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原田正純の今 「水俣学研究序説」を日本の科学者100人100冊に

 9月3日付朝日新聞夕刊の「人生の贈りもの」という面白い欄に

 社会とかかわりながら、科学を追究 原田正純・熊本学園大社会福祉学部教授・医師

というインタビュー記事が出ている。水俣病研究や裁判で半世紀を生きてきた学者であり、社会運動科学者である。74歳になってもまだ、アマゾン奥地に赴き、住民の毛髪を採取して水銀濃度を調べている様子の写真が添えられている(いまやアマゾンの奥地にまで有機水銀公害が広がっているのだ!)。

 えらいを通り越して、すごい。

 原田さんには、水俣病研究の集大成とも言うべき

「水俣学研究序説」「水俣学講義」(いずれも藤原書店。2004年、2007年)

がある。こういう科学書こそ、今、読むべきであり、また後世に伝えたい。

 月刊誌に「考える人」(発行・新潮社)というのがある。2009年夏号の特集は

 日本の科学者100人100冊

である。表紙は、朝永振一郎の顔を大写しした写真だ。中をみると、確かに一流の科学者が顔をそろえている。そんな中、

 科学と社会

について、原田さんのように、科学者自身が実践してきた人はほとんど登場していないのは、寂しい限りである。これには、そもそもそういう人は日本には少ないという理由もあるだろうが、かろうじて

 物理学者で科学評論家、また、脱原発の運動に核化学者として積極的にかかわった

 高木仁三郎 「市民の科学」は「われわれ」のものなのか

が登場しているだけである(登場する湯川秀樹は晩年、1960~1970年代を通じて核廃絶運動に直接、かつ積極的にかかわったが)。

 この特集には、原田正純氏は登場しないが、登場する資格は十分ある。上記の彼の最近著作を日本の科学者100人100冊に入れたいものだ。それによって、彼の考え方、社会や市民のための科学という考え方を社会に定着させていきたい。社会の中の科学という考え方も原田さんの考え方に通じるだろう。より具体的に言えば、そしてより原田流に言えば、「命を大切にする科学」ということだろう。2009.09.04

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