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開花した「やってみなはれ」 青いバラづくりの20年、浜松花博の思い出から

10月21日の朝刊各紙には、

 「夢かなう」青いバラ発売 サントリー  静岡新聞

という記事が一斉にデカデカと出ている。読売新聞の1面などは、郵政民営化見直しについての閣議決定を受けて

 西川善文日本郵政社長、辞任表明 「内閣方針と隔たり」

という1面トップに対して、なんと青いバラの記事は準トップ扱いで

 ため息誘う「青いバラ」

と力の入れようだ。しかも、若い女性が大量の青いバラをかかえてほほ笑んでいる写真は、西川氏の苦汁のポーズ写真よりかなり大きい。女性もこんなに大きく出るとは思わなかっただろう。何しろ、この女性の写真は全国へ1000万部も届けられたのだから。各紙合わせると5000万部以上だ。サントリーも「してやったり」の抜群の宣伝効果であろう。大成功とほほえんだに違いない。サントリーはやはり宣伝の仕方が、洒落ていて、うまい。

 それはともかく、バラには青を発色させる遺伝子がない。したがって青いバラづくりは不可能なのに、青発色を可能にする遺伝子を組み込んで、それを可能にしたというのだから、すごい。

 この世界初の青いバラ、20年越しの成果なのだそうだ。きっかけは80年代の主力商品のウイスキー「オールド」の不振にまでさかのぼる。創業者の鳥井信治郎氏の口癖

「やってみなはれ」

というチャレンジ精神の後押しでスタートしたらしい。創業者の指示だっただけに、こんなに長い開発期間が許されたとも言える。が、飲料中心のサントリーが、飲料だけから抜け出し、それまで培った技術をベースにして将来の事業転換に備えた挑戦だったことは確かなようだ。独自の品種を生み出し売り出す植物ビジネスへの挑戦だろう。まさに、

 ピンチはチャンス

の典型例。このバラ、小生、5年前、浜松市で開かれた花博会場で拝見した。そのときは、ピンチはチャンスという事例であるとは気づかなかった。2009.10.21

 商品化に、こんなに時間がかかったのは何故か。ようやく気づいた。遺伝子が組み込まれた植物を売った場合、枯れたりして廃棄されたりして環境破壊が起こらないかどうか、農水省の商品化基準をクリアする必要があったからだろう。さらに、バラを、例えば、パーティなどで飾りとして出したりして、幸運を呼び込む縁起物として、食べたりしたとき、健康被害が起こらないかどうかのチェックも大変であったろう。遺伝子組み換え植物を大量栽培することによる環境への影響も調べなければならなかったであろう。

 ピンチはチャンス、そうなるにはそれなりの周到な準備と、事後の周到なフォローが大事

なのだ。そんなことを気づかせてくれた記事だった。

 チャンスは、1日にして成らず

 2009.10.23

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