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ビッグウエーブの予感  毎日新聞1コマ政治漫画

 新聞にはたいてい1コマ政治漫画というのがある。一目で今の政治状況がわかる。静岡新聞にはそれがないのが寂しいが、衆院選前日の8月29日付毎日新聞1コマ政治漫画に、

 ビッグウエーブの予感

と題して、葛飾北斎の、あの「神奈川沖浪裏」(なみうら、富嶽三十六景の一つ)をもじったものが出ていて出色であった。富士山の代わりに国会議事堂が大波の奥に描かれている。大波に乗ってサーフしているのが、民主党の鳩山由紀夫代表、波に飲まれそうになっている手前の小船に乗っているのが自民党の麻生太郎首相という構図である。「経世済民」をもじって「経世済民術」と右肩に統一タイトルがついている。「済民」に「催眠術」がかけられているという趣向だ。「え・よこた しぎ」とある。なかなか考えた、お見事と言いたい出来である。

 ただ、この場合の「ビッグウエーブ」、つまり大波とは何か、については読者それぞれ考えてほしいという意味だろう。教育効果も狙っているように見える構図だ。

 ところで、そのビッグウエーブだが、同じ29日付毎日新聞の「近聞遠見」(岩見隆夫)に

遺言「この日本、何とする」

に出ている。先ごろ亡くなった政治評論家、細川隆一郎氏の亡くなる三日前に「ラジオ日本」放送で、残した言葉として、

 「こんどの選挙は、吉田茂の(1951年のサンフランシスコ)講和、(1955年の)保守合同、(1960年の)岸信介の安保改定に匹敵する大きな変わり目だ」

という隆一郎氏の「遺言」が紹介されている。その上で、鳩山代表は「この国を何とするか、を決める時だ」と結んでいる。1990年代前半の細川護熙「殿」の非自民新政権誕生が抜けているのが、お笑いだが(90歳で病床にあったとなれば無理もないが)、ともかく、大波の程度を、具体的に示していて面白い。

 隆一郎氏自身、この国を何とするか、ぼやくばかりで自説を具体的に披瀝していないのが、何とももどかしいが、それもしゃべくり嘆き節の政治評論家にすぎないのだから仕方がない。しかし、

 鳩山氏が、今、この国を何とするか、を決める時である

という指摘は正鵠を射ている。選挙期間中、政権交代は叫んだが、この国を何とするかについては、具体的に何も語らなかった。その責任は大きい。ぜひ、今後すみやかに国民に向って直接語りかけるべきである。そうでなければ、かつての殿様政権の二の舞になるであろう。そんな思いで、投票結果に注目したい。

 追記。

 この「近聞遠見」の挿絵(西村晃一氏・え)は、メガネをかけてネクタイ・ワイシャツ姿の隆一郎氏が腕まくりしてはしごを昇る構図である。このはしごとは、天国に通じるという「ジェイコブのはしご(ラダー)」であろう。思うに、隆一郎氏は、大波に乗る鳩山氏が「この日本を何とするか」、それを決める姿を見届けたかったであろう。あと少し、あと10日間、その時間を与えられなかったのは、隆一郎氏にとっては心残り、はっきり言えば政治評論家としては不幸であったろう。

 なお、隆一郎氏は、15年前に94歳で亡くなった政治評論家、細川隆元氏のおいにあたるらしい。

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