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遠州灘の「ながらみ」 進化の履歴500万年

 行きつけの「赤提灯」で、浜名湖産のアサリを沢山いただいた。その日、女将の近親者が浜名湖にボートを出して取ってきたもので、沢山取れたからと、わざわざ店に届けてくれたのだそうだ。だから、まだ生きている。帰宅後、早速、アサリの酒蒸しにして、一杯。自宅でアサリをこうして食べるのは、浜松に転居してからは初めてだったので、二枚貝のアサリをしげしげと見てみた。年輪のような筋が半円形にびっしり描かれている。それと直交するように放射状の筋がまっすぐこれまだびっしりと描かれている。進化の過程でできたものであろう。

 そんな二枚貝の酒蒸しを次の日、日曜日の朝からまた楽しんでいたら、日曜日付の6月21日付静岡新聞朝刊に毎週掲載される「しずおか自然史」に、静岡大教育学部の延原尊美准教授が遠浅の遠州灘に生息している巻貝

 ながらみ=ダンベイキサゴ

の進化の履歴500万年について書いていた。静岡県人には、子どもの頃から食卓によく登場していたから、身近な巻貝なんだそうだ。もっとも、最近では、とんと少なくなったそうだ。記事によると、この「ながらみ」

 今から約1500万年前の温暖な時期に南方から移住してきた。その後、日本列島の周辺で種分化を繰り返してきた。そして、「ながらみ」に至る系統は化石の記録や、現世種の遺伝情報(DNAの塩基配列)などに基づき、約500万年前に他の系統から分岐したと考えられているそうだ。その後、掛川層群の地層化石分析から、約300万年前から200万年前には、浅瀬から、不安定な環境変化がある外洋の浅い海、遠州灘にも進出していったらしい。これが現在の姿であり、そろばん玉のような、その扁平な巻貝の美しい貝殻模様、つい手にとってみたくなるような美しい巻貝の模様には、こうした500万年の履歴が詰まっているのだ。美は乱調にあり、と言った芸術家がいた。貝類の生物学者に言わせれば

 美は進化にあり

となるようだ。2009.06.21

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