« もうひとつの筑紫哲也 家族から見た「パパ」 | トップページ | 温暖化のメリット 保健分野で効果 »

現代の方舟 文字通り箱舟だった映画「2012」

 こういうパニック映画は、やはり劇場の大画面でなければ、その魅力は伝わらない。封切られた映画「2012」を見て、そんな感想を持った。惑星直列による太陽の大異変で、地球のコアが崩壊するというもので、理屈ははちゃめちゃだが、さすが、ローランド・エメリッヒ監督である、面白い。地球崩壊は破天荒で面白い。同監督は、火星人襲来「インデペンデント・デイ」、温暖化で一気に氷河期がニューヨークを襲う「デイ・アフター・トモロー」と科学物でヒットを飛ばしている。どういうテクニックか知らないが、驚くべきシーンを次々に見せてくれる。

 箱舟建造は中国チベット自治区で行われたらしい設定だ。エベレスト北側である。大津波が引いた後に箱舟がたどり着いたのは、トルコ・アララト山だから、なんとなくその辺にしたのだろう。

 ただ、気になるのは、いずれの作品も、主人公か準主人公に、あるいは舞台回し役に科学者を登場させている点である。日本はもちろん、米国でもこうした科学者はいないということである。科学者は科学がからんだ社会問題には無関心である。こうした科学者設定は映画を薄っぺらにしている。所詮、パニック映画であり、深い人生を感じさせる、あるいは、社会の中における科学者の有り様を科学者も一般の人々も共感を持って考えさせるものにはなっていない。それが残念である。ここが同監督の限界かもしれない。絵空事としてのパニック映画であり、リアリテイがない。

 科学者は正義の味方であるということを自明としたつくりかたも、映画を薄っぺらにしている。これを打ち破る、血も涙も悪知恵もある悩める科学者像を描いてほしい。

  その意味で、ローランド監督には、科学者自身も深く考え込ませるようなリアリティのあるパニック映画をつくってほしいと言っておきたい。

  この映画の根本的なことについて、私の見解を述べたい。

 地球滅亡があるとするならば、それは惑星直列など外部の自然現象によるものなどではなく、人間のおろかさに起因する自滅であろうということである。外部要因で地球が滅亡することはあるかもしれない。が、その確率は、人間の所業によるものに比べたら、極めて小さい。2009.11.25

|

« もうひとつの筑紫哲也 家族から見た「パパ」 | トップページ | 温暖化のメリット 保健分野で効果 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/533942/46856381

この記事へのトラックバック一覧です: 現代の方舟 文字通り箱舟だった映画「2012」:

» 「2012 」もしかしたら現実にありえるかも、大画面で見るべき [soramove]
「2012」★★★★オススメ ジョン・キューザック、キウェテル・イジョフォー、アマンダ・ピート出演 ローランド・エメリッヒ監督、158分 、公開:2009-11-21)、アメリカ                     →  ★映画のブログ★                      どんなブログが人気なのか知りたい← 「久々の超大作映画、この映画を大画面で見なくてどうする! 内容があるとか無いとか、そんなこと考える前に 客席に座って現代の映像技術に素直に驚... [続きを読む]

受信: 2009年12月 1日 (火) 07時43分

« もうひとつの筑紫哲也 家族から見た「パパ」 | トップページ | 温暖化のメリット 保健分野で効果 »