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脳科学ブームまたは脳ニセ科学ブーム 

 昨今の脳本ブームは、科学とはほとんど無縁の代物とこれまで書いてきたが、こんな思いは科学ジャーナリストの小生だけでなく、本職の大学教授もにがにがしく思っていることがわかった。日曜日付の読書欄、7月12日付静岡新聞に

 「つながる脳」(NTT出版) 脳科学の「壁」に新展望

として、立教大学の河野哲也教授が書いている。出だしを少し紹介すると、こうだ。

 「脳科学ブームである。しかし、とても科学的とは言えない飛躍した主張に満ちていると、まゆつばして眺めている方も多いはずだ。そんな脳科学嫌いの読者にもぜひ薦めたいのが本書(「つながる脳」のこと)である。」

 なぜ、薦めるかというと、第一に、現状の脳科学の限界と問題点をはっきりと認め、それに向かい合っている点である、と指摘している。氾濫する、書き殴ったような最近の脳本にこの真摯な態度がなく、ただ、ただ、売らんなかの商売として出版している。これらの本は、河野氏が言うように「不確かな仮説、社会の過剰な期待、倫理的課題など、脳科学に立ちはだかるさまざまな「壁」」については、知らんぷりして、やたら、あやふやな仮説をあたかも真理であるかのように書き散らしている。ニセ科学と大して変わらないあこぎな本があまりに多い。

 この点、評者の河野氏は「つながる脳」の著者は、脳測定装置のエンジニアとして優れている、これまで脳科学が扱えなかった社会適応やコミュニケーションの「過程」を研究対象にしている-などで優れていると河野氏は指摘する。鋭い指摘である。

 自分の脳を使え。タレントのようなニセ脳学者を疑え。いかさま本にだまされるな。「学ぶ冒険」とはこのことだ。2009.07.12

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