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気骨の判決 ふるさとの力、ありがとう

 先の日曜日(8月16日)に、NHK終戦ドラマスペシャル

「気骨の判決」

を見た。「戦争のために真実を曲げていいのか」と、東條英機首相と闘った大審院裁判官、吉田久の物語である。NHK記者がまとめた本(「気骨の判決」、新潮新書)が原作である。

 驚いたのは、裁判官、吉田氏の出身が福井市の中心部の佐佳枝町であることだ。小生が生まれたのは福井市毛矢町だが、その隣りの地域である。ほんの目と鼻先のところである。福井地方裁判所にも近い。

 吉田氏が生まれてから、約60年後に小生が戦後の昭和23年に生まれたわけだが、こんなりっぱな人物がいたとは、とんと気づかなかった。

 福井市の偉人には、幕末の志士、橋本左内がいる。ここに、気骨の人物、吉田久を得た。ともに、時流に流されないで、時代を駆けぬけた人物である。誇りに思うとともに、

 それに引き換え、自分は

という忸怩たる思いは、やはり抱かざるを得ない。

 還暦を迎えて、初めて知った

 ふるさとの力、誇り

である。

ありがとう、ふるさと福井。2009.08.19

追記。2009.08.28

こうした気骨の人は、なにも、吉田氏だけではないことを、意外な記事で最近、具体的な資料で知った。

 気骨の反軍国会演説

である。よく知られた斎藤隆夫元帝國議会衆議院議員で、これは戦雲急を告げる真珠湾攻撃前の1940年2月2日の第75回帝國議会の演説である。当然のことながら、というべきか、国会自ら斎藤氏を除名している。

 賛成296、反対7、棄権144

 この7人とは誰だろう。

 斎藤氏のこの時の心境がどのようなものであったか、想像するにあまりあるが、具体的な史料が出てきた。

 そんなエッセーが、8月28日付読売新聞朝刊「磯田道史の 古今をちこち」に出ている。磯田氏が、露天の古道具店市でわずか500円で買い取ったという斎藤氏が残した「色紙」である。引用すると

 吾が言は即ち是れ万人の声

 褒貶毀誉(ほうぼうきよ)は世評に委(まか)す

 請う百年青史の上を看る事を

 正邪曲直おのずから分明 (原文は漢詩)

    第七十五帝国議会去感  斎藤隆夫

となっているそうだ。さもありなん、という色紙である。これを読んで、磯田氏は

「自分がきちんと歴史を書かねば正しいことをして不遇に終わった人物は犬死にになる」

と書いている。その通りであろう。「武士の家計簿」をものにした日本史家らしいというべきか、あるいは、らしからぬというべきか、気骨の一文と感じ入った。

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