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美は「困窮」の隣りにあり 政令指定都市浜松の奇妙な現実

 休みの土曜日の朝、ときどきJR浜松駅周辺を散歩する。駅前の象徴は、なんといってもアクトタワーを中心にしたアクトシテイだろう。大、中、小のコンサートホールがある。そのすぐ横の通路には、陶板を重ねてつくった大壁画

 「伸びゆく浜松」

というのがある。ものづくり浜松の代表的な産業や歴史を陶板で表現したものである。だが、そのほんの隣りの片隅に、生活困窮者、ルンペンが寝泊りしているのだ。たたみ一枚分の隙間に寝泊りしている。大壁画の左右には掲示がある。

 「鎖の中へは入らないでください」

ルンペンを近づけないための対策である。少し、右には、倉庫のドアです、物を置かないでください、と書いてある。が、そんなことには、困窮生活者は何の痛痒も感じない。悠然と、土曜日の午前10時になっても、寝ている。トイレは駅のトイレを借りる。水は近くの都市公園の水道を使う。これが、伸びゆく政令都市浜松の現実なのだ。

 「美は乱調にあり」とは、瀬戸内晴美(寂聴)さんの小説のタイトルだが、それ風に言うと

 美は「困窮」の隣りにあり

ということになる。美と困窮が隣り合わせのちぐはぐな街、それが浜松の現実なのだと、久しぶりの土曜散歩で知った。「伸びゆく浜松」の大壁画が見落としているものをこの生活困窮者は見事に指摘している。このことに気づいただけでも、早起きは三文の得、ということになろうか。

 「伸びゆく浜松」大壁画が美と言えるためには、生活困窮者の存在を壁画の中に表現しておく必要があったのだ。それを忘れた。いや、あえて、それを避けた。そのために、この壁画は「美」とは言えなくなった。大壁画の前を通る人の誰一人として、この壁画に目をやる人はいない、感動する人もいないのは、そのためだろう。やはり、

 美は「乱調」にある。2009.07.18

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