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2009年9月

久米三四郎さんのこと 東海村JCO臨界事故から10年

 今日、9月30日で、東海村で起きたJCO臨界事故(1999年)からちょうど10年がたつ。バケツでウラン処理をしていた二人の従業員が亡くなった。この時の作業員もそうだったが、当時、「臨界」という言葉は一般的ではなかった。それが、この事件で一挙に広まった。

 「もはや、臨界に達した」

と怒りをぶちまける光景もちょくちょく当時目にした。その後、というか、この30年間で原子力発電所の原子炉の一部で何回も、臨界事故が起きていたことが発覚している。制御棒がうまく挿入されずに、部分的な炉内が高温になるなど、そして、一時的にではあるが、制御不能になるなど、びっくりするような事件が起きていたのだ。制御棒が一部炉内に脱落するという信じられないような事態もあったという。それを電力会社の多くは、設置差し止め訴訟をかかえていたこともあり、公表というか、国にも報告していなかったことが明るみに出た。

 そのことで、全国のいろいろな原発でこうした臨界事故が起きていた事実を共有できなかった。対策が遅れに遅れ、結果として、事故をその後も引き起こすという事態になったのだ。

 こうした臨界事故などにも警告していた反原発の科学者

 久米三四郎さん

が今夏なくなったことは、惜しい。83歳と高齢だったが、大阪弁がよく似合った放射化学の専門家だった、。大阪大学理学部講師だったころ、移転する前の老朽化した理学部に反原発の論理の教えを請うために、久米さんを訪ねたことがある。時代に抗する科学者という偏屈さはなく、むしろ大阪人らしい人なつっこい人だった。若造の私も理学部出身だったから、生意気なことをいろいろ入ったが、いつも、にこにこしながら、

「それ、無茶やがな」

と黒板に数式を書いて、私の間違いを丁寧にただしてくれたことを思い出す。

 東(東京)の高木仁三郎さん、西(大阪)の久米三四郎さん

互いに、天国でどんな反核論議をしているだろうか。ともに脱原発ではなく、はっきり反原発を打ち出した科学者なのがいい。2009.09.30

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官僚たちの冷夏  

 歩いて10分ほどのところにある浜松市立中央図書館に足を運んだ。最近、週刊誌ばかり読んでいて、頭が雑然としてきたので、気分直しに、日ごろはなかなか見ることのできない、いろいろな季刊雑誌、機関誌をまとめて読んでみたいと思ったからである。

 報道特集 官僚たちの冷夏

という特集をしている雑誌を見つけた。「エネルギーフォーラム」2009年9月号(株 エネルギーフォーラム)である。今夏の気象と重ねていて、うまいタイトルである。センスがいい。もちろん、城山三郎さんの「官僚たちの夏」をもじっており、昭和30年代の通産省を描いた小説である。高度成長を懸命に支えた通産官僚たちの気概を描いて、最近、テレビドラマにもなっている。

 この雑誌の性格は、巻頭記事に、電力中央研究所理事長(各務正博氏)がでかでかとしたカラー写真付きで登場していたり、裏表紙のカラー広告が東京電力であることから、おおよそ見当がつく。ただ、官僚を取り上げているこの特集は、そういうこととは別に、あまり週刊誌では見られない官僚の側からの意見も掲載されており、耳を傾けたい視点、提言もあった。

 時代遅れの産物として解体も  !? 問われる経産官僚の功罪 

                         高杉次郎 政治経済ジャーナリスト

のほか、面白いのは、インタビューで

 通産官僚だった川口順子自民党参院議員 

   官僚だけを叩いても何も変わらない 

   官僚は政治(家)がしっかりしてほしいと言っているだけ

とか、同じく通産官僚だった松井孝治民主党参院議員

   摩擦を恐れないで大きな(幅広い?)視点から政策提言をしてほしい

とか、バランスをとって掲載している。でも、民主党は、官僚は政策について発言する必要なしと、官僚にクギを刺しているというか、明言しているのではなかったか。

 さらに、レポートとして、

 日本型官僚制度は行き詰ったのか ?

 最後には、

 匿名証言 エネルギー業界関係者の証言として

   今も変わらない有能さ、したたかさの伝統

 と書いて、官僚にエール ? を送っている。

 なかなか読み応えのある特集であった。

 このほか、9月21日号「出版ダイジェスト」には、

 偽装のメカニズム

と題して、最近の事例の偽装表示、リコール隠蔽、偽装請負、脱税、粉飾決算などを3ページにわたって取り上げた最近の本を取り上げていた。偽装、偽造、捏造の実態と歴史というわけだ。詳しくは、同ダイジェストを見てほしいが、「偽装通貨」「嘘とだましの心理学」「最近の逆粉飾」などさまざまなウソにまつわる本が紹介されているのを見るにつけ、つくづく

 人間とは、ウソをつく動物のことである

と定義できるのではないかとさえ思った。

 ときどき、フラっと図書館に行くのもいいものだ。2009.09.29 

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「軽率」では済まないJR事故報告漏洩 人の痛みを感じる企業への転換 

 9月29日付静岡新聞の社説は、

 JR事故報告漏洩 「軽率」では済まない

と主張していた。JR西日本が、しでかした尼崎JR脱線事故をめぐり事故調査委員会の最終報告書案を、元委員に接触して、公表前に入手していたのだから、そりゃ、そうだ。中間報告書素案も入手していたというから、一部委員のしたこととはいえ、また、JRトップなど役員、幹部社員に限られていたとはいえ、もはや調査する委員会と調査されるJR西日本が「つるんでいた」と言われても仕方がない。

 共同通信の論説資料なのだろうが、「軽率」では済まないというのは、当然だ。

 問題は、100人以上の乗客・乗員が亡くなった大事件なのに、なぜ、こんなことがJR西日本で起きてしまったのだろうということだ。

 ノンフィクション作家の柳田邦男さんが、講談社のPR雑誌「本」2009年10月号でいみじくも、この疑問にずばり答えている。この場合は、500人以上の乗客・乗員が死亡した御巣鷹山日航ジャンボ機墜落事件(1985年8月12日発生)を取り上げている。

 人の痛みを感じる企業への転換

するにはどうすればいいのか、という問題を、柳田さんの視点

 2.5人称の視点

から具体的に指摘している。まさに、JR西日本の企業体質を突いてる。

 柳田さんは、この中で、

 自分や家族が乗客だったら

という気持ちで、企業の安全文化を考えるべきだと指摘している。1人称の死とは、私の死であり、2人称の死は、家族の死である。3人称の死とは、そのほかの他人の死。3人称の死では、客観性や合理性という冷静さはあっても、どこか冷たく乾いた視点となる。これに対し、1人称、2人称の死では、あまりに当事者でありすぎ、冷静さがなくなる。2.5人称の視点では、その中間、つまり合理性や客観性という専門性をもった姿勢と、患者、家族、遺族の願いに寄り添う姿勢の両方をもって事件に対応するというわけだ。

 JALは次第にこの2.5人称の考え方を受け入れていった。どうしてそうなったかというと、残骸展示をするなど、現物を見る。社員の多くが自主的に現場の御巣鷹山に慰霊登山をする。当事者・関係者の生の声や証言を聞く。これによって、遺族の心情理解と、自分たちの犯した事故の重大さの実感的な理解を深める。

 このことが、遺族側の信頼を醸成する。そこからJALの社内において、誇りと意欲が回復してくる。当然、一時、事故には至らなかったもののトラブル続きだったが、最近はそういうことも少なくなった。安全文化が新党し始めてきた証拠だろうという。これにより、事故を起こさない安全文化とともに、

 人の痛みを感じる企業への転換

が果たせるようになったという。柳田さんは、こうしたJALの取り組みに対して、アドバイザーとして参加してきたが、経営トップが提案を素直に聞き入れ、実行してきた、2.5人称の姿勢を率先して社内外に示してきたことが転換を実現する上で大きな役割を果たしたという。これに対し、

 現場、現物、現人間に学ぶ取り組みが、事故を起こしたJR西日本にはいまだない。あるのは企業防衛と保身。

 トップの姿勢に問題があるようだ。ただ、JALも、極めて厳しい経営環境にあり、せっかく実りかけてきた安全文化が台無しにならないように望みたい。2009.09.29

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あおむけ 人間はなぜ進化したか

 もう10年以上になるが、講談社のPR誌「本」が毎月送られてくる。今月、October2009号に面白い記事を見つけた。

 あおむけの姿勢が人間を進化させた

という、松沢哲郎氏(京都大学霊長類研究所所長・教授)の寄稿である。サルの研究で知られる松沢さんでなかったら、読まなかったかもしれない。

 「あおむけの姿勢こそが、両手を自由にさせた」「人間のあかんぼうは、(中略)生まれてすぐから手で物を操るようになる」「人間のあかんぼうは、あおむけの姿勢で安定している」「そこから、対面コミュニケーションや発話や、道具(を操る出発点)が生まれた」

というのである。これに対し、サルの赤ちゃんは、四肢を動かし、なんとか母親にしがみつこうとして、人間の赤ちゃんのようにはならないのだそうだ。いかにも、天才サルのアイちゃんやその子、アユムちゃんを長年育てながら、その行動や知能を研究してきた松沢さんらしい結論だ。寄稿文を読んで、あるいはそうかもしれないと合点がいった。

 ところで、国内外の研究者たちとともに、松沢さんは、今夏、

 霊長類考古学

なる新しい学問を提唱していた。「ネイチャー」7月16日号に掲載された論文に提唱している。それによると、人間を含めて霊長類の過去と現在の遺物を検証し、その文化と歴史を知る学問だそうだ。この前提には、人間以外の、たとえば、サルにも、あるいは哺乳類のネズミにも、さらには、鳥のダーウィン・フィンチにも、道具を使う、道具をつくるという文化があるという認識がある。これらの動物は、石器を使う、つくる。自然の小枝を使う、加工する能力を持っている。

 文化を持ち、それを次世代に受け渡す

というのは、人間だけだと思いがちだ。しかし、そうではないことが少しずつ明らかなってきた。道具だけでなく、

 動物には、たとえば、ニューカレドニアカラスには、魚をとるために釣り針づくりをするなど、驚異の知力がある

 道具を使い、こしらえる、考え出すのは、せいぜいが霊長類まで

と思われてきたが、鳥類にもあるのだ(「NATIONAL GEOGRAPHIC 日本版」2008年8月号特集)

 とすれば、人間とは何か。人間をほかの動物と区別する特徴とはなにか

 ますますわからなくなった。

 フランスの哲学者、ブレーズ・デカルトは、「パンセ」で

 人間とは考える葦である

と言った。ここには、葦という植物は考えないという前提がある。しかし、なにしろ、最近では、脳がないはずの植物ですら生き残るために「考えている(としか思えない)」ことが、日本人研究者たちによって次第に明らかになりつつあり、哲学者の洞察も怪しくなった。2009.09.27

 追記

 9月27日付静岡新聞の読書欄には、道具どころか、

 「建築する動物たち」(青土社)

という本すら登場している。書評者は、構造物をつくりだしているのは、どうやら遺伝子であるらしい、と紹介している。

 こうなると、現状認識にとどまらず、生物にとって進化とは何かということにまで影響が出てくるだろう。進化とは、環境に適応しながら、ホモサピエンスに向かって種を変化させることという単純な進化論はもはや笑い話であろう。

 ほかの動植物と区別する人間の特徴、ほかにはない根本的に異なる特徴などというものは人間の単なる思い過ごしであり、そもそもそんなものなど存在しないのかも知れない。

 その意味では、松沢さんの人間「あおむけ」説も、的を射ていない。

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1輪車、パーソナル・モビリティ  セグウェーを超えた?

 土曜日朝のNHK経済番組を見ていたら、今週、ホンダが発表した

 1輪車、パーソナル・モビリティの試乗の様子

を紹介していた。1輪車というと、小生も乗ったことがあるが、後ろにひっくり返るようなこともあり、とても乗りにくいという印象だった。しかし、ホンダ独自の2足歩行ロボット技術を生かした姿勢制御を取り入れて、

 安定した乗りやすいハイテク1輪車

という感じ。前後左右自由に、座ったまま、自分の体の重心を行きたい方向に移動するだけで、その方向に移動する。これは便利だ。高齢者にも活用できるという印象だ。

 これで、思い出すのは、立ったまま、行きたい方向に重心を移動するだけで、その方向に動く

 2輪車、セグウェー

である。8年前に登場したが、こちらは、米国製で、アメリカでは郵便配達に使われているらしい。また、日本では、交通量の少ない、公道ではない森の中の移動手段として広くスポーツ感覚で使われている様子が番組で紹介されていた。

である。

 ホンダの場合も、ハイテク1輪車を、これからの社会にどう生かしていくか

というのが課題だ。高齢者だけでなく、開発者には気づかない意外な活用が出てくるような気がする。大化けの予感がする。そのための第一ステップとしての試乗会だったかもしれない。2009.09.26

 追記

 この番組では、都市部で広がる4輪車、カーシェアリグの実情についても、リポートしていた。早起きはやはり、三文の得。

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ネクタイ、金地にストライプ入り 鳩山首相の決意のほど

 国連気候変動サミットに出席の鳩山由紀夫首相の演説、思い切った

 温室効果ガス、2020年までに25%削減(1990年比)

をニュースで、その映像とともに聞いた。そして、その時のネクタイをみて、首相の決意、意欲のほどがわかった。

 金地にストライブ入り

だった。「渋派手」だが、ビシッと決めていた。幸夫人の見立てらしいが、このときばかりは、首相自身が勝負色として、自分で決めたのかも知れないと感じた。

 そんな思いだったが、なんと、9月25日付静岡新聞夕刊「生活」欄の

 新政権、色使いが課題 ピーコさんがファッションチェック

に、最近の首相のネクタイについて「最近の勝負スタイルは、スーツに映える金色を効果的に使ったストライプのネクタイ」であり、明るく、すっきりした印象と好意的に書いていた。

 ただ、幹事長の小沢一郎さんについては「着こなしがもっさり」とバッサリ。小生、ファッションにはとんと暗く、記事を読んで、自分の無知に恥じ入った。このテレビ時代、

 ファッションは大事であり、政治家にとって武器である

  そんなことを遅まきながら、痛感した。2009.09.25

  ところで、この

 25%削減の国際公約は空証文

なのかも知れない。というのは、この公約履行の前提には、

 (中国、米国など)主要排出国が枠組みづくりに積極的に取り組み、実効性のある、たとえば相当高い具体的な排出削減の数値を示すならば

という条件が付いている。鳩山首相は、中国、米国は乗ってこないと踏んでいて、それを見越した上で「国際公約」をぶち上げた可能性が高い。そうとするならば、鳩山首相は意外にしたたかということになる。この分野でリーダーシップを広くアピールするという基本戦略の実をとりつつ、結果的に公約を破ったと言われないで、公約を履行しないですむ方法を編み出したのだから。この見方、うがった、あるいはゆがんでいるだろうか。鳩山首相の真意の一端は、12月の締約国会議あたりで、おおよそ分かるだろう。2009.09.25

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308人+1人の怪  サンデー毎日の表紙

 見事、というほかはない。週刊誌「サンデー毎日」10月4日号の表紙になんと、今回の衆院選で大勝した民主党の当選全議員308人の顔写真が載っている。実際に数えてみたが、確かに308人、いや、中央の鳩山由紀夫氏の顔写真も入れると、

308人+1人 ?

となった。週刊朝日と並んで発売されているが、サンデー毎日の圧勝である。

 この1人は誰だ? おかしいな、と思って、「編集長後記」読んで分かった。こうだ。

 「ところで、今週号の表紙、先の衆院選で当選した民主党の全議員を載せている。そうではない人が一人います。誰でしょう。」

と結んでいた。いたずらっぽい後記だが、たぶん、鳩山由紀夫夫人ではないか、と思ってチェックしてみた。表紙の最上段中央に、確かに、幸夫人がいた。

 この後記の直前の記事は、

 鳩山幸夫人「地球に舞うファーストレディ」 夫唱婦随の日本らしからぬ「規格外」

とあったので、多分、その茶目っけなのだろう。サンデー毎日が選挙に強いことが改めて印象付けた。

 ところで、この308枚の写真を見て、おやおやと驚いた。幸夫人のような最上段中央とは、真反対の

 最下段左隅に、自民党参院議員のベテランだった、沓掛哲男(80歳)民主党衆院議員

の初当選の顔があった。比例の北陸信越ブロックで当選した衆院新人、いわば、小沢ボーイズの1人

である。驚いたのなんの。小沢ガールズと並んで、80歳「新人」の小沢ボーイズの誕生だ。旧建設省技監のなれの果てか。脱官僚政治を標榜している民主党だが、これでは「お里が知れる」。自分をこけにした自民党憎しの沓掛氏の執念には感服するが、利にさとい元官僚と言われたりもする人物をかかえ込んでも、知らん顔の民主党にも恐れ入る。

 このことを知っただけでも、「サンデー毎日」を買った値打ちがあった。確かに、こんなことも読者に、巧妙というか、それとなく知らせてくれるのだから、「サンデー毎日」は選挙に詳しいのもうなづける。沓掛氏の座右の銘は

「艱難汝を玉にす」

だそうだ。2009.09.24

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秋の味覚、秋刀魚 その泳法と習性とは

 早起きは三文の得、というわけでもないが、休みなのに早起きしてみた。朝7時半から、NHKが「水中映像で迫るサンマの素顔」という番組を放送していた。

 サンマの生態はほとんど謎

というわけで、根室・花咲(はなさき)漁港から水中カメラマンがサンマ漁船に乗って、沖合で潜ってみたという話。わかったことが二つ。

 一つは、サンマは、独特の泳法を取り入れている。尾びれだけを動かしてエネルギーをあまり消費せずに游ぐマグロ型泳法と、全身をくねくねさせて素早く、どの方向でも自由に向きを変えることのできるウナギ型とを使い分けていることが分かった。体をひねって瞬時にUターンするかと思うと、尾びれ左右に動かすだけで一直線に移動する。これを自在に、TPOに応じて巧みに使い分けている。なかなかの泳ぎ上手なのだ。

 もう一つは、サンマは光に向かって集まってくるというか、突進してくる習性があると考えられてきたが、必ずしもそうではないということがわかったという。むしろ、光を避けて身を隠すサンマもかなり多い様子が撮影されていた。

 いずれの発見も、東京大学海洋研究所の研究員は、これまで見たことのない映像だとしてびっくりしていた。

 とすれば、日本の伝統的な光漁法は、結果的には、サンマの魚群を取りつくさない、ほんの上前だけをいただく、大変にエコな方法であると言えないか。あまり視聴者の多くない休みの朝の時間帯にはもったいない映像であった。いや、私としては三文得をした気分になった。2009.09.22

 追記

 昨日、9.21月曜日(敬老の日)は、夜、谷村新司などアリスのコンサートが浜松市・アクトシティであり、出かけた。大変な盛り上がりだった。少し元気が出た。記念に特製のTシャツを会場で買った。こうある。黒地に赤々とした天馬の下に

 ALICE Returns Im home

   団塊の世代よ、もっと自由に生きようぜ、というメッセージのような気がした。連帯のシャツであり、元気の出るTシャツだ。

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政変と政権交代 政治評論家、俵孝太郎の「皮肉な予測」

 定年退職で浜松市に転居、転職する前まで勤めていた金沢市のマスコミ会社が毎月、発行している「月刊北國アクタス」を購読している。毎回、「連載 平成を斬る」という勇ましい連載が載っている。もう80歳近い政治評論家、俵孝太郎氏(サンケイ新聞政治部記者、論説委員を経て現職)が、時事の話題を取り上げて、斬り捨てているだけで、これと言った提言はない、いわば評論家の愚痴が縷々語られているのだが、独特の見方もあり、面白い。もう、20年以上続いており、マンネリ化は避けがたく、経歴からも結論はだいたい想像がつく。そんな俵氏が、最新の10月号で

 似て非なり「政変」と「政権交代」 繰り返すか「歴史の皮肉」

という評論を書いている。8月30日の投票日前の衆院選の選挙期間中にまとめていて、同氏がどんな思いで選挙を見ているかが、わかる(掲載写真はどうにか、当選者に花をつける民主党執行部という投票日8月30日夜の光景)。

 政変とは、いまはやりの「政権交代」と似ているが、ちょっと違う

という書き出しである。どう違うかと言うと、

 政治権力の変化、移動を指すのに変わりはないが、政変は驚きを伴ったサマ変わり、あるいはドロドロした抗争のあげくの権力の交代、といった異様さを言外に込めている

と解説している。いかにも俵氏らしい言い方だ。

 それでは、これまでにどんな政変があったのか、については同誌を読んでほしいが、三木政権の誕生という政変についても詳しく書いている。

 それでは、見出しにうたっている「歴史の皮肉」とはなにか。

 俵氏の見立ては、結論的に言えば、こうだ。

 不思議なことに、意表をつく「政変」が生まれ、発足当初は支持率が高かった内閣は、概して短命だったし、たいした実績を残していない

というのだ。有権者による投票の結果であり、ドロドロではないものの、今回の選挙で政権交代を果たした民主党は、内閣支持率は各紙ともに70%を超える支持率を示している。とすれば、俵氏の説によると、

 短命で、たいして実績を残さない可能性が高い

ことになる。これも、来年の参院選までの1年以内に結論が出るであろう。このようにどの政治記者も、また政治評論家も、鳩山新政権に何らかの不安、危惧を抱いている。大政変の政権交代なのだから、ある意味当然かも知れない。が、私には、嵐の前の静けさのようで気になる。気休めでもいいから、誰か、明るい見通しを語ってほしい。2009.09.22

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政変 岩見隆夫「サンデー時評」の危惧

 毎日新聞の編集委員だった岩見隆夫氏には、田中角栄元首相が失脚した時の政変、つまり椎名裁定やその結果誕生した三木政権の秘密について、まとめたドキュメンタリー

『政変』(角川文庫)

がある。今読んでも面白い名著だ。その岩見氏が『サンデー毎日』10月4日号の

岩見隆夫の「サンデー毎日」時評第580回

「国民目線」、こんどは民主党の番だよ

として、鳩山内閣始動に注文している。結論を言えば

「民主党のマニフェストは決していい出来ではなかった。それを金科玉条にしすぎると期待が危惧に転化する恐れがある」

というものだ。理工系指導者で占められている中国政府のように、荒っぽい断行一点張りでは小泉改革の二の舞とも警告している。そうではなくて、国民の多数派が期待するものを、国民目線で謙虚に敏感に探求することから、内閣の仕事を始めなければならないと助言している。

 数十年にわたって政治や国会を取材し続けてきた岩見氏も、また、民主党政権の危うさ、弱点を危惧している。民主党の誰とは名指しこそしていないが、菅直人氏の暴走を気にしての助言だろう。さらに、岩見氏はこの時評の最後で

 小沢さん、目を閉じてばかりいないて゛

と「哀願調で ? 」呼びかけているのが、印象的だ。岩見氏もまた、脱官僚政治=党権力の強大化、を恐れる立花隆氏と同様の危惧があるからだろう。

 政治が面白くなってきたが、暴走の危惧もかつてないほどに高まってきた。脱官僚政治の果てに、スターリン恐怖政治が登場するのでは「国民目線」もへったくれもない。

 これから1年、政治の季節だ。有権者には投票だけでなく、監視の責任があろう。

 敬老の日 2009.09.21

 追記。

 この『サンデー毎日』10月4日号

には、ある高名なM脳科学者の

文明の星時間 第82回 ボーア・アインシュタイン論争

が掲載されている。書き出しは「人間の脳は、孤立していてはその潜在能力を発揮することはできない」。量子力学をめぐるコペンハーゲン解釈について書きなぐったものだが、読んでいやになった。ひどい。いかなるテーマも脳にかかわり、こじつけて解釈可能であるということを巧みにとらえて論を展開している。解釈はいかようにも可能だが、それを証明することは不可能であることを目ざとく突いている。ニセ科学の典型であり、常套手段である。最後に、両天才科学者の写った一枚の残された写真を取り上げて、

 「そこには、人間の思想史における一つの『星時間』があった」

では、意味不明であるばかりか、読者をバカにしていて、いかにもひどいではないか。論争は問題点を深めるにはいいことだと言っているにすぎない。当たり前すぎて、あまりにもばかばかしい。星時間うんぬん、こんな与太話を、歴とした新聞社系週刊誌が長々と掲載するとは信じがたい。テレビ出演などもあるからといって、高名に踊らされてはなるまい。

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久しぶりに鈴木重子コンサート 浜名湖立体花博で

 高音、低音をゆったり、ゆっくり行き来する

「そよ風のハミング」

のようなコンサートだった。がなり立てない、さえずるような鈴木重子さんらしいコンサートだった。どこか、懐かしい歌声だった。ジャズ・ボーカリストらしいラテン系の歌い方もあり、好感した。SBSラジオ公開録音(27日、日曜日夕方放送)であったが、「心の中に花を咲かそう、いつ、いつまでも」というのは花博らしい歌だった。

 わたしは、コンサートがどのように広い花博会場に響いているか、知りたくて、最後のほうはコンサート会場を離れて、会場から離れた「すみれ橋」の上で耳を澄ました。鈴木重子さんの歌は、ウサギ追いしの「ふるさと」であった。それは、

 澄み切った、いや、透き通るような声

だった。ゆっくり、ゆったり。今の世の中で忘れ去られようとしている声だった。

 出かけてよかったというコンサートだった。

 会場で買った鈴木重子CD「サイレント・ストーリーズ」を、この日の夜、聴いた。夜のしじまに聴きたいCDがまた一枚増えた。

 会場には、「アラビアンダイニング」などの野外レストランがあり、そこで

 ミーゴレン(インドネシア風焼きそば)

を食べた。少し辛い。「エベレスト」というお店では

ナンカレーやネパール餃子、チャウチャウ(ネパール風焼きそば)

が並んでいた。

 肝心の展示品では、私は

ネパールの金の尖塔を配した展示

がすばらしかったと思う。日本では、地元びいきかもしれないが、

 遠州七不思議「龍神」と「波小僧」(出展は御前崎市)

が気に入った。龍に乗った小僧、龍の口からは煙が出ていて面白い。

 会場入場料は、シルバー(プラチナと呼んでいた)料金で1300円は安い。

 たまには、このブログ「科学と社会」のテーマを外れた書き込みもしたい。

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小沢幹事長、永久闇将軍的権力を確立 ? 立花隆的見立て

 前日のブログで、鳩山新内閣発足にかかわる立花隆氏の識者評論を取り上げた。9月18日付静岡新聞夕刊である。これは前編で、19日付では、後編

 永久闇将軍的権力の確立/ 角栄超える小沢幹事長

として、同じ立花氏が結論として「一見清新な鳩山政権の誕生も素直には喜べない」と結んでいる。その理由がこの後編で縷々述べている。

 「これから民主党の政治家たちはみな小沢の影響下におかれざるを得ないし、日本の官僚組織のすべても小沢の意向を気にしながらことを決めていくことになるだろう」

と予測している。民主党は、と言うよりは、小沢氏は、官僚たちの内部的自己調整機能を奪うために、明治時代以来の事務次官会議を廃止した。官僚支配の急所を突いた素早い動きである。それほど次官会議廃止が大きな意味を持つとは、知らなかった。

 小沢がすべてを決める。その具体的な理由と根拠を提示したところに、この立花論文のすごさがある。しかも、その見立てによって、民主党政治の将来がどうなるのか、予測して見せたところが不気味だ。伊達に田中角栄研究で名を上げたのではないことをうかがわせる。この見立てが正鵠を射たものかどうか、1年後にはわかるだろう。

 やはり、70歳と老いたりとはいえ、まだまだ立花氏は鋭い。2009.09.20

 追記。

 9月20日、日曜日、NHK国会討論会で

 菅直人副総理・国家戦略担当相、藤井裕久財務相、亀井静香(国民新党党首)、福島瑞穂(社民党党首)などが出席して、今後の内閣が目指すものについて、議論していた。

 決意はわかった。和気あいあいだった。

 一番大変なのは、予算の組み替え、予算編成の藤井裕久財務大臣(77歳)であろう。

 元主計官だが、今回の衆院選では引退を決めていたが、比例区で引っ張り出された。  その姿を拝見して、ふと、

 昭和初めの金融恐慌の時の大蔵大臣で、それを乗り切った

 高橋是清

を思い出した。風貌も、置かれた状況も当時と同じである。高橋翁は、74歳で現役復帰、昭和恐慌真っ只中の昭和2年、請われて田中義一内閣の大蔵大臣に就任した。結果も同じであることを祈りたいが、

 高橋是清の遺著、『随想録』(千倉書房、昭和11年発行)

をじっくり読んでみたい。当時の心境、決意が書かれていて、今に役立つ。私はこの本を、古本屋で100円で入手した。

 さらには、詳細な事実や資料、メモを下に、本人に確認しながら書かれた

 『高橋是清自伝』(中公文庫)

にも、目を通すのが、論説委員として当然であろう。ただ、この自伝は明治の日露戦争ぐらいまでで終わっていて、翁の真骨頂であった昭和時代のことは書かれていないのが残念だ。それでも、昭和に入っての獅子奮迅の活躍がいかにして育まれたのか、という背景を知るには貴重な一書であろう。9月20日。

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政治と工学のドッキング 政治評論家、今井久夫氏の見立て

 なかなかうまい見立てだと感心した。9月18日付静岡新聞朝刊

 政治と工学のドッキング 理工系の思考と手法で組閣

という「論壇」を拝見した。

 先ごろ、鳩山新政権は

 理工系内閣

と評したが、正しくは、確かに「工学系内閣」であろう。だから、近視眼的で危ないというのが、小生の見立てだが、今井氏は、

 「組閣ぶりを見ると、やっぱり理工系の思考と手法が出ている」

と好意的だ。「従来の首相のように人間関係や長幼序列はあまり気にしない」と評価している。さらには「鳩山内閣は久しぶりに安定かつ強力政権の誕生のように見える」と持ち上げてもいる。その一方で、

 「政治家プラス学者の頭でっかちの奇手奇策だけで乗り切れるかどうか心配でならない」

 とも、漏らしている。下手人などと下品な言葉こそ使わず、表現はやわらかいものの、今井氏も、小生と似たような心境なのだろう。 

 工学系内閣によって、理工系人間が政治に関心を持ってくれれば、日本の政治も少しは風通しがよくなる

ことを祈るばかりだ。

  そんなことを思っていたら、「Newsweek」日本版9月16日号の巻頭の「PERISCOPE(潜望鏡)」で

 中国 指導部シフトは理工系から文系へ

という記事が出ていた。「中国指導部は、技術集団といっていい。胡錦濤国家主席や温家宝首相をはじめとする中国共産党政治局常務委員の9人のうち8人が、理工系出身だ。それは、人間を犠牲にしてまで問題を「建設」によって解決しようとする姿勢からもわかる」と書き出している。エネルギー確保の三峡ダム建設しかり、干ばつ対策の南水北調プロジェクトしかり、と手厳しい。しかし、今やそれが変わるかもしれないという記事だ。中国でも理工系出身の政治家の乱暴さが問題らなっているらしい。日本の1、2年先を予言しているようだ。

 そんな折、 今井氏とは、対照的な評価が、9月18日付静岡新聞夕刊に出ている。評論家の立花隆氏の

 「脱官僚依存」の危機 党組織の権力強大化

である。「真夜中に始まった新閣僚の記者会見を見て、途中からウンザリするとともに、こりゃダメだと思った」と厳しい。返す刀で

「こいつらアホか」

 と思ったという。大臣になったらすぐに事務方と打ち合わせをして、もっと中身のあることをしゃべるべきだったというのだ。民主党は何か根本的に勘違いしていると手厳しい。「議員の党官僚への過度の依存は党官僚組織を強大化し、かつてのスターリンのような党書記長職の権力を一方的に高めてしまう。これはキケンだ」と最後に言い切っている。

 立花氏にかかれば、鳩山氏、菅氏も形無しであり、

 立花、69歳の意気軒高

という印象だ。小沢一郎幹事長をスターリン党書記長に比定してみせているところが、ミソだろう。

 田中角栄研究で名を上げた立花氏が、田中的なものを色濃く引き継いでいる小沢氏を評しているだけに、ある意味、真をうがっている。今井氏よりはるかに読みが深い。2009.09.18 

  追記 2009.10.01

  ドイツ総選挙で、メルケル首相が勝利、保守中道連立へ

という記事が出ていた。続投を決めたメルケル首相だが、ドイツ初の女性首相だ。

 彼女も、実は、物理学の博士号を持つ政治家である。夫も化学者だ。学究生活をしていたが、ベルリンの壁が崩壊し、政治に目覚め、政界入りしたという。

 政治の世界で、科学者が活躍することは、ある意味、画期的なことだ。しかし、それが世の中をよくするかどうかは、また別の問題だ。正否は、歴史が下すだろう。

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鳩山論文、結局、教訓は何か 発信する要約は英語の論理構成で

 きのう、鳩山新政権が発足した。

 そこで、いろいろ新聞を読んでみた。9月17日付朝日新聞が面白い記事を載せている。英語コミュニケーション論が専門の鳥飼玖美子(とりがい くみこ)立教大教授の論考だ。

 鳩山論文の教訓 / 発信は英語の論理構成で

である。要するに、誤解が生じたのは

「英語の論理構成では最初に最も重要な主張を提示し、次にそれを検証したり補強したりして論を展開していくのが定石である」

のに、掲載された英文要約は、日本語全文そのままの論理構成で翻訳した英文全文をそのまま要約しており、この定石に則っていないからだとしている。だから、アメリカ人に誤解を与えた。いきなり結論が出てきて、前段の前提が抜きであったからだというのだ。だから、

「世界に語りかける時は、英語的な構成の方が(誤解を招かないという点で)得策だ」

と指摘している。なるほどと感心した。しかし、そうした論理構成に組み直して要約英文として掲載するにあたっては、要約したものを一度、著者(この場合、鳩山氏)に了解を取るべきだったろう。今回、要約英文づくりにあたっては、そうした組み替えはしていない。このことが、誤解の基であった。

 世界に向かって発信する重要論文であるにもかかわらず、いくら英訳そのままの要約であるからと言って、無条件に「OK」してしまった鳩山由紀夫事務所も、今から考えると、うかつであったと言えよう。

 ところで、鳥飼教授が指摘した英語の論理構成については、

 社説についても言えることだと自戒した。重要な結論は真っ先に書け。そしてまた、これは研究論文の要約(サマリー)についても言える。ニューヨークタイムズ紙の寄稿要約は、この研究論文方式だったのだろう。鳩山事務所を笑うことは私にはできない。

 今回の教訓は、国を超えて、誤解のない意思疎通を図るには、文化の違いにも気を配れということだった。2009.09.17

追記

鳩山政権の首相や閣僚の経歴をみると、理工系出身者が3人もいる、少しオーバーに言えば、いわば

 理工系内閣

である。このことが、戦略的な政策を打ち出すとしているが、専門分野にこだわり、逆に近視眼的な判断が頻発するという災いとならないか、私は懸念している。この点をわきまえて、謙虚にほかの人の意見をよく聞く姿勢が理工系大臣には求められるのではないか。とりわけ、菅国家戦略担当相は、一番、このことを肝に銘ずる必要があるように思う。専門性があるだけに、理工系の、それも団塊世代の自信過剰が一番怖い。かつて橋本内閣で厚生大臣を務めて、エイズ問題などで患者救済に道を開くなど実績を残したという自負もあり、ますます自信過剰になりがちだ。その意味で鳩山政権のアキレス腱は菅直人氏ではないか。私自身が理工系出身で団塊世代であるだけに、この予想を1年後に検証してみたい。

 鳩山由紀夫 総理大臣     東大工学部 スタンフォード大大学院博士課程

 菅直人 国家戦略担当大臣  東工大工学部 弁理士

 川畑達夫 文部科学大臣    京大工学部大学院 化学工学

  平野博文 官房長官       中央大学理工学部 松下電器

 で、平野氏は団塊世代のど真ん中。鳩山、菅氏はぎりぎり団塊世代。2009.09.17 

 菅氏が、国民を塗炭の苦しみに突き落とした「下手人」として、その名を歴史にとどめないよう祈るばかりである。弁理士は弁理士に徹するべし、というのは言い過ぎであろうか。

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いつも気になる茶畑  リーマンショックを遠く離れて

 きょう(9月15日)は、リーマンショックから1年がたつ。一年前の9月15日月曜日は、幸運なことに「敬老の日」で休日だった。東京市場が開くまでに1日、24時間の余裕があったことが、金融庁、日銀にとって、リーマン・ブラザーズ日本法人への対応など、ショックを最小限に食い止めるのに役立った。そんな事情を、9月14日付静岡新聞が紹介している。

 9.15リーマン破綻の舞台裏 「残り24時間、大変だ」/日銀、金融庁 薄氷の危機対応/(日本法人の)資産保全命令、素早く

 こうした舞台裏の詳細はこれまで知らなかったが、記事を読んで、改めて、当時の金融当局の衝撃の大きさが具体的に分かった。米法人が日本法人の資産(3兆円以上)の資産処分に動く可能性があったのを、保全命令でなんとか未然に阻止したというのだ。10年前の山一証券破綻の教訓が生かされたという。久々に面白い記事であった。

  2008.09.15のリーマンショック 金融庁、日銀のいちばん長い日

だった。日本法人は、民事再生法の適用を裁判所に申請する方針を市場が開く前に日銀に伝え、同時にそれを受けて即日、米法人の破綻を確認した金融庁は日本法人の保全命令を出したというのである。日銀はその業務停止命令、資産保全命令に沿って、市場の混乱を最小限に抑えるために行うべき作業の準備を、市場が開く前に始めたという。

 追記。

 そんな記事を読んで、それとは遠く離れて、静岡市を流れる安倍川のかなり上流、葵区入島(にゅうしま)に

 いつも気になる茶畑

を視察に出掛けた。いかにも茶どころ静岡らしい景観である。機械で刈り取った整然とした幾何学模様の茶畑(ヤブキタ)と並んで、その横に昔ながらの在来種の袋摘みの、そして整然さはないものの味のある茶畑である。都市景観にはない文化的な景観であった。、昔はこうした風景はどこにでも見られたであろうが、だからこそ、今、消滅する前に手を打ち残したい景観であると感じた。

 これが私の定年後初めての、いかにものんびりとした誕生日(満61歳)の1日であった。案内役は鈴木英次さん(静岡市森林組合代表理事で組合長)だった。2009.09.15

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鳩山論文、「ニューズウィーク」日本版は「騒ぎ過ぎだろう」

 久しぶりに、「ニューズウイーク日本版」9.16号を買って読んだ。鳩山論文について

 鳩山政権「反米か」

と大きく取り上げていたからだ。「ハトヤマは反米主義」の疑心暗鬼について、同誌記者(横田孝)が書いているのだが、結論は

「騒ぎすぎだろう」

というものであり、私も、先日書いたが、そのとおりだと思う。鳩山由紀夫民主党代表は、反米どころか、また、親米どころか、完全な

アメリカ大好き人間

である。その根拠は、先日書いたかなり長い日本語全文を読めば明々白々であるが、ここでは別の観点から、指摘することもできる。

 一つは、鳩山氏は1970年代の若き日、「オペレーションズ・リサーチ(OR)」の少壮学者として、米スタンフォード大大学院博士課程に在籍しているからだ。この分野では米国は日本をはるかに抜きん出た人材を当時次々と輩出していたから、

あこがれのアメリカ

であったはずだ。高度な数学を駆使し、限られた資源をどうシステムに配分すれば、最適な戦略、あるいは戦術になるか、それを確率論的に導く学問だ。簡単に言えば

 適材適所の学問

といえるだろう。文系学問とは違って、理系の研究は言い訳やごまかしが効かないことから、我彼のあまりの違いに、こうした若き日の鳩山氏は、米国のすごさを肌身で、どころか骨の髄まで感じ、強烈な印象を抱いたはずである。アメリカの偉大さに心酔していたといっても過言ではないだろう。こうした経験は生涯忘れることはない。こうしたことから鳩山氏が反米であるはずがない。

 二つ目は、留学時代から、アメリカの国技でもあるアメフトに親しんでいるからだ。それも指令塔役のクォーターバック(QB)であり、留学から数十年たった現在も趣味としてアメフトを楽しんでいるらしい。もっとも、正式種目としてのアメフトではなく、防具も着けず、タッチダウンもない。つまり、健康スポーツとしての「タッチフットボール」らしい。いわば、野球流に言えば「草アメフト」と言ったところか。それでも、国技のアメフトの草野球版なのだ。それを留学後もずっと楽しんできた鳩山氏が反米であるはずがない。趣味は「タッチフットボール」としている鳩山氏の場合、むしろ心配すべきは

 アメリカ大好き人間

の危うさである。このことが、日本の国益を損なうことがないか、日本国民は注視していくべきであろう。その意味で、日本人こそ

 「ハトヤマはアメリカ大好き人間」の疑心暗鬼

になるべきではないか。こうした二つの事実についての指摘は同誌にはないが、同誌を読んで強くそう思った。

 リーマン・ショックからちょうど1年、明日から満61歳の2009.09.13

  リーマン・ブラザーズは全米第4位の証券会社だったが、経営破たん。続いて、シティ、バンカメ、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴの4大銀行が破たん。ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、メリルリンチの3大証券会社も破たん、公的資金投入による政府救済となった。

 NHK番組「金融危機から1年/マネー復活」

を放送していた。わずか1年で、

 当時、二度と危機を招かないための政策として指摘されていた金融機関に対する金融規制の強化は、アメリカの金融センターとしての競争力を低下させるとして金融界では反対

が勢力を持ち始めているという。議会へのロビー活動が活発化しているのだ。そして、救済を受けた銀行や投資銀行、証券会社は、リスクに果敢に挑戦し、利益を上げている幹部社員には常識はずれの高額ボーナスを、またぞろ払っているという。

 野放図を改め、消費者を保護するために、責任の負える範囲で投資するよう金融機関の資本に対する規制をいくら強化しても、短期的な利益に走りがちな、こうした報酬制度の規制に踏み込まなければ、再び、金融界はこぞってさらにリスクの高い商品を開発し、リスクがあることを忘れて暴走するだろう。なぜなら、3カ月ごとに報酬改訂があり、よりリスクの高い商品取引で成功すれば、べらぼうなボーナスを受け取ることができる。しかし、たとえ取引に失敗しても、せいぜい解雇になるだけであり、全財産没収というわけではない。となれば、誰だって、一発勝負の一攫千金を狙う。なにしろ失敗しても失うものはほとんどないのだから。これでは私利私欲を慎めといっても無理な話である。その結果、こうした金融界の代表的な機関が国の救済なしには破滅から立ち直れないというのは、どう考えても異常である。感覚が麻痺しているとしか言いようがない。

 こんなことでは、1年前よりもさらに規模の大きい危機、言いたくはないが、恐慌と言ってもいい状態が出現するだろう。これは、予言でも、予想でもない。確実に現実になるだろうと言わざるを得ない事態である。

 そんな感想を持った番組であった。

 金融危機から1年、9月15日になっても、依然としてウォール街には懲りない面々が今も徘徊している。

 アメリカ政府の監督責任は重大である。2009.09.13

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ビートルズ、ビートルズ 深夜ひとりで飲む酒は

 アリスもいいが、やっぱりビートルズがいい。NHKの深夜放送(9.11金曜日深夜)

 「完全版 ビートルズ特集」

はよかった。ジョン、ポール、ジョージ、リンゴの4人と、彼らを見出したプロデューサー、ジョージ・マーティンが淡々と語るドキュメンタリー、それもビートルズの曲付きの番組だから、たまらない。私は、ビートルズが活躍した1962年のデビューから解散の1969年までは、中学生から高校生、そして大学生であった。つまり、団塊世代である。あの日にもう一度帰りたい、とは思わない。しかし、ビートルズの曲は終生聴いていたい、そんな気持ちになった番組だった。こんな風にして、ビートルズが誕生し、こんな風に成長していったのだ、ということがわかった。これ、NHK製作かと思ったら、BBC放送から買ったものらしい。それにしても、すばやい放送だった。

 たまには、こういってもいいだろう。

 NHKよ、ありがとう。これなら、受信料は安い。

 それにしても、BBCも大胆な番組をつくるねえ。これもBBC改革の成果かもしれない。

 ビバ、ビートルズ、ビートルズ。2009.09.12

 追伸。

 9.12の土曜日、新作映画

 「火天の城」(主演 西田敏之=熱田神宮宮大工、岡部叉右衛門)

を見る。直木賞、作家、山本兼一氏の「火天の城」が原作。力作であり、見ごたえのある映画であった。夜、原作の「火天の城」を再読した。山本氏のファンになった。

  城づくりは、人づくりであり、国づくりである。現代にも通じるそんなことを考えさせられた。戦国版「巨大プロジェクトⅩ」であり、多くの犠牲者がでることが予想されるその完遂には、前人未到の大事業の完遂には、技術力もさることなが、現場で働く人々の心が目的に向って一つになっていることが大事であることも伝わってきた。心が一つになるには、プロジェクトの目的が明確であり、その目的が日本の将来を支えるという大義名分があるかどうかであろう。そういう構成に原作を少し単純化して、映画は2時間半のドラマに仕上げていた。成功した作品だと思う。

 同時に、かつての技術者集団は、大地震にも耐えて、100年、1000年先までを見越して建築物を建てようとしていたことも、この映画から伝わってきた。ひるがえって現代の建築家はそんなことを考えて、仕事をしているだろうか、と反省させられる機会でもあった。せいぜいが30年、よくて100年持てばいいと高をくくっていないか。

この映画を見て、あるいは原作を読み返して、ふと思った。

 金沢市の中心部にそびえ、金沢一の高さを誇こる北國新聞会館とそれを建てた社長

のことである。地方紙版「火天の城」だと思った。現代にはなじまない奇抜さ、人々を睥睨するつくりと配置など、なぜか、そっくりだ。建物のつくりだけでなくトップの性格も、建てた経緯も、なぜかそっくりだ。とすると、その運命もか。

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鳩山論文、りっぱな政治哲学だ びっくりの「宇宙人語録」

 どうやら英文要約と日本語全文を読み比べてみると、大違いということが分かった(日本語全文の忠実な全文英文翻訳は、鳩山由紀夫ホームページにある。英文要約は、これを基にかなり後ろの部分をコンパクトにまとめた)。そんな思いでいたら、同じ感想が、9月10日付静岡新聞「時評」に載っていた。慶応大学名誉教授の矢作恒雄(やはぎ つねを)さんが

 鳩山次期総理の論文 反米か親米か 次元超える

として、オリジナルの日本語全文について「リーダーとしての理念、明確なビジョンそして戦略をこれだけ論理的に示した我が国の首相が今までにいただろうか」と激賞している。同氏は、胸を張って世界のリーダーたちに鳩山論文全文の一読を勧め、あらゆる機会をとらえて大いに議論すべきであるとまで言い切っている。

 これほどベタほめしていいか、とまどうが、確かに一読の価値はある。論理的で格調も高い。内容もある。

 祖父・一郎に学んだ「友愛」という戦いの旗印

と題された原文は、公示日前に発行された月刊誌『Voice』(9月号、PHP研究所)に「特別寄稿」として掲載された。

 出だしは、こうだ。

 現代の日本人に好まれている言葉の一つが「愛」だが、これは普通(love)のことだ。そのため、私が「友愛」を語るのを聞いてなんとなく柔弱な印象を受ける人が多いようだ。しかし、私の言う「友愛」はこれとは異なる概念である。それはフランス革命のスローガン「自由・平等・博愛」の「博愛=フラタナティ(fraternite)」のことを指す。祖父、鳩山一郎がクーデンホフ・カレルギーの著書を翻訳して出版したとき、このフラタナティを博愛ではなく、友愛と訳した。それは柔弱どころか、革命の旗印ともなった戦闘的概念である。

 そして、論文は「クーデンホフ・カレルギーは」と続くのである。実に論理的である。

 ずっと読んでいくと、「地域主権国家の確立」「衰弱した「公」の領域を復興」などについて、その政治哲学を披瀝している。地域主権国家の確立は、「友愛の現代的政策表現であり、これからの時代の政治目標にふさわしい」としている。その上で、米主導の「経済グローバリゼーション」を否定しているとして、アメリカで物議を醸し出した

 「アジア共通通貨」創設構想

が提唱されている。「地域主権国家の確立」の一つの帰結として

 ナショナリズムを抑える東アジア共同体

を提唱している。そして、これを前提に、アジア共通通貨創設が提唱されており、その「実現には10年以上の歳月を要する」としている。長文の特別寄稿のほぼ最後に当たるところで、今回のような世界金融危機後の対応もこうした構想の下に対応していくべきだとしている。

 この日本語原文を英文要約したものが、衆院選投票日直前の8月27日付米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)「投書欄」に掲載された。英文要約は鳩山氏本人によるものではないのだ。厳密には鳩山氏の寄稿ではない。英文要約のタイトルは

 A New Path for Japan  

 である。原文とは随分異なるタイトルである。これだけ見ても、日本語全文と英文要約は全然異なると言えそうだ。翻訳と、そのまた要約で、原文の真意がほとんど伝わらないという「英文化された要約」の怖さだ。

 ところで、そんな鳩山論文だが、

 9月11日付毎日新聞広告によると、表紙に鳩山氏の全身写真が載っている

 『新総理 鳩山由紀夫の宇宙人語録』(双葉社、鳩山由紀夫研究会著)

は、広告にこうある。

 「私もアルカイダの友人の友人の兄貴です」

 「宇宙人になりたいと思っているんです。地球人を超えたい」

 「親の七光どころか私は二十一光」

 「日本列島は日本人だけの所有物ではない」

 「UFOという物の存在も、頭の中では理解しています」

というような「75のことば」が掲載されているらしい。

 こちらのほうは、格調も高くないし、論理的でもない。本当の鳩山由紀夫はどっちだ。

 わからん。恐るべし、鳩山由紀夫新総理。2009.09.11

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NASA「火星有人飛行は究極の到達点」 足がかりの月探査、資金不足

 アメリカの宇宙政策について、9月9日付静岡新聞夕刊に面白い記事が出ている。

 月探査、現行予算では「実現困難」

として、NASAの専門検討委員会が「2020年までに月再訪する計画を見直すとともに、国際宇宙ステーションを2015年以降も継続利用するよう米政府に求めた報告書を公表した」というのだ。

 いかにも、火星好きのアメリカらしいのは、

 火星を「太陽系の中で最も興味深い到達点」として位置づけ、目標時期を示さずに目指す計画を打ち出したのが、報告書の特徴

ということだ。火星への通過点として月がある。その月有人探査に予算が足りないというわけだ。

 ただ、日本の月探査計画は、無人

というところが悲しい。無人、せいぜいロボットが月面を目指す。これでは意気は上がらない。

 日本も、火星人説を100年も前にとなえた米国人のP.ローエルの夢に挑戦してほしいものだ。2009.09.10 

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8.11駿河湾地震からまもなく1カ月  「地震と原発」を読む

 静岡に転居、転職して初めての大地震が

 8.11駿河湾地震

であった。まもなく1カ月になる。そこで、新潟日報社特別取材班が2008年度の新聞協会賞を獲った

『原発と地震 柏崎刈羽「震度7」の警告』(講談社)

を読み返した。この年の3月には能登半島地震も起きている。耐震安全性に絞った問題提起である。

この本には衝撃的な写真はあまり載っていない。そこで思い出したのが、中越沖地震の起きた2007年7月16日から1カ月後に発行された

「週刊現代」2007年9月1日号

戦慄のフォトルポルタージュ 柏崎原発 恐怖の全貌

である。未公開写真も含めた「柏崎原発」被害の全貌ルポという前文に続いて、カラーが続く。いずれも貴重なカラー写真であったので、保存していた。この二つを比較しながら読むと、大変に深刻な事態であることが分かった。2009.09.08

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ALICE イン 名古屋  会社人間から帰宅人間へ

 日曜日(9月6日)とあって、アリスの全国ツアー公演(名古屋国際会議場)に出掛けた。今流行の言葉で言えば「アラカン(60歳前後)」が会場を埋め尽くした。その様子のおおよそは、場所は違うが、9月7日付静岡新聞夕刊に

 復活アリス静岡公演 ほとばしる70年代の「伝説」

に書かれているとおりである。久しぶりに三人そろっての

 黒い瞳の少女、知らない街で

をしっとり聴いた。

 going home

のレコーディングにも「参加」した。そして第二部。

 冬の稲妻、狂った果実、エスピオナージ、今はもう誰もいない

に浸った。あの日はもう返らない、と思うと懐かしさがひときわだった。

 浜松への帰りの車内で、金山駅のプラットホームのコンビニで何気なく買った

「帰宅の時代」(林望、新潮文庫)

という薄い文庫本を読んだ。林氏は書誌学者である。軽い内容の本なので車内でパラパラと拾い読みしながら、読んでしまった。要するに、もうそろそろ

会社人間をやめて、自分を磨く帰宅人間になろう

というものである。ましてや定年を迎えそうな人は、あるいは定年を迎えた人は、という内容である。団塊の世代の林氏らしい古風な主張だが、同じ世代の人間として、読み終えるころには、なんだか、共感してしまった。

 アリスの公演に出掛けて、よかった。団塊の男たちよ、もう競争をやめて家に帰ろう。そして、残る人生、もっと浪漫的に、もっと自由に生きようではないか。いたずらに老後を思い煩うな。2009.09.07

追記。

 「帰宅の時代」と似たような内容の本に、建築家、宮脇檀(みやわき・まゆみ)氏の

「父たちよ家へ帰れ」(新潮文庫)

がある。いずれも著者が60歳近くなってから上梓している。もうひとつの共通点は

 ともに、家庭で料理することを楽しんでいる

ことである。家に帰る楽しみには料理がある。2009.09.07

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民主党とUFO  「乗って金星に行った」と鳩山由紀夫夫人

 まもなく首相になるという鳩山由紀夫氏の夫人、幸氏が、奇抜な発言で各国の話題になっている。9月6日付毎日新聞朝刊社会面である。

 「UFOに乗り金星に行った」

というのだ。この発言は、記事によると、2008年に出版された対談集

「私が出あった世にも不思議な出来事」(学習研究社)

に収録されているらしい。発言内容を、より正確に言えば、「眠っている間に、魂が三角形のUFOに乗って金星に行って来たと思っています」と体験を同書に紹介したらしい。これに対し、各国のマスメディアは「個性的でいい」と好評、あるいは肯定的な反応らしい。日本人女性は、どうも個性的ではない、というこれまでの印象を覆すようなユニーク発言が好感されているらしい。

 三島由紀夫の小説に、太陽系のいろいろな惑星から地球にやってきた宇宙人家族を描いた「美しい星」というのがある。1960年代初頭の米ソ対立から起きた全面核戦争の恐怖、いわゆるキューバ危機を背景にしている。

 夫人の発言は新「美しい星」かもしれない。そんなこと考えながら、幸夫人の発言を反すうした。夫人は、「宇宙人」とあだ名される鳩山由紀夫氏以上に、宇宙人的な発想の持ち主かも知れない。2009.09.07

 追記2009.09.08

   そんなことを思っていたら、そう言えば、「民主党とUFO」との関連について、思い出した。2005年3月20日、参院総務委員会での質疑である。民主党の山根隆治参議院議員が、突然、おおむね、こう言って、答弁を終えた麻生太郎総務大臣(当時)の話を引き取って質問している。

 山根「雲をつかむような話のついでといっては、なんですけれども、UFOの問題について少し聞いてみたいと思います。総務大臣、UFOを見たことがありますか」

と切り出した。麻生総務相は何を思ったか

 麻生「私の母はUFOを見たと興奮していたことがあります。しかし、私は見たことはない」

 すると、山根氏は、宇宙には膨大な数の星があり、その中には人類以上に高度な文明を持った生命がないというほうが不自然として、麻生大臣に同意を求めるように語りかけた。すると、大臣

 麻生「私もそう思っている」

と応じた。そこで、山根氏は、本題に入り

山根「国土の防衛上の観点からもまず(UFOにかかわる)情報収集が必要ではないか」

と質問したのである。

 これが日本初の国会UFO質疑である。

驚いたことに、これに対し、麻生総務大臣は、縷々述べた後

「ある日突然に(UFOが)来る可能性というのは常に考えておくべき問題」

と語ったのである。これに対し、即座に

山根「思い切ったことを言っていただいた」

と念押しした。ただ、飛来の可能性について、防衛庁が、そのとき防衛上、どう対応するのかという点については、敢えて防衛庁に正すことはこの時点ではしなかった。山根氏自身も予想しなかった意外な展開だったからだろう。

 この点について、2年半後の2007年12月に政府は

「地球外から飛来してきたとされる未確認飛行物体(UFO)については、その存在を確認していない」

とする政府答弁書を閣議決定している。

 これにより、日本政府は初めて正式にUFOの存在を否定したのことになる。意外にも、町村官房長官(当時)が、この閣議決定と関連して

「個人的には、UFOはいると思う」

と私見を述べていて、話題になった。自民党にも根強いUFOファンがいるらしい。

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みごとな皆既日食コロナ 「星ナビ」10月号にびっくり

  民主党圧勝後初めての日曜日、ひさしぶりにゆっくりして、サンデープロジェクトのテレビ番組を拝見した。意気の上がる民主党、意気消沈で再生に向けておもむろに重い口を開く自民党という雰囲気だった。これまでの民主党衆院議員数よりやや多い119議席の自民党なのだから、国民はまだまだ自民党に捲土重来のチャンスを与えている。健全な二大政党に向けて成熟するには、自民党の再生は必要だし、責任力は重い。そんな印象であった。民主党よ、おごるなかれ、浮かれるなかれ。

  それはともかく、ゆっくりしようと、買ってきたのが皆既日食特集の天文月刊誌。この手の雑誌としては、「天文ガイド」が老舗であるように思うが、「月刊星ナビ」10月号の表紙の写真がすごい。「天文ガイド」9月号の表紙のコロナ写真もすごいが、「星ナビ」表紙は特に、みごとなコロナ写真である。技ありである。7.22皆既日食のコロナという同誌「今月の表紙」によると、

 天候リスク分散のため、チームを多方面に遠征させて、(そのうち)2地点(鹿児島県喜界島と中国杭州)で薄雲越しながら日食撮影に成功。異なる光学系の素材画像を処理し、コロナの流線構造を抽出することができた」

というのだ。この写真を「天文ガイド」9月号の表紙コロナと比較してみると、なるほど、磁場構造の細部がよく出ている。きれいな流線構造ばかりではなく、一部、磁場がむだかっている様子もわかる。コロナが赤道を中心に横に広がっており、太陽活動が盛んなときのように、まん丸に一様に広がっていない。扁平に磁場が流れている。これは、太陽活動の今回のように「100年に1度」と言われるくらい弱まっていることから、予想されていたが、それを見事にとらえている。技ありだ。

 総合力では「天文ガイド」に軍配が上がりそうだが、「星ナビ」の作戦勝ちであるとともに、技術力の高さを示している。同誌の「Gallery」に7.22皆既日食の投稿写真も載っていて、楽しい。2009.09.06

  

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原田正純の今 「水俣学研究序説」を日本の科学者100人100冊に

 9月3日付朝日新聞夕刊の「人生の贈りもの」という面白い欄に

 社会とかかわりながら、科学を追究 原田正純・熊本学園大社会福祉学部教授・医師

というインタビュー記事が出ている。水俣病研究や裁判で半世紀を生きてきた学者であり、社会運動科学者である。74歳になってもまだ、アマゾン奥地に赴き、住民の毛髪を採取して水銀濃度を調べている様子の写真が添えられている(いまやアマゾンの奥地にまで有機水銀公害が広がっているのだ!)。

 えらいを通り越して、すごい。

 原田さんには、水俣病研究の集大成とも言うべき

「水俣学研究序説」「水俣学講義」(いずれも藤原書店。2004年、2007年)

がある。こういう科学書こそ、今、読むべきであり、また後世に伝えたい。

 月刊誌に「考える人」(発行・新潮社)というのがある。2009年夏号の特集は

 日本の科学者100人100冊

である。表紙は、朝永振一郎の顔を大写しした写真だ。中をみると、確かに一流の科学者が顔をそろえている。そんな中、

 科学と社会

について、原田さんのように、科学者自身が実践してきた人はほとんど登場していないのは、寂しい限りである。これには、そもそもそういう人は日本には少ないという理由もあるだろうが、かろうじて

 物理学者で科学評論家、また、脱原発の運動に核化学者として積極的にかかわった

 高木仁三郎 「市民の科学」は「われわれ」のものなのか

が登場しているだけである(登場する湯川秀樹は晩年、1960~1970年代を通じて核廃絶運動に直接、かつ積極的にかかわったが)。

 この特集には、原田正純氏は登場しないが、登場する資格は十分ある。上記の彼の最近著作を日本の科学者100人100冊に入れたいものだ。それによって、彼の考え方、社会や市民のための科学という考え方を社会に定着させていきたい。社会の中の科学という考え方も原田さんの考え方に通じるだろう。より具体的に言えば、そしてより原田流に言えば、「命を大切にする科学」ということだろう。2009.09.04

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古橋廣之進と湯川秀樹の共通点 泳心一路と真実一路

 土曜日の地味な番組「NHKアーカイブス」を見ていたら、最近亡くなった古橋廣之進(浜松市出身)氏を取り上げた

 フジヤマのトビウオ

を紹介していた。現在、小生、同氏が若き日、水泳練習に励んだ浜名湖の近くに住んでいるせいか、興味をもって拝見した。拝見して、思ったのは、同氏と、中間子論で日本人初のノーベル賞(物理学)を受賞した湯川秀樹博士との共通点である。ともに、GHQ占領下の敗戦直後に、分野こそ違え、打ちひしがれた日本人に希望とこれから生きていく上での勇気を与えて、一躍、脚光を浴びた人物である。

 かたや古橋氏は、昭和24年8月、ロサンゼルスの全米水泳選手権大会で優勝

 かたや湯川氏は、昭和24年12月、日本人初のノーベル賞(物理学)受賞

という快挙を成し遂げた。かたや日本スポーツ界に、かたや日本学術界に大きな希望をもたらした。古橋氏の場合、1500m自由形で、

 18分29秒9のぶっちぎりの世界新記録、決勝では、なみいる米国選手を圧倒的な差をつけてこの記録でゴールしたというのだから、米国に戦争で負けた日本人にはたまらない熱狂であったであろう(実況はラジオ放送。生の「ライブ」ではなかったかもしれない)。

 このとき、ライバルだったのが、橋爪四郎選手で、これまたぶっちぎりの世界新記録

 18分32秒

の2位だった。このライバルの存在こそ、恵まれた体格と体力、そして「魚になるまで泳ぐ」という並外れた努力にもまして古橋氏を世界記録に駆り立てた原動力だったのではないかということをこの番組で知った。同じ年齢(しかも同じ9月生まれで、四日だけ古橋氏が年上)の橋爪氏を見出したのは、古橋氏自身であった。

 このライバルの存在については、湯川氏にも当てはまる。終生のライバルである、同級生の朝永振一郎氏(後に湯川氏と同様、ノーベル物理学賞受賞)である。

 古橋氏の座右の言葉は

「泳心一路」

だが、湯川氏は、さしずめ

「真実一路」

ということか。広く国民に親しまれたという点では、古橋氏がより大きな存在であったろう。国民に偉大な記録も残してくれたが、国民の心に記憶も残してくれたその功績は大きい。静岡県民にとってはなおさらだろう。2009.09.04

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「タイノエ」って、何だ ? ヘンな生き物100連発にびっくり

 テレビ静岡の番組「ヘンな生き物100連発」を偶然見た。そして、驚いた。ニャーと鳴くカエル、出っ歯のハゲネズミ、脳みそスケスケの魚、毛がフサフサのカメ、手から水飲むトカゲ、歩く魚などなど、が紹介されたらしい。それは見ていないが、偶然見たのが

 タイノエ

である。「鯛の餌」という意味らしい。正体はタイの口に寄生している結構大きく、滑りのある白っぽい寄生虫。オスは小さく、メスはかなりオスより大きい。気持ちが悪い。だけでなく、オス、メスがセットでタイの中で育つ。番組によると、もともとオス、メスの区別はない。しかし、先にタイの体内に入ったほうがメスになり、後から口の中にへばり付いたほうがオスになるという。

 なんとも、気持ちの悪い生き物だ。でも、これも立派な進化生物らしい。こんな寄生虫を見ていると、生物の進化が環境にも影響される、というか驚異の適応であることを信じないわけにはいかない。2009.09.04

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案の定 中国であざとい移植ビジネスが横行

 このブログでも、先日、ほとんどのドナーが死刑囚であるなど、中国のひどい臓器移植事情を取り上げたが、案の定というべきか、9月3日付静岡新聞国際面に、いくらなんでもこれはひどい、と絶句したくなるような記事が出ていた。見出しは、

 臓器狙い路上生活者殺害/中国 移植ビジネスが横行

だ。北京共同電だが、

「臓器移植の悪徳ビジネスが横行しているといわれている中国で、6月に臓器入手が狙いとみられる路上生活者の殺害事件が発生」

と伝えている。「中国誌「財経」最新号などによると、事件が起きたのは少数民族が住む貴州省興義威舎。35~40歳の男性が7、8年前から威舎駅周辺に住み着き、近所の飲食店から残り物をもらって生活していた。しかし、6月15日、貯水池で漁民がこの男性の死体を発見、肝臓、腎臓、脾臓など臓器の大半や眼球がなくなっていた」

 当然、医師が関わっていたはずだ。

 記事によると、中国でも、2006年7月、臓器売買を禁止する通知が出されている。また、旅行名目で訪中した外国人に臓器移植を行うことも禁止されているという。

 にもかからずこれだ。おぞましい臓器移植殺人事件。うかうか中国観光もできない。気をつけよう、甘い言葉と中国旅行。2009.09.03 

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ニイニイゼミはどこへ行った こどもかがく新聞に「そうか、そうだったのか」

 夏も終わりに近付き、セミの声もどこか元気がない。それで、ふと思いついた。今まで住んでいた金沢の街中には、圧倒的にアブラゼミが多い。羽の透き通ったクマゼミなんか、滅多にいない。これに対し静岡県の街中には、羽の透き通ったクマゼミが多い。アブラゼミについで多いような気がする。クマゼミは静岡県当たりが北限なのかもしれない。

 それにしても、クマゼミやアブラゼミよりかなり小さいニイニイゼミはどこに行ったのだろう。私のこどものころには、このニイニイゼミが一番多かったように思う。

 いい大人が、そんな疑問を人に話すのは、いかにも恥ずかしい。と思っていたら、9月2日付静岡新聞の「月刊こどもかがく新聞」に、なんと、

 鳴き声は聞くけれど、街中では「幻」/ニイニイゼミの抜け殻探せ

にその理由が出ていた。こどもたちが、街中の公園でニイニイゼミの抜け殻を探したが、鳴き声は確かに聞こえたのに、抜け殻は見つからなかったという。

 解説の鈴木芳徳さん(NPO法人富士の国・学校ビオトープ)によると、

 ニイニイゼミの幼虫は、林のように、真夏でもある程度の湿り気が保たれる地面を好んで生育するようですから、街中にそんな場所が少なくなっていることの表れかも知れません

というのだ。鳴き声はするが、その場所では脱皮しない。ということは、どこからか、街中に飛んできているということである。ニイニイゼミにとっては、今の乾いた街中は住みにくいのかもしれない。

 これは私にとっては大きな発見だった。こどもかがく新聞をこどもたちだけに読ませるのは、もったいない。大人も十分楽しめる。2009.09.02

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加齢臭対策用石けん  カキ渋がいいらしい

 40万個も売れているらしい。加齢臭対策用のカキ渋入り石けんである。泡の中にカキ渋成分が入っているのがいいらしい。石けんの色もややカキ渋に近いうす茶色。

 理屈はこうだ。加齢臭の原因は毛穴などに詰まった皮膚脂の汚れであり、ここにバクテリアが繁殖し、悪臭成分を生み出す。40歳をすぎた人の皮膚は、こうした皮膚脂汚れや、その汚れを生み出すストレスに対し、敏感に反応するという。

 だから、カキ渋石けんは、この毛穴にたまった皮膚脂汚れを毛穴から効率的に取り除いてくれるのだそうだ。その効果を生むカキ渋は、タンニンなどがほかよりも多く含んでいる柿、天王柿(てんのうカキ)が利用されているという。

 理屈は言われてみれば、なるほどと思う。しかし、それを実際に加齢臭対策石けんとして、実用化するに当たっては、多くの困難があったであろう。

  身近な新商品には、それなりに開発に当たって苦労がある。そのほとんどは、社会のニーズをつかむ開発者の目であろう。社会の動きに敏感な開発者こそ、企業にとっては宝なのだ。

 ところで、風呂に入って、この石けんで体を洗うのもいいが、皮膚脂汚れをとるのには、運動をしていい汗をかくのが一番である。加齢臭が40台から強くなるというのも、これくらいから、仕事が忙しくなり、運動しなくなることも大いに関係しているのではないか。これを補うには、汗をかくことを促進する食品を食べることだろう。例えば、ビタミンC(トマトなど)、カテキン(緑茶)である。朝食に取りたいものだ。2009.09.02

追記。2009.09.04

上記に、「柿渋石けん」が加齢臭対策にはいい、と書いたが、どうしてどうして、世の中には、それだけではない。こんな石けんもある。

 黒い石けん「泥炭石(でいたんせき)」である。

「真っ黒な色は、お肌の皮脂汚れの洗浄を助ける微粉末の炭と、お肌の水分を保つクレイ(ベントナイト)を配合しているから」と広告に出ている。「素肌を磨く、黒い石けん」というふれこみである。発売はペリカン石鹸(0120-711-754)。

 すっきりした細長の黒い石けん、なんだか効きそうだ。泥炭石、いかにも効きそうだ。

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