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「信じる者」は救われない ニセ科学の世界

 業を煮やして、ついに出た、という感じである。これまでニセ科学について散々批判してきた菊池誠大阪大学サイバーメディアセンター教授と、渋谷研究所Ⅹが共同で最新刊

 『おかしな科学 みんながはまる、いい話コワい話』(楽工社)

を上梓している。身の回りのニセ科学を徹底的に語る。そう宣言している。それも、真正面から語るのは、バカバカしいからか、ちゃかして面白く書いているところがいい。たとえば、このブログでも何回も取り上げた脳ニセ科学については

 オー、脳 ! (Oh  No ! )

で片付けている。お見事と言うほかない。

 「信じる者」は救われない

とまで言っているのだから、すごい。そのとおりであろう。

 問題は、なぜ、今、こんなにニセ科学が繁盛するのか、ということだ。この本によると、世の中忙しくなり、難しい理屈より「わかりやすい二分法」を好むからだろうと分析している。ともかく白黒はっきりさせたいのだ。そういえば、テレビ番組を見ていると、○か×かでこたえるクイズが多いのも、ニセ科学と同じ背景なのだろう。

 あれこれ考える。○でもないし、さりとて×でもない。そんなことを深く考えない世の中になってきている。もっともらしい理屈さえあれば、すぐ納得する。すぐ答えがほしいのだ。まてよ、本当かなあ、などと悠長に考えなくなっている。ここにニセ科学が世の中にはびこる温床がある。そう考えれば、結論はこうなる。

 結論。このところのニセ科学のはびこりには、著者だけの責任ではない。著者の言うことを、よく考えもしないで真に受ける私たち一般国民にも責任がある。

 となれば、こうも言える。

 出版界にとって、ニセ科学は、この大不況の中、絶好のビジネス・チャンスなのだ。

 わかりやすく、イイ話はこわい。2009.07.18

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