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安全装置付きの絞首刑台 脳直撃の絶叫マシン、恐怖と快感と

毎週土曜日夜、楽しみにしているNHK「ワンダー×ワンダー」を見た。今週は

「脳直撃 ! 絶叫マシン」

だった。見終わっての結論は、

 安全装置付きの絞首刑台、それが絶叫マシン

ではないか、というものだった。重力加速度(G)が通常の1Gを超えてかかり始めると、脳から足に向って血液が移動する。当然、脳内の血液量が減少する。そして、今までかかっていたGが減り始めると、足から脳に向って逆流し脳内血流量は増加する。心拍数でいうと、血流量減少で、緊張が高まり、心拍数が増大する。一転、血流量が増えてくると、開放感や爽快感で、心拍数が減少する。この境目で、「奇声」を発するといわけだ。下向きの遠心力によりGが増大し、上向きの遠心力で、かかっているGを相殺するようにマシンのループを上手につくるのがポイント。絶叫マシンが苦手の人は、Gの変化に対して、シンクロせず、心拍数が一方的に上がりっぱなしになるという(実験した嶋津秀昭杏林大教授、生理学)。

 生理学的には、この過程で、(ノル)アドレナリンの変化となって現れ、恐怖と快感か゛得られるようだ。

 つまり、マシンのループの上下変化というのは、脳内血流量の変化におおむね対応している。

 ただし、 このほか、 テレビではまったく触れられなかったが、目からの視覚も、Gの変化に伴う血流量の変化とともに、大事であろう。野外マシンでは、屋内のパイロット訓練用G装置より、目から入ってくる大きな恐怖により、(目をつぶっている場合より)生理作用がより複雑かつ強力に起きるだろう。

 脳内の血流量の変化の仕方をさまざまに変えることができれば、かならずしも高さが高くなくても、さまざまな快感が味わえることになる。そうした

 G変化が予測できない、つまり飽きない新感覚の4次元コースター

が、外国では登場していると言う(インセイン)。高さはそう高くないのだが、さまざまなG変化を乗客にかかるように、人の乗ったゴンドラ自身をループ移動中に回転させたり、その回転が乗客の座り方の違いにより異なるように設計されている。お客が少ないときと、多いときとでは、一人一人の乗客にかかるG変化のパターンが異なる。このことは、乗るたびに異なる快感が味わえるということであり、飽きがこないという仕掛けである。

 絶叫マシンに似た感覚を味わえるのが

 命綱付きのバンジー・ジャンプ、あるいは

 ベルトに吊り下がって滑空するハング・グライダー

であろう。最近では、アメリカあたりで

 ベース・ジャンプ

というスポーツが盛んになりつつあるという。落下傘のようにハング・グライダーを背負って、川にかかる吊橋の中央から川面に向って飛び降り、空中でグライダーを開いて、滑空するというものであり、スリル満点、快感満点のようである。これも、最初は1Gと変化はないが、最後のところでGが大きく変化し、目からの恐怖も重なって、体内で生理作用の変化を引き起こすだろう。

  この番組を見ていて、ふと思った。死刑囚は、執行のとき、絞首刑台に立ち、足元の床が開くと同時に落下し、首が絞まって心臓から脳への脳血流量が一気にゼロになる。死の恐怖から一転、気を失うまでのわずかな時間にどんな快感を味わうのだろうと。それとも、その間もなく、失神するのだろうか。刑が執行された死刑囚に聞けたらと思う。

 絞首刑台は、奇声のない、一度きりの、いわば「究極の快感が味わえるマシン」かもしれない。

 2009.10.17

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