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あの戦争を何と呼ぶか 8月15日付静岡新聞社説

 8月15日付静岡新聞を読んでいたら、終戦記念日として、

 あの戦争を何と呼ぶか

という面白い視点の社説が出ていた。あの戦争とは、戦後は一般的には太平洋戦争と呼ぶのだが、果たしてそれでいいのだろうか、という問題意識から、論説委員が書いたらしい。

 結論を先に言えば、私の場合、

 あの戦争は、恥ずかしい意味でも、誇りにする意味でも、そして、歴史の事実から目を離さないという意味でも、

 大東亜戦争

と呼ぶべきであるというものである。間違っても「太平洋戦争」、つまり、米国の言い方、「パシフィック ウオー」の直訳のような言い方で呼ぶべきではない。社説によると、あの戦争の呼び方として、このほか、

 十五年戦争

 アジア・太平洋戦争

 さらには、

 「今次の戦争」

という言い方もあるそうだ。もちろん、大東亜戦争というのは、開戦直後に政府が閣議決定した呼び方である。この名の下に、310万人の日本人戦争犠牲者が死んでいったのであり、2000万人とも言われるアジアの人々もこの戦争の名の下に、犠牲を強いられていったのである。太平洋戦争という聞いたこともない呼称の下に死んでいった「英霊」は一人もいないという歴史の事実に目をつぶるべきではない。

 この社説のライターは、どうやら、戦域に注目した

 アジア・太平洋戦争

と呼びたいらしい。陸軍は主として東アジアを侵略したから、これを見逃してはならないという意味だろう。太平洋戦争というのは、帝國海軍の発想だというわけだ。しかし、アジア・太平洋戦争の名の下に犠牲を強いられた日本人戦争犠牲者は一人もいない。この歴史の事実(真実ではない)を踏まえていないのが残念だ。ただ、この社説は、

 戦争呼称は、ジャーナリズムの宿題でもある。

と締めくくっている。あの戦争を何と呼ぶかは、確かに、今もってジャーナリズムの課題であるという意味では、そのとおりであろう。ただし、私は、上述したとおり、すでにその宿題を終えているが-。

 そんな思いで、同じ8月15日静岡新聞の1面コラム「大自在」を読んでいたら、

 「旧海軍の駆逐艦に乗艦中、西太平洋旧トラック諸島春島沖で空襲に遭い両手首を失った」静岡県出身の伊東朝雄さん

 のエピソードが出ている。たまたま、「週刊現代」8月15日号を見ていたら、

 水中に眠る太平洋戦争 あれから65年目の夏

というカラーグラフが掲載されているのを見つけた。「かつてトラック諸島と呼ばれた、ミクロネシア連邦のチューク諸島。その蒼い海の底には、太平洋戦争中に空襲を受けた日本軍の戦跡が、今も静かに眠っていた-」として、水中写真家の鍵井靖章さんの撮った写真が紹介されていた。

 水深42メートルの海底に眠る輸送船、富士川丸のマスト/ 富士川丸の船倉内から発見された九六式艦上戦闘機のコクピット残骸

 などが掲載されている。この空襲は1944年2月17日 米軍の急襲で在トラック諸島の兵力はほぼ全滅したという。トラック諸島といえば、連合艦隊の洋上前線司令部のある戦艦大和や武蔵も停泊した重要な軍港所在地である。いわば、

 アメリカ版「真珠湾攻撃」=米軍による旧トラック諸島急襲

と言えるかもしれない。このあたりから、日本海軍は絶対国防圏を維持できなくなり、転進に次ぐ、転進に追い込まれ、敗戦への道を転げ落ちていく。

 それはともかく、このグラフでも、あの戦争のことを太平洋戦争としているのが、少し気になったことを付け加えておこう。2009.08.15

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