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サクラエビの踊り食い 「駿河湾の宝石」、成功の秘密

 浜松に住むようになって、また、駿河湾に面する静岡市に勤めにいくようになって、この春、初めて、赤提灯の突き出しに、生のサクラエビが20匹ほど出た。早速、刺身好きの私は、熱燗にした日本酒でいただいたが、北陸の味とはまた違った甘い香りの味が口の中に広がった。転居してよかったなあ、と思ったものである。このサクラエビ、実は私は、干したサクラエビしかこれまで知らなかった。味噌汁に入れる。お好み焼きにまぶす。浜松に来て、初めて、かき揚げにしたり、釜揚げにしたりしたものを食べた。

 ところが、この「駿河湾の宝石」とも言われるサクラエビ、水揚げすると一日ぐらいで死んでしまうのだそうだ。サクラエビ漁法そのものは明治時代から100年以上続いていて、春と秋に家庭の食卓や赤提灯のカウンターを彩る。がしかし、刺身にはできても、生きたまま踊り食いはできない。それができるようになったと、6月12日付朝日新聞夕刊は箱組風に大きく掲載していた。

 ところが、どこにも熱心な人はいるもので、これを何とか、できるだけ生簀のなかで長生きさせて、踊り食いにできないか、そう考えた。考えただけではなく、地元漁師、原剛さん(清水区)と大学の研究者、高崎みつる・石巻専修大学理工学部教授とが共同で取り組んで3年越しで、一週間くらい長生きさせる方法を見つけた。生簀の水をいかにきれいに保つかということがポイントだった。今春から、踊り食いができるようになったそうだ。食べさせてくれるという店は、

 静岡市清水区のすし店「やましち」

だという。

 北陸にも、春先、いさざ(ハゼ科のシロウオ)を踊り食いで食べさせてくれるところがある。能登の穴水町である。四つ手網を使う「いさざ漁」は3月ごろだが、金沢市内のちょっとした料亭では10匹ぐらいの踊り食いで2000円前後、生きたまま飲み込むので、少しかわいそうだが、そののど越しがなんとも言えないオツな感触なのだ。最近では、ずいぶんこの踊り食いのいさざが減っているそうだ。いさざは能登半島の河川に春先、産卵のためやってくる。それを網ですくい取るのだが、川が汚れていて、なかなかいさざが集まってこない。つまり、産卵に適した河川が少なくなっている。穴水町のような奥能登でも河川がいさざにとって汚染されているようなのは、残念なことだ。

 春告魚、いさざは環境汚染に敏感なのである。

 ついでに、書いておくと、冬の富山湾には、サクラエビに似たシロエビが取れる。シラエビとも言うが、透き通った淡いピンクで、こちらも「富山湾の宝石」と言われている。刺身で食べてよし、かき揚で楽しんでもよしの春告魚だ。寿司タネとしても、軍艦巻きにしたシロエビは北陸では人気メニューの一つだ。ただし、冬の富山湾の深層水の中で育つ。だから冬だけしか楽しめないところに、シロエビの値打ちがある。

 いさざも、シロエビも、北陸の季節感を感じさせてくれる魚だ。

 こうした海の幸を食べるたびに、地球環境に正面から向き合って、大切にしていかなければならないと、実感する。2009.06.14

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