« 「科学的」って何だ! 「モノゴトの正しい疑い方」の正しい疑い方 | トップページ | モノゴトの正しい信じ方 松尾神社のお祭り »

モノゴトの正しい疑い方  サンゴは動物、それとも植物 ?

 人間、先入観というのは恐ろしい。松井孝典さんの言うとおり、モノゴトの正しい疑い方をマスターしなければならないと大いに反省した。6月13日、土曜日午前の番組「NHKアーカイブス」で沖縄・宮古島付近の美しい珊瑚礁の紹介をしていた。あまりの美しさに、こんなところに年中暮らせたらいいなあ、とついつい思ってしまった。でも、こんな太陽燦燦の日々ばかりではない。台風の通り道で散々な目にあっている。あまりのんびりしすぎて、痴呆症になるのではないか、そうではなくても、ヒマをもてあますのではないか、と何かと理屈をつけて浜松に暮らすほうがいいと無理やり、信じ込もうとした。

 そうこうしているうちに、海中のサンゴの生態が紹介されて、アッと驚いてしまった。私は、今までサンゴは植物と思っていたのが間違いであることに気づいた。動物なのだ。

 なぜ、植物だと思い込んでいたかというと、まず、魚のように海中を動かない。昼間は、浅瀬のサンゴは、陸上の植物同様に、太陽の光を浴びて盛んに光合成し、酸素を吐き出す。これはもう、間違いなく、植物だ。ところが、番組の映像は、なんと、透明な長い糸のような触手を伸ばして海中のプランクトンをかき集めて、あろうことか、口のようなところから飲み込んでいるのだ。これには驚いた。年一回、満月の夜に、精子と卵子をいっせいに吐き出して、受精し、幼生という小さな芋虫のようなものが浮遊する。そして、しばらくすると、海底に根を生やすのだ。そして、海底で、サンゴに成長するための骨格をつくる。そんな映像にびっくり仰天した。

 早速、愛用している「日本百科全書」(1986年初版)を開いてみた。確かに、

 腔腸動物門に属するサンゴ科の海産動物、またはその動物の形成した骨軸

と書かれていた。全書の「研究史」によると、「古来サンゴは植物だと信じられていた。」と書かれている。専門家も小生と似たような誤りをしていたのだ。

 サンゴによく似た「海綿」もどうやら、進化の歴史において動物と植物の分岐点にいるようだが、これも歴とした動物なのだ。海底に固着した海綿が多いが、海底をなんとか動き回る海綿もいる。海綿から進化してサンゴにつながるのだろう。

 海底生物には、サンゴに限らず、陸上からは想像もできない奇妙なものが多い。最近、海洋生物の分布情報や動画などを集めた総合データベース

「BISMaL」

がネットで公開され始めた。のぞいてみたら、いやはや、海底は

 生物とはなんぞや

ということを考えさせる宝庫であることに気づかされる。

 http://www.godac.jp/bismal/ をぜひ一度のぞいてみるのも、「モノゴトの正しい疑い方」を知る一助となるであろう。2009.06.13

|

« 「科学的」って何だ! 「モノゴトの正しい疑い方」の正しい疑い方 | トップページ | モノゴトの正しい信じ方 松尾神社のお祭り »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/533942/45328129

この記事へのトラックバック一覧です: モノゴトの正しい疑い方  サンゴは動物、それとも植物 ?:

« 「科学的」って何だ! 「モノゴトの正しい疑い方」の正しい疑い方 | トップページ | モノゴトの正しい信じ方 松尾神社のお祭り »