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かぐや姫をめぐる物語 読売新聞の見出し勝ち

 全国紙の夕刊が面白いとは、これまで言ってきたが、科学が関係すると途端に面白くなくなるという場合がある。それが、そうでもないという事例が出てきた。6月11日付夕刊だ。

 月の起源や成り立ちを調べるため、月周回軌道を回っていた日本の衛星「かぐや」が任務を終えて、月に落下したという記事。将来の月基地づくりの基礎データを収集するのも目的であった。各紙、見出しが勝負である。秀逸なのは、

 ◎ 任務終了 かぐや 月に帰る   (読売新聞)

と1面左肩に箱組風に。1面トップは、株 一時1万円台。

 ○ 「かぐや」月に帰る/任務終え落下/地形観測など成果  (日経新聞)

 ○ 「かぐや」月に帰る/観測を終え落下  (中日新聞)

 △ 「かぐや」月面落下 観測1年半  (毎日新聞)  

  × 役目終えて/ かぐや月面落下  (朝日新聞)

  × お疲れさま かぐや月へ/ 任務終え落下   (静岡新聞)

評価も付けてみたが、静岡新聞の場合、「かぐや月へ」は、意味不明。見出し間違いではないか。今まで二年間も月周回軌道にいたのだから、「月へ」はないだろう。「月面へ」の意味か。その後にある「落下」が正しい(無粋だが)。朝日新聞の見出しは正確だが、一番面白くない。科学記事を科学記事らしい見出しで片付けている。日経新聞も合格だが、ごたごた見出し付けすぎである。

 簡にして、明快。しかも、小難しい科学記事を文学的な香りを漂わせて、なんとか読ませようという整理記者の工夫がうれしい。

  私の感想をひと言。

 かぐやを落下させたの仕方ないとしても、なぜ、エンジンを逆噴射するなりして、月面に激突させなかったのか、疑問がある。そうすれば、月に小さくはあるが、地震を起こすことになり、アメリカを月面に設置した地震計を借りれば、その記録から月の内部構造がより正確に分かったはずなのに、それをしなかったのはなぜか。それとも、米の地震計は故障しているのかも知れない。その点不明だが、ひと言、関係者のコメントがあってもいいのではなかったか。なにしろ、目的の月の起源や、形成過程の研究には、月内部構造が重要である。重力異常の調査だけでは不十分であり、地震波の内部伝搬の様子は重要なデータであるはずだと思うのだが。2009.06.11

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