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DNAの魔力 足利事件で最高検が謝罪、栃木県警も謝罪

 「DNAの魔力」と言ったのは、足利事件の弁護士、佐藤博史さんだが、確かに、DNAの魔力はすさまじい。

 6月11日付静岡新聞朝刊に

 最高検、初の謝罪/ 「服役させ申し訳ない」

と出ている。内容を以下に少し引用する。

 「再審請求中に釈放された菅家利和さん(62)に向け、最高検は10日、「真犯人と思われない人を起訴、服役させ、大変に申し訳ない」と検察庁として、初めて謝罪した。伊藤鉄男次長検事が記者会見を開いて述べた。再審開始が決まっていない段階で、釈放した元受刑者について無実だと検察側が認め、謝罪するのは極めて異例。」

 6月11日付毎日新聞によると、伊藤次長検事は「菅家さん本人に対しては、今後、直接謝罪する意向を示した」という。

 また、最高検は、すでに次のことも決めている。

 「最高検は、菅家さんが釈放された4日、捜査段階から公判までの全過程を検証するチームを発足、担当検事が記録の精査を始めた。DNA旧式鑑定の問題点に加え、菅家さんが、「自白」に追い込まれた取り調べの適否についても調査している」

 すでに、03年以前の事件については、最高検がDNA型鑑定に関連する試料などの保管を継続するよう指示している。

 こうした最高検の姿勢を受けて、事件の捜査にあたった栃木県の県警では、以下の石川正一郎本部長名の談話を発表した。記者会見でこの談話を発表したのは、高田健治刑事部長。同県警が菅家さんに公式に謝罪の意をしたのは初めてと静岡新聞は伝えている。

 「真犯人とは思われない方が長期にわたり刑に服されることとなったことについては、誠に遺憾であり、申し訳ないことと考えている」

 この談話を受けて、栃木県警では、91年の逮捕当時の捜査についての検証を早急に進めるとしている。静岡新聞はさらに、記事の中で「警察庁の吉村博人長官は、定例記者会見で足利事件で栃木県警の石川本部長が出した謝罪談話を読み上げたうえで

 「私個人としてもまさにこの通りであると思う。遺憾なことであり、二度とこういうことのないようにしたいと思う」

と述べた」。

 それにしても、DNAの魔力は、かくも威力があるとは驚いた。逆に、科学の持つ魔力に、科学ジャーナリストは慎重であるべきだ。総懺悔は、危うい。DNA鑑定は、葵の御紋にあらずだ。それにしても、

 ああ、裁判官よ、あなたに良心はないのか。

  こうした一連の動きに対して、気になるのは、裁判所にまったく反省の様子がないことだ。司法の独立を逆手にとって、知らんぷりは、今後の裁判員裁判で、職業裁判官に対する不審は募るばかりであろう。栃木県の宇都宮地裁でまもなく始まる再審で、無罪判決を出した後、再審判決を出した法廷で速やかに裁判長裁判官は菅家さんに謝罪すべきであろう。同時に、事件当時の一審として宇都宮地裁で確定判決を出した女性裁判長裁判官も謝罪会見をすべきである。検察のいいなりの判決を出し、保身に走ったことを反省すべきである。このことは、

 「疑わしきは、裁判官の利益に」

の「法理」がまかり通っている現状を少しでも払しょくする。裁判官は、検察官の腰巾着、べったり依存体質ではないことを、この際、毅然として示して欲しい。 2009.06.12

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