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冬の大雪山に降る雪の巨大結晶 ワンダー×ワンダー

土曜日夜のNHK番組「ワンダー×ワンダー」(8月29日放送)を見ていたら、なんと、冬の大雪山系(北海道のど真ん中、十勝)では、

 上空でできる小さな雪の結晶が、そのまま地表まで単独で六角形の形のまま成長し、巨大結晶(1センチぐらい)になる

という映像を公開していた。結晶同士がくっつかないくらい空気が乾いていて、しかも、それくらい、そうとうな低温(零下15度以下)が地表までつづいているからだという。大雪山系に西からやってくる風はそれまでに水分をほとんど落としていて、渇いているという気象条件がこうした巨大結晶を生み出しているらしい。

 これには、世界的な雪博士として知られる中谷宇吉郎博士(石川県加賀市出身)もビックリだろう。単体で1センチもある雪の結晶である。小生、これまで雪の結晶は顕微鏡でみなければ、あの美しい形は見えないとばかり思っていた。でも、うまく成長すれば巨大化も可能なことを知った。そんな大雪山系だが、7月の夏になると、打って変わって

 さまざまな高山植物が咲き乱れる天空の美しい花畑

になるというのだから、自然はなんとも不思議である。

 この番組を見て、中谷博士が雪の研究を始めるきっかけになったのは、

 SNOW CRYSTALS  W.A.BENTLEY and W.J.HUMPHREYS  2453ILLUSTRATIONS 1931年出版

であったことを思い出した。米豪雪地帯のバーモント州の農民だったベントレー氏の50年にわたる雪の写真撮影の結晶であるが、中谷氏は、この写真集の美しさに感動し、雪の研究に一生をささげる決心をしたことはよく知られている。この写真集が小生の手元にあり、番組終了後、懐かしくなって、この写真集(ドーバーブック)を開いてみた。200ページ以上にわたって雪の結晶が整然と並べられている。ベントレー氏の並々ならぬ執念が感じられると共に、よくぞ、まとめてくれたと感謝せずにはいられない。

 わずか6ドルのこの本には、雪の結晶の写真が延々と並べられているだけで、どこにもそれらについて説明はない。一つの参考文献も記されていない。余計なものは一切ない。それでも、著者の訴えたいことが痛いほどわかる。探究心の深さも十分伝わってくる。自然科学における独創的な研究とは、こういうものをさすのであろう。2009.08.30

なお、ベントレー氏の伝記については、

 『雪の写真家 ベントレー』(神戸市のBL出版、078-351-5351)

という優れた翻訳(版画絵本)がある。原著はアメリカ図書館協会優良児童図書に選ばれている。また、1999年にはコールデコット賞も受賞している。科学ジャーナリストとして、一読を進めたい。大いに子どもたちに、小難しい理屈など知らなくても、科学する楽しさを知ってもらえるだろう。

 科学は、まず、感動から始まる。

そのことに思いをいたす番組であった。

 

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