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「気骨の国民審査」にするために  最高裁判事はどう決まるか

 このブログでも、以前紹介したが、

「気骨の判決」

を出したのは、戦前の最高裁にあたる大審院判事、吉田久氏である。衆院選とあって、最高裁判所裁判官国民審査公報が、わが家にも届いた。そこには、審査を受ける判事8人、長官1人について、それぞれ

略歴、最高裁判所において関与した主要な裁判、裁判官としての心構え

が掲載されていた。どの裁判官についても、多少なりとも知っていることはなかった。まったく知らない。これはある意味当たり前だが、公報を読んだ、あるいは見た素直な感想は

 これらの人は、どういう経緯で選ばれたのだろう

ということだった。というのも、公報に載っている裁判官9人のうち、竹﨑博允(たけさき・ひろのぶ)長官を含めて5人が、憲法判断が求められる大法廷判決に関与していない。これでは、国民は判断のしようがない。

 そんな思いで、新聞を見ていたら

 朝日新聞社説=最高裁国民審査/開かれた選任こそ課題だ

という社説が掲載されていた。朝日社説は憲法については、おかしな社説が多いが、これは的を射た主張である。「選考過程は一切国民の前に明らかにされず、ある日突然、内閣が「決まりました」と発表するのだ」、「どんな仕事をしてきた人がどんな理由で選ばれたのか、国民は知らされない。国民審査が形骸化している根本的な原因はこうしたことにある」と指摘している。社説は、判事や長官の選任過程を公開し、それを通じて「国民審査にも十分な情報を開示することだ」と結んでいる。これが、

 気骨の国民審査

をする条件であろう。朝日新聞もたまには、いいことを言う。2009.08.26

  ところで、問題は情報開示は必要条件ではあるが、それだけでは十分ではない。十分条件としては

 例えば、日本弁護士連合会などが、衆院選に合わせて

 最高裁判事の業績評価書

を作成し、有権者に参考意見として公表することだろう。公報に載っている最高裁での主な判決だけでは、判事なり立てである場合がほとんどであり、参考にはなりにくい。最高裁判事になる前の判決、あるいは業績について、弁護士会が調査し、意見書をつくることが一番、手っ取り早い

 開かれた司法づくり

となるのではないか。有権者に判断材料を提示した上で、イエスかノーか、審査を行うのが、憲法第76条に言う国民審査の本旨ではないか。自分に都合のいい情報のみを公報に掲載して、審査をせい、というのでは、憲法に言う国民審査の名に値しない。実をともなわない見せかけの審査だ。これでは、憲法判断を重要な責務とする最高裁自ら、憲法をないがしろにしていると言われても仕方あるまい。こうした改善策を自ら訴えていく姿勢がほしい。2009.08.26

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