると言うから、これからの冬の旅が楽しみだ。だって、小生、JR浜松駅とJR静岡駅を毎日のように通勤しているのだから、途中下車で、こんなSLトロッコ列車旅が手軽に楽しめるのだ。これはいい。2009.12.13

 言い忘れたが、結局、大井川鉄道という会社はSL列車を大井川本線で、観光資源としてではあるが、ともかく、動かす状態で、あるいは役立つ状態で

 動態保存

していることになる。鉄道ファンが自分の趣味で使われなくなった本物のSL列車を庭先に飾っておくだけでは、つまり「静態保存」では、SLもかわいそうだ。そんなことを考える旅でもあった。

 追記

 週刊「鉄道絶景の旅」

というムックが出ている。2009年6月25日号は

 大井川鉄道 懐かしい蒸気機関車、トロッコ列車の旅

を特集している。この号にはカラーで

 日本の鉄道遺産地図

が特別付録として付いている。鉄道ファンではないのに、ついつい買ってしまった(580円)。

  追記

 もう一つ、勉強になったのは、

 この大井川鉄道のSL列車の蒸気排気音と汽笛の響き

 が

 環境省の「残したい日本の音風景100選」

に入っていることだ。そういえば、SLが走っていて汽笛を鳴らすと、川沿いの露天温泉客がハダカのまま、走っている私たちに手を振っていた。こうした音風景を残したいものだ。

 音もまた風景であることを実感し、風景とは写真には撮らないものもあることを気づかせてくれた。少し格調高くまとめれば、音風景は、景観論に詳しい政策大学院大学の篠原修教授の指摘、つまり「日本人はもともと生活感のある生き生きとした風景を愛でていたという景観論」をさらに拡張する文化的景観の考え方だと認識した。

 やっぱり、5000円は安かった。

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サイエンススキャンダル 脳科学と温暖化と

 12月9日付読売新聞夕刊を見ていたら、

 サイエンススキャンダル

が国内と海外で2件載っている。一つは、このブログでもちょくちょく書いてきた脳科学者、茂木健一郎氏に関する記事で、

 NHKが茂木氏の番組打ち切り検討

である。4億円の確定申告をしないで、限りなく脱税に近い行為をしたことに対するものだ。私も降板すべきであると断言したい。ただし、確定申告をしていなかったからではなく、その脳科学に対する態度があまりにもひどいからだ。この件については、いまさらここで繰り返すのも恥ずかしいので書かない。興味のある方は、以前のブログを見て欲しい。

 もう一つは、デンマークでの温暖化国際会議に絡んで、

 気温低下データ「隠ぺい?」 英研究者メール暴露 温暖化懐疑派が攻勢

という記事だ。英イーストアングリア大のフィル・ジョーンズ教授が、気温低下傾向を隠すため「トリックを終えた」と米研究者に送信したメールなどが、ハッカーにより暴露された「事件」である。クライメート(気候)ゲートと名付けて、今後、温暖化が人為的なものなのかどうか、論議が白熱しそうだ。

 成り行きを注目したい。2009.12.09

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3Dはすごい カールじいさんの空飛ぶ家

 週刊誌「週刊新潮」12月10日号のTEMPOスクリーンを偶然見ていたら、

 「アニメだからと敬遠せず、大人にこそ観て貰いたい傑作」

とあったので、観てみた。3D用の特殊メガネをかけて立体感ある映像にびっくり。そして、その内容にも驚いた。単に、最愛の妻に先立たれ、思い出の家に風船をつけたというのも、奇想天外だが、それに乗って妻の夢だった南アメリカの絶景まで飛行すると言うのだからすごい。映像が観客席にまで飛び出してくる3Dに感心した。一度これになれるともはや普通の2次元映画は色あせる。

 もう一つの面白さは、

 私の冒険ブック

という妻の残したノート。これにしたがって「愛の冒険」に出かけるのだが、この中に

「いつかわたしがやること」

というページがあり、そこは空白。妻が亡くなったあと、思い立って、主人公の78歳のじいさんがその空白を埋める旅にでるというストーリー。

 人生、78歳になっても、小さい頃に描いた夢を忘れるな、思い立ったら、いつでも実行できる。それが人生だ。そんなことを語りかけてくれたアニメだった。

 最後に言おう。大人にこそみてほしい元気の出るアニメである。2009.12.06

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「怠けアリ」も立派な働き手、と読売新聞

 怠け者がこんな記事をみたら、さぞ、そうだよな、そうだよな、と喜ぶだろう。28日付読売新聞夕刊に

 「怠けアリ」も立派な働き手

という、長谷川英祐北大准教授(進化生物学)の研究結果が紹介されている。面白いので、一部をそのまま引用する。

 「長谷川さんらは、日本全国にいる「シワクシケアリ」の八つの集団に、1匹ずつ印をつけて幼虫の世話、巣の修復など集団に貢献する「仕事」をどのくらいこなしたか、1か月間行動を観察。そのうち「よく働くアリ」「ほとんど働かないアリ」を取り出して、それぞれの集団を作り直した。その結果、どちらも元の集団同様「よく働くアリ」「ほとんど働かないアリ」に、ほぼ同じ割合で分かれた。」

 つまり、組織というのは、怠け者が一定割合いるのが安定だと言うことだ。それは非効率だとして、怠け者を取り除いて、働き者だけにしても、あら不思議、また先の一定の割合で「怠けアリ」が出てくるというのだ。解釈としては、「働かないアリ」がいる方が、集団全体としては、誰も働かない人がいなくならないなど、安定なのだそうだ。このことは、コンピューター模擬実験でも確かめられているという。

 つまり、「怠けアリ」も集団全体にとって大切な「働き手」なのだ。

 こういう理由で、怠けている人間も出てきそうだ。2009.12.1]

追記

 この記事を書いてから、待てよ、と思った。

 「週刊現代」10月31日号に

 勝つのはどちらだ!?  激突100分

 勝間和代 対 香山リカ 断る女か、しがみつかない女か、大論争に決着を

 努力、向上心でより良い自分を、としたベストセラー『断る力』(文春新書)の評論家、勝間氏の考え方が正しいのか、はたまた、そんながんばり至上主義はかえって危険とする、『しがみつかない生き方』(幻冬舎新書)の精神科医、香山氏の主張が正しいのか。香山氏については、私も直接、浜松市で講演を聴いたが、はっきり言えば

 「怠けアリも、組織にとっては大事な働き手」派。

 これに対し、勝間氏は

 「よく働くアリ」派

である。

 上記の実験、観察からは、

どちらも必要だということだ。

 論争では

 「頑張らなければダメなんですか」(香山氏)に対して、「少なくとも勤勉は必要」(勝間氏)と応じ、勝間氏の「ムダは必要なのか」と迫ったのに対し、香山氏「企業全体としてみれば、(遊軍的な)ムダがあったほうが、うまく回ることが多いのではないか」と受け流している。これに対し、勝間氏は「そういう「遊軍」的な社員ばかりだと会社は成り立たない」と断じている。

 組織がうまく回るためには遊軍的な社員が必ず必要だというのが、アリの実験がどの程度人間の組織にも適用可能かには問題があるものの、上記のアリの実験は示している。

 つまり、この論戦、香山リカ氏の勝ちだ。さすがは精神科医だ。よく人間を観察している。

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